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  • 投稿日:2026/04/09
コワーキングスペースは本当に高いのか? 参照価格から考える副業の場所代

コワーキングスペースは本当に高いのか? 参照価格から考える副業の場所代

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かぜみどり

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この記事は約7分で読めます
副業を始めようとすると、意外と後回しにされやすいのが、どこで作業するかです。

自宅で済ませる人もいれば、カフェを使う人もいます。図書館を選ぶ人もいるでしょう。その一方で、コワーキングスペースやシェアスペースを見ると、高いと感じる人も少なくありません。

ですが、その高いという感覚は、本当に料金そのものを見て判断しているのでしょうか。実際には、人は価格を単独で評価しているわけではありません。頭の中にある基準と見比べながら、高いか安いかを判断しています。

このとき使われる基準として知られているのが、参照価格という考え方です。

参照価格とは、消費者が価格を評価するときに無意識に使っている比較基準のことです。

人は商品の金額を絶対的に見るのではなく、過去に見た価格、似たサービスの価格、普段使っている選択肢の価格などを基準にして判断します。

つまり、目の前の価格に意味を与えているのは、その金額そのものだけではなく、どの比較対象が頭の中に入っているかでもあるわけです。

この視点で考えると、コワーキングスペースやシェアスペースが高く見える理由もかなり整理しやすくなります。

コワーキングスペースが高く見えるのは、比較対象が安すぎるからかもしれない

たとえば、月額で利用するコワーキングスペースを見たとき、多くの人は無意識に自宅やカフェ、図書館と比較しています。

自宅なら追加コストはほとんどかかりません。図書館も基本的には安く使えます。カフェも一回ごとの支払いだけを見ると、そこまで高く感じにくいです。

この比較軸に乗せると、コワーキングスペースは不利になります。そもそも相手が安すぎるからです。

ですが、比較対象を変えると印象は大きく変わります。たとえば、仕事用の部屋を借りる場合や、複数人で打ち合わせできる場所を毎回確保する場合を想像するとどうでしょうか。

アパートや賃貸スペースを借りるなら、家賃だけで終わりません。初期費用もかかりますし、机や椅子、通信環境、電気代なども必要になります。さらに、人と会うたびに別の場所を探す手間も発生します。

そう考えると、シェアスペースは高い場所ではなく、必要な機能をまとめて低コストで使える場所として見えてきます。

つまり、価格の印象は金額だけで決まっているのではなく、何を基準に見ているかでかなり変わるのです。

参照価格は単なる印象論ではなく、判断の仕組みそのものに関わっている

ここは少し科学的に見ておきたいところです。

人の判断は、何もないゼロの状態から始まるわけではありません。価格を見る前から、頭の中にはこれくらいが普通だろうという基準があります。これが判断の出発点になります。

この基準は、次のようなものから作られます。

過去に使ったことのあるサービスの価格。似ていると感じる商品の相場。無料または安価で代用してきた経験。日常でよく使う支払いの感覚。

そのため、コワーキングスペースを見た瞬間に、頭の中でカフェ代や自宅利用の感覚が基準になっていれば、高いと感じやすくなります。逆に、仕事場を確保する費用や事務所コストを基準にすれば、むしろ安く感じやすくなります。

ここで大事なのは、どちらが正しいかという話ではないことです。人は比較の仕方によって、同じ金額に違う意味を与える。この仕組みを理解しておくことが重要です。

リベシティ会員にとって場所代は単なる出費ではない

リベシティの会員さんは、副業や事業づくりに前向きな方が多い印象です。だからこそ、何を学ぶか、何を売るか、どんなスキルを伸ばすかには意識が向きやすいと思います。

ですが、実際に副業を続けるうえでかなり効いてくるのは、どこでやるかです。

家だと気が抜ける。本業終わりだとそのままダラダラしやすい。カフェだと席の確保や周囲の音が気になる。図書館は静かでも、通話や相談には向かない。

こうした問題は、小さく見えて積み重なると大きいものになってきます。集中が切れる。作業の開始が遅れる。打ち合わせのたびに場所を探す。結局、やろうと思っていたことが進まない。

そう考えると、場所代はただの固定費ではありません。副業の継続率や作業効率に関わる投資として見ることもできます。

副業は気合いだけでは続きません。行けば切り替わる環境があるかどうかで、かなり差が出ます。これは、リベシティのように行動する人が集まる場では特に無視しにくい視点です。

スペースシェアマーケットをやっている人は、何と比較されるかを設計した方がいい

ここからは、リベシティのスペースシェアマーケットをやっている方にも関係する話です。

スペースを貸す側は、つい自分の場所の設備や雰囲気、立地の良さを伝えたくなります。もちろんそれも大事です。ですが、それだけだと利用者の頭の中では、結局カフェや自宅と比較されたまま終わる可能性があります。

すると、価格だけが目立ちます。その結果、高いという印象になりやすいです。

ここで必要なのは、単に良さを説明することではありません。この場所を何と比較して見てほしいのかを、言葉の中で設計することです。

たとえば、ただ集中できますと書くだけでは表現として少し弱いです。それよりも、家では切り替えにくい人向けの作業拠点ですとか、カフェではしにくい通話や相談にも向いていますといった形で、比較対象をにじませる方が伝わりやすいです。

さらに、複数人での打ち合わせや軽いミーティングにも使えるなら、その価値はかなり大きいです。ここはカフェや図書館では代替しにくい部分だからです。

つまり、スペースシェアマーケットで場所を出している人ほど、価格そのものを語る前に、その価格をどの土俵で見てもらうかを考えた方がいいわけです。

アパート比較は使えるが、そのままだと少し乱暴

ここで出てきやすいのが、アパートを借りるより安いという発想です。

この方向性自体は間違っていません。むしろ、参照価格の考え方としては筋が通っています。仕事用の部屋を持つことと比べれば、シェアスペースはかなり軽い選択肢に見えるからです。

ただし、そのまま使うと少し乱暴です。なぜなら、多くの人は副業のために本当にアパートを借りるわけではないからです。比較として遠すぎると、理屈は正しくても納得感が落ちます。

なので、言い方を少し調整した方がいいです。

たとえば、部屋を借りるほどではないけれど、家やカフェでは足りない人向けの場所です、という表現ならかなり自然です。これなら、自宅やカフェと比較している人にも届きますし、ちゃんとした仕事場ほど重くはないという中間の価値も伝わります。

この中間ポジションこそ、シェアスペースの強みです。

シェアスペースの価値は、場所そのものより仕事の進みやすさにある

シェアスペースの価値を単なる場所貸しで終わらせると、どうしても価格比較に引きずられます。ですが、本当の価値はそこだけではありません。

仕事に入りやすい。続けやすい。複数人でも使いやすい。通話や相談にも対応しやすい。家とは違う切り替えができる。

こうした要素を持っているなら、それはただの場所ではなく、仕事が進みやすい環境です。

副業は、できるかどうかより、続くかどうかの方が難しいことが多いです。そして続くかどうかは、本人の性格だけでなく環境にも強く左右されます。

そう考えると、シェアスペースは一時的な出費ではなく、継続しやすい仕組みの一部とも言えます。

まとめ

コワーキングスペースやシェアスペースが高く感じるのは、料金が高いからとは限りません。多くの場合、その前に何と比較しているかが影響しています。

自宅やカフェ、図書館を基準にすれば高く見えやすい。ですが、仕事を進めるための環境、複数人で使える拠点、部屋を借りる代わりの柔らかい選択肢として見れば、印象はかなり変わります。

参照価格というのは、単なる言い換えのテクニックではありません。人が価格をどう受け取るかという判断の仕組みに関わる考え方です。

だから、リベシティ会員が副業の場所を考えるときにも、スペースシェアマーケットで場所を提供する人が説明文を作るときにも、何と比較されるかは無視できません。

高いか安いかをそのまま受け取るのではなく、何と比べてそう感じているのかを見る。それだけで、場所の価値はかなり違って見えてきます。


※参考書籍

行動経済学の逆襲 著者:リチャード・セイラー

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