- 投稿日:2026/03/12
- 更新日:2026/03/12
昔は、クッキーは買うものだった。
その日の気分に合わせて、スーパーの棚からお気に入りの一袋を選ぶ。それが自分へのささやかなご褒美であり、至福の時間だった。
けれど、最近はどうだ。
いつものように袋を手に取ると、まず脳がバグる。「……軽い」。
インフレの波は、私の楽しみをじわじわと削り取っていった。
家に帰って袋を開ければ、そこにあるのは外袋の大きさに反抗するかのような、スカスカの空間。
そして、個包装から出てきたカントリーマアムの小ささよ。
「お前、いつからこんなにに謙虚になったんだ…」
これ以上小さくなったら、もう分子レベルで消えてしまうんじゃないか。
指でつまんで口に放り込めば一瞬。
ご褒美だったはずの時間は、虚無感に飲み込まれて終わる。
不二家さんだって頑張ってるって、分かってる。
でも、ここが企業努力の臨界点なんだ。
「最近高いけど、チョコレートが食べたい。」
スーパーで高くも安くもない真ん中のチョコレートを買って来る。
食べて頭の中に???が浮かぶ。
「チョコ」という名の、別の何か。
ふと裏面を見る。添加物のパレードだ。
かつて「チョコレート菓子」だったものは、いつの間にか「準チョコレート」になり、今や知らない間に油と砂糖で固められた「チョコのような何か」に成り下がっている。
何なんだ、この寂しさは。
私はお金で何を買って来たんだ?
スーパーのお菓子売り場で、値札とにらめっこして選んできた商品なのに。
あの時間を返してくれ…。
「だったら、自分で作るしかないじゃないか。」
そう決めた。
…「なんだ、手作り?無理無理!」
と閉じようとしている君、ちょっと待ってくれ。
ちょっとだけ聞いてほしいんだ。
きっかけは、リベシティの生産者さんから買った米粉クッキーだった。
一口食べた瞬間にわかる、素材の良さ。
添加物で誤魔化さない、真っ直ぐな味。
「これだ、これを私の日常に取り戻すんだ。」
お菓子作りは難しいと思っていた。でも、米粉は違った。
米粉にはグルテンがない。
つまり、小麦粉のように「混ぜすぎたら硬くなる」なんていう繊細なルールが存在しない。
粉を混ぜ、油を混ぜ、形を整えて焼く。
ただそれだけ。
失敗したくてもできないのが、米粉クッキーの凄みだ。
米粉クッキーを販売している方に失礼なので付け加える。
米粉クッキーを美味しく焼くには材料も技術もいる。私が言っているのは、初心者向けの米粉クッキーのお話。
インスタにもGoogleにもレシピは溢れている。
私は米粉クッキー作りを始めた。
今日で12回目。
プレーン以外に味を変えてみたい。
けれど、キッチンにはココアも抹茶もない。
あるのは、普通に淹れる用のコーヒー粉とスライスアーモンドだけ。
ここでAIに聞いてみた。
「コーヒー豆、挽いてあるけど粗いんだよね。使える?」
こんな時、AIは最高の相棒だ。
「包丁で叩け。それが食感のアクセントになる」。
言われるがままにコーヒー粉を叩き、アーモンドを砕き、生地に練り込んだ。
自分で作るクッキーのサイズは♾️だ。
焼き上がったのは、かつての、いや全盛期のカントリーマアムを超えるサイズ。
一口食べれば、コーヒーの苦味とアーモンドの香ばしさが弾ける。
「これだよ、これ。」
私が求めていた「ご褒美」は、この1枚の満足感だったんだ。

米粉クッキーは家族にも好評で、すぐになくなってしまう。
でもいい。
自分で選んだ材料で、好きなだけ大きく作ったクッキーがある生活は、何より贅沢だ。
混ぜて、固めて、焼くだけ。
もし、インフレで小さくなったお菓子に絶望している人がいたら。
グルテンフリーなんて難しそうだと足踏みしている人がいたら。
ぜひ、米粉を手に取ってみてほしい。
オーブンがなければトースターでもいい。
売っているもののような均一さなんてなくていい。
「混ぜて、固めて、焼く」
ただそれだけで、あなたの手の中に「本物の幸せ」が戻ってくるはずだから。

【基本の米粉クッキー(天板1枚分)】
• 粉類: 米粉 80g、片栗粉 20g、アーモンドプードル 25g
• 甘味・塩気: 砂糖 40g、塩 ひとつまみ
• 油脂: 油(米油やサラダ油) 40g
• 水分: 牛乳(または豆乳) 大さじ1.5〜2 ※まとまるまで調整
※アーモンドプードルはAmazonで大袋を買うと、何回も使えるよ
【作り方】
① 粉を混ぜる:ボウルに粉類(米粉・片栗粉・アーモンドプードル・砂糖・塩)を入れ、泡立て器でぐるぐると均一に混ぜる。
② 油をなじませる:油を加え、全体がポロポロの砂状になるまでヘラなどで混ぜ合わせる。
③ ひとまとめにする:牛乳(または豆乳)を少しずつ加え、ポリ袋などに入れて「ギュッギュッ」と圧をかけながら、ひび割れない硬さまで握り固める。
④ 味を付ける:生地を分け、細かく叩いたコーヒー粉や紅茶葉、砕いたスライスアーモンドをそれぞれ練り込む。
⑤ 成形する:自分が食べたい大きさに丸めて、厚さを5ミリ〜7ミリにする。
⑥ 焼いて乾燥させる:170℃に予熱したオーブンで20分焼き、焼き上がったら出して冷えるまで置いて完成!!
不二家さん、応援しています🩷