- 投稿日:2026/04/26
はじめに
「よし、今度こそはやるぞ!」と固く決意して、英語のテキストを買ったり、情報発信を始めようとしたりする。
でも、数日〜数週間で挫折。
「やった方が良いと頭では分かっているのに、なんで私はこんなに継続できないんだろう…」
「自分はもう、何をやっても変われないんじゃないか…?」
そう毎晩、自分自身を責め続けていませんか?
あなたが習慣化に失敗するのは、意志が弱いからではありません。
20本の実験研究(総参加者2,601名)をまとめたレビューでは、健康的な習慣を身につけるには最短で4日、遅くて335日と、個人によって大きなバラつきがあることが分かっています。
これは健康的な習慣に限らず、情報発信や勉強などの習慣にも当てはまると考えられます。
つまり、人によっては時間がかかるし、途中で挫折してしまうのはごく自然なことです。
この事実を知らずに放置したらどうなるでしょうか?
「次こそは変われるかも」と新しい方法にお金と時間を注ぎ込んでは挫折するループを繰り返してしまいます。
貴重な20代・30代の時間を溶かし続けることになるでしょう。
そして「どうせ私は何をやってもダメな人間だ」という思い込みが強くなり、変わること自体を完全に諦めてしまう。
「一生このまま底辺を這いつくばるしかないんだ…」と落ち込み続ける毎日を過ごすかもしれません。
僕も以前は、あなたと似たような経験をしてきました。
「今日こそ変わるぞ」と決意して、父親からもらったダンベルで筋トレを始めても、1か月でただの置物状態。
ブログをやってみても、数か月で挫折。
そんな日々を過ごしていました。
「成長したい」「周りからチヤホヤされたい」という強い欲求がある一方で、「また途中でやめてしまったな…」と心の中で何度もつぶやいていたくらいです。
しかしそんな僕でさえ、今となっては、何度も「ダメな人間だ」の思い込みを抜け出すことができました。
かつて部屋の隅で置物だったダンベルも、今では毎日使っています。
情報発信も再開して、今では何とか継続することが出来ています。
「やればちゃんとできる!」と、自分自身に対する自信も手にしました。
仮にサボったとしても、「また途中でやめてしまった…」と過剰に責めることはありません。
あなたも、
「なんで私はこんなに意志が弱いんだろう」
「やると決めたのに、また今日もダメだった」
と毎晩布団に倒れ込み、自分自身を否定し続ける状態から抜け出したい。
そして「よし、今日もちゃんと出来たぞ」と褒めて、自信を持ちたいと思いませんか?
想像してみてください。
これまであなたは、「今日はもう疲れたからいいや…」とやらない理由を作って挫折して、深夜までスマホゲームや動画にのめり込んでいた。
しかし今では、疲れ切っていたとしても、運動や勉強の習慣が継続できている。
1ヶ月、3ヶ月と当たり前のように続き、やがて呼吸をするのと同じように、あなたの日常の一部になっている。
そんな姿を手にしたいはずです。
今回は、何度も習慣化に失敗して「私はダメな人間だ」と責め続けてしまう人に対する対処法をお伝えします。
ここから先でお伝えすることには、あなたがまだ気づいていない事実もあれば、思わず目をそらしたくなる内容も含まれています。
もし今までと同じように「明日から本気を出せばいいや」と言い続けるなら、ここで読むのをやめてください。
反対に、「何としてでも、この状況を破りたい」と願っている方。
ぜひ最後までお付き合いください。
あなたが挫折を繰り返す原因
まず、挫折を繰り返す原因はなんでしょうか?
もちろん身の丈に合わない行動をする、というのも原因の一つとして挙げられます。
しかしそれ以上に考えられるのは、他人との比較から生まれる焦りです。
なぜそう言えるのか。
それは、僕たちが無意識に「自分より優れた人」を探し出し、比較する傾向があるからです。
あなたにも、こんな経験はないでしょうか?
例えば、何気なくXを開いた時に「月収100万達成しました!」という投稿が流れてきたとします。
「この人すごい!」と思っていても、本心は「でもこの人みたいに真似しないといけないのかな」と不安になる。
そして気づけば、「よし、とりあえずプログラミングを始めよう」「筋トレをやってみよう」と、その人の行動をそっくりそのまま真似してみる、といったものです。
僕もまさにそれでした。
YouTubeやXを開けば、成功している人たちの成果報告が次々と目に飛び込んできます。
「あの人はこんなに結果を出してるのに、俺は何をやっているんだ」
「俺もあのレベルにならなきゃダメだ」
その度に、悔しさと焦りがこみ上げてきました。
そう思った僕は、プログラミングから動画編集など、成功者が「これをやるべきだ」と言われたものはとにかくやりました。
最初は「やってやるぞ」という高揚感がありました。
でも長続きしません。
やる気すら起きない。体も心も動かない。
「俺の行動なんて、全然大したことないんだ」
と落ち込んでいました。
この落ち込みによる悪影響は、世界中のあちこちで起きています。
例えば、48件の実験研究(総参加者7,679名)をまとめた内容では、SNSで自分より優れている人との比較は、自分より劣っている、もしくは同じレベルの人と比較に対して身体イメージ、幸福度、精神状態、自尊心の低下が確認されています。
また、過去60年間にわたる社会的比較に関する研究では、人はどんな状況であっても自分より優れた人を選ぶ傾向が75.6%あり、自己評価や気分に小〜中程度の悪影響が出ることが明らかになりました。
つまり、SNSで成功者の投稿を見て落ち込むのは、あなたに問題があるわけではありません。
あらかじめ人間に組み込まれた本能に気づいていなかっただけです。
「でも、成功者を参考にすること自体は悪くないのでは?ロールモデルを持つのは大事だと思うけど…」
確かにその通りです。
55本の研究をまとめた内容では、ロールモデルがいて、かつ自分自身との共通点があればモチベーションを高めるケースもあります。
反対に能力が高すぎるロールモデルは、逆にモチベーションを下げるということも分かっています。
比較そのものが悪ではありません。
使い方によっては薬にもなれば毒にもなります。
今回はあなたがたまたま毒に当たる使い方をしてしまっただけです。
挫折の原因があなた自身にあるという考えは、一旦やめましょう。
他人に意識が向きすぎてしまう理由
次は、他人に意識が向きすぎてしまう理由をお話しします。
それは、「自分自身がどんな存在なのか」という定義がないことです。
例えるなら、「あなたの好きな食べ物は何ですか?」と聞かれても、「うーん…」と答えられないようなものです。
「麻婆豆腐が良い」「焼き肉一択だ」と周りに流されて食べている。
特に好きじゃないけど、「美味しい」と周りに合わせる。
結構しんどいと感じませんか?
それだけ自分自身の基準を持たずに放置すると、他人の基準に合わせるばかりの人生になります。
僕自身、プログラミングや動画編集を始めたのは、心から「やってみたい」と強く思っていたわけではありません。
「自分自身の基準を作るのが怖い」という言い訳から逃げていたからです。
あなたも、「自分がどんな存在なのか」を考えることから、無意識に目をそらしていないでしょうか?
もしそうであれば、危機感を持つ必要があります。
2017〜2018年にカナダの大学生914名を対象に、アイデンティティと心理状態に関するアンケート調査を実施し、以下の4つのグループに分けました。
①明確に決まっていて、目標達成に向けて行動する(28.2%)
②なかなか決められず悩んでいる(24.8%)
③関心はあるけどひとまず様子を見る(40.1%)
④そもそも関心が薄い、考えていない(6.9%)
この中で最も心理状態のスコアが良かったのは①の学生で、最も心理状態のスコアが悪かったのは④の学生でした。
この調査はアンケートなので、決してレベルが高いわけではありません。
ただ傾向として、自分自身を定義しないまま放置するのは、悩んでいる状態よりも危険だということです。
「でも、そんなことしなくても普通に生きていけるのでは? わざわざ『自分の定義』なんて大げさなことを考える必要はないし…」
と反論するかもしれません。
ここで、エクアドルの大学生418名を対象にした研究を紹介します。
先ほどの4グループに「自分探しをせず、周りに合わせて進路を決める」のグループを追加し、合計5つに分けて調査しました。
興味深いことに、追加したグループは精神的苦痛が最も低く、大学に適応していました。
一方で「そもそも関心が薄い、考えていないグループ」は、精神的苦痛が最も深刻だったと確認されています。
「ん?他人の軸で生きている人が一番メンタルが安定してるの?」
と思うかもしれません。確かに結果的にはそうなります。
でもよく考えてみてください。
④の人たちは「何も考えていない」わけではありません。
「親や社会の期待に応える」という明確な軸を持って生きているとも言えます。
他人軸に見えたとしても、「自分はこう生きる」という軸があるかが重要です。
もう一度繰り返します。
現代において最も危険なのは、軸を持たず、考えることすらしない状態です。
逆に言えば、今この記事を読んで「自分はどうなんだろう」と悩んでいるなら、すでに前に進んでいる証拠です。
習慣を変える前にまずやっておくこと
次は習慣を変える前に、やっておくことをお話しします。
まずは仮でもいいので、私はどんな人生を送りたいのかを作ってみてください。
先ほど「自分はどうなんだろう」と悩んでいる場合も同様です。
理由は、方向性が全く決まっていない状態で習慣を始めると、また同じ失敗を繰り返す恐れがあるからです。
例えば、「毎朝5時に起きて勉強する」を始めたとします。
この時、なぜ5時に起きるのか? なぜ勉強するのか?
もしその理由が「周りがやっているから」だと、時間が経つにつれて「なんのためにやってるんだろう?」と考えてしまいます。
反対に、「会社に依存せず、自分の力でご飯を食べられるだけの稼ぐ力を身に着けたい」と決めていたらどうでしょうか?
「目的のためには欠かせないことだ」と、行動に迷いがなくなります。
僕も最初は「どんな人生を送りたいか」すら全く分かりませんでした。
正直考えるだけで骨が折れます。
「本当にこれで合ってるのかな…」と揺らぐことは何度もありました。
でも、何度も立ち止まって振り返ることで、少しずつ定義が明確になっていきました。
不器用でも「自分がどんな人生を送りたいか」を決めたことで、行動のブレが減ったのは間違いありません。
そしてもう一つ、大きな変化がありました。
これまでの挫折がただの失敗ではなく、「必要な経験だった」と誇れたことです。
このことに関して、面白い調査があります。
アメリカで50〜60代前半を対象とした2つの調査を行いました。
研究1:89名を4年間追跡。人生の重要な場面を、インタビュー形式で語ってもらう
研究2:重篤な疾患群27名と健康な対照群27名を2年間追跡。方法は研究1とほぼ同じ
この時、過去の困難を「自ら状況を切り開いた」、「結果的にプラスになった」と前向きに語る傾向が強い人は、そうでない人と比較してメンタルヘルスが改善されています。
また、アメリカの大学生103名を対象にした研究では、過去の出来事を【最初から最後まで一貫した物語】として語れる学生は、語れない学生に比べて心理的な幸福度が高いことが確認されています。
過去の出来事は変えられません。
でも、「どんな人生を送りたいか」を決めた瞬間、過去の出来事を「あの経験があったから今がある」と前向きに受け止められるようになります。
困難が訪れても、あなたを成長させる武器になるからです。
「そう言うけど、そんなに簡単じゃないのでは?」
そう思うのも無理はありません。
簡単だったら誰も苦労しないでしょう。
僕自身でさえまだ道半ばですから。
ただ大切なのは、最初から完璧を目指さず、「こういう人生を送りたい」と語り続けることだと考えています。
もしやり直したとしても、以前より地に足がついていればそれでいいんです。
まずはあなただけの「こういう人生を送りたい」という答えを、あなたなりの言葉で表現してみてください。
それが、「私はダメな人間だ」のラベルをはがす最初の一歩になります。
まとめ
今回のまとめです。ぜひ今後の生活に役立ててください。
■あなたが挫折を繰り返す原因
他人との比較から生まれる焦りが原因。あらかじめ仕組まれた本能のため、あなたが悪いわけではない。
■他人に意識が向きすぎてしまう理由「自分がどんな存在か」の定義がないため、他人の基準に合わせるしかない。
■習慣を変える前にまずやっておくこと仮でもいいので「どんな人生を送りたいか」を決めておくと、過去の挫折に意味を持つことができる。
おわりに
習慣はあくまで、「どんな人生を送りたいか」を叶えるための手段にすぎません。
人生の方向が少しでも分かれば、習慣は後からでも身に付きます。
これまでの挫折をただの失敗で済ませるか。
それとも、「この失敗は成功の伏線になる」と前向きに考えるか。
どちらにせよ、後者であると信じています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
また次回の記事でお会いしましょう。
参考文献
■Time to Form a Habit: A Systematic Review and Meta-Analysis of Health Behaviour Habit Formation and Its Determinants
■A Meta-Analysis of the Effects of Social Media Exposure to Upward Comparison Targets on Self-Evaluations and Emotions
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/15213269.2023.2180647#d1e686
■A Social Comparison Theory Meta-Analysis 60+ Years On
https://www.psychologytoday.com/sites/default/files/gerberwheelersulsmeta_analysis.pdf
■Which role models are effective for which students? A systematic review and four recommendations for maximizing the effectiveness of role models in STEM
■Extending the Dark Side of Identity Processes With Identity Distress
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jad.70034
■Identity processes and distress: a person-centered analysis of ecuadorian university students
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/28324765.2026.2626604#d1e196
■Variation in Narrative Identity is Associated with Trajectories of Mental Health over Several Years
■Relations Between Narrative Coherence, Identity, and Psychological Well-being in Emerging Adulthood