- 投稿日:2024/03/21
- 更新日:2025/10/07

※この記事は5,739文字あります。
読み終わるまで約17分です。
皆さん、こんにちわ!
ボイストレーナー、話し方講師をしている新田知代(にったともよ)と申します🌸
私は日ごろ個別レッスンでは生徒さんから「こうなりたい」という要望を聞き出し、そのなりたい姿に向けて声のトレーニングや話し方の指導をさせて頂いております。
前回の記事「【良い印象になる話し方」声のトーンアップについて」では沢山の閲覧、ブックマーク、コメントを頂きありがとうございました。
皆さんのお力になれることがとても嬉しいです😆
これからも声や話し方に関する事をシェアしていきますので、リクエストがありましたらぜひコメント欄からお知らせくださいね。
今回は記事のリクエストにお応えいたします!
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お悩み事
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職業柄、集中的にお客様と話をする期間があり、おおよそ1ヶ月半の間、毎日朝から夕方まで喋っていて、声がガラガラになってしまいます😢
比較的ざわざわしているところで話すため、大きい声を出さなくてはと頑張ってしまうのも原因かと思われますが、何か良い解決策があればとても助かります。
(リクエストを頂いた記事のコメント欄より引用しています)
わ か る !
昔々とある神社で年越し巫女アルバイトをした時に大声で話しすぎて声がガラッガラになった事を思い出しました。
毎日声を出していれば、いずれ鍛えられて耐久力が付くようになるだろう、と思っていたら大間違い。
ただただ喉を酷使してしまうと声がれが治らないどころか、声帯炎になったりポリープができてしまうことも。
もし声のかすれが半月以上続いていて治らないようであれば、何らかの喉トラブルが発生している可能性がありますので、耳鼻咽頭科で喉を診てもらってくださいね。
ここから先は副鼻腔炎や声帯結節、精神的な要因等の病的なトラブルはなく、一時的に声がかれてしまう、という方向けに声がれの原因と対策についてお伝えしていきます!
声がかれてしまう原因
考えられるのは原因は3つ。
①水分不足である
②声量や声質にあった正しい発声ができていない
③筋力不足
一番の原因が水分不足なので「喉が弱いせいじゃないんだ!」と驚く方もいらっしゃるかもしれませんね。
声がかれた!と感じる時は話しすぎて喉が乾燥してしまってる事が多く、水分を取ると潤うので治るんですよね。
また、喉は声を出す器官で筋肉でもあるのですが、筋肉を正しくスムーズに動かすためには身体に適切な水分量がないと動いてくれないんです。
(ロボットに油をさすのと同じ感覚です)
しっかり水分を取ってさえいれば意外と声はかれないんですよ!
ただし、いくら水分を取っていても声が出にくくなってしまう時は、出したい声量や声質に合った発声が出来ていなかったり、筋力不足も理由の一つとして挙げられてきます。
次の項目では①~③についてそれぞれその場でできる対策をお伝えしていきます。
その場でできる対処法
①水分不足の場合
接客業だと中々水分を取れない。。。のですが!
もし少しでもバックヤードに行く時間があるようでしたら、一口でもいいから水分を取りましょう!
これで声がれの50%は防げます!!!!
また、人の一日の水分摂取量の理想は体重1kgにつき35mlと言われています。(例:体重が50kgの人は1.7Lほど)
走り回ったり、汗をかいたらこれにプラスアルファで水分を取るようにすると理想的です。
しかし・・・ここに大きな壁があります。
飲む水の量の管理って・・・大変じゃない??
そうなんです。
今何ml飲んだ、今どの位飲もうとしているなんて計算、大変すぎてお水を飲むのが嫌になってしまいます。
そんな時はタイムマーカー付きのウォーターボトルがおススメです。
私自身も水管理しきれないので、ウォーターボトルを見て「全然飲んでない~!」と焦って飲む事が多いです(笑)
でも声をからさないためには水分は必須!
とにかくお水を飲みましょう!
お水が苦手な方は体質に合わせて飲みやすい飲み物で大丈夫です。
水分を取って声がれを防ぎましょう~!
②声量や声質にあった正しい発声ができていない
話している途中で声がかれてしまう場合は、喉が疲れている証拠でもあるので、深呼吸をして喉の筋肉を休ませてリセットすると耐久力が戻ってきます。
<すぐできる喉回復方法>
水分×深呼吸リセット!
このコンボで乗り切りましょう!
実際、これでは根本的な解決にはならないのですが、もし最初から声をかれにくくしたいのであれば「自分の喉にあった声の高さ」と「ほどよい声量」で話す事が大切になってきます。
どんな声を出したいか、で正しい発声は変わってくるのですが自分の声傾向を知りたい方の為に参考を置いておきます↓
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自分の声が高いのか低いのか分からないよ~という方は、専門家に声を聞いてもらって判断してもらった方が早いのですが、もし耳鼻咽頭科に行って声帯を見る機会があるようでしたら、こちらの声を参考に(笑)
実は声はその人が持つ声帯(声を出す器官)の長さと厚さで得意な声が変わってきます。
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①声帯が長く・厚い→中音、低音が得意で声に厚みがある
②声帯が長く・薄い→中音、低音が得意で声に厚みがない
③声帯が短く・厚い→高音、中音が得意で声に厚みがある
④声帯が短く・薄い→高音、中音が得意で声に厚みがない
※声域(音域)は声帯の使い方や素質によって個人差が大きいため、絶対的な評価ではありません。
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①、③の人はそもそも声に厚みがあるので、頑張らなくても響く声が出しやすいので、ざわざわしている場所で声の大きさに困る事があまりないように見受けられます。
逆に①③の人で高い声で無理に話そうとして声がかれてしまうようでしたら、低く滑舌よく話した方がかれにくく通る声になります。
②、④の人は声に厚みがないため、①、③の人のような声を出そうとして喉を締めて響く声を出そうとして声をからしてしまう事が多いように見受けられます。
②④の人は高い声でゆっくり話すようにすると声がかれにくく、通りやすくなります。
※個人差もありますので気になる方は専門家に話を聞いてみてください。
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③筋力不足
声を出さずに喉を休めてください・・・!
すでに声がかれてしまっている場合は、水分を取って深呼吸をして声を出さないように。
どの位や済ませればいいのか、
というと話しても喉が痛くならなくなるまで、です。
水分を取ったら喉の痛みがなくなった場合は喉が乾燥しているだけなので、すぐ話してもOK!
また、お水が飲めない時はミンティア・フリスクなどの糖類があるものを口にふくめると唾液が出るので喉の乾燥を防ぐことができます。
(飴でもいいのですが、お仕事中であればすぐに溶けてくれるタブレット菓子がおススメです)
水分をとっても話す時に喉が痛い、違和感がある時は、完全に喉を傷めているので休ませた方がよいです。
場合によっては病院へ行って診てもらいましょう。
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さて、ここまでは「声がれの原因」「その場でできる対処法」についてお伝えしてきました。
次はからは後半戦の「ボイストレーニング対策」「お家でできるボイスケア」についておつたえしていきますね。
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ボイストレーニング対策
①舌の付け根ストレッチ
舌と喉の筋力は連動しています。
その為、舌の筋肉(舌力)を鍛えると、自然と喉の筋力も鍛えられて動かしやすくなり、疲れにくくかれにくくなります。
˗ˏˋ 練習方法 ˎˊ˗
1.鏡の前に立つ
2.下顎が動かないように片手を添える
3.口を閉じる
4.時計回りに、外側の歯頚をなぞるように舌を回す(8周)
└舌と連動して下顎が動いてしまうので、下顎は動かないようにゆっくりと回す
5.逆回りに舌を回す(8周)
ゆっくりと舌を回す事でよりストレッチ効果が出て、声がかれにくくなるだけでなく、滑舌も良くなります。
朝起きたら1日一回でもいいのでやってみてくださいね。
②息を使いすぎないで声を出す
声がかれる第一の原因が「水分不足」(喉の乾燥)と伝えましたが、喉が渇いてしまうのは息の出入りが多いから。
喉を休ませるために深い呼吸(腹式呼吸)は必要ですが、声を出す時は最小限の息の量で充分なのです。
実際、大きな声(響く声)も息は最小限の量で出すことができます。
˗ˏˋ 練習方法 ˎˊ˗
1.びっくりした時の「あっ!」という声を5回連続で出す
└「はっ!」にならないように「あ」で!
2.1.で出た声を3秒「あーーー」と伸ばす
└途中で声量が変わらないように注意!
3.2.の声をずりあげたり、すりさげたりして遊ぶ
└「あー↑」「あー↓」の感覚でOK、声の高さを変える時は、声量に差が出ないように一定の音量で出す
伸ばしている最中に声がスカスカになった時は、息を使いすぎサインです。「1.」に戻って声がスカスカにならない出し方に戻りましょう。
③1文章を言い終わったら一呼吸挟む
喉は連続して使えば使うほど疲弊していきます。
声(喉)が休むタイミングは
・声を出していない時間
・呼吸時の声帯が開いている時間
ですので、1文章話し終わったら深い呼吸をして喉を開いて休ませてあげると持久力があがり、声がかれにくくなります。
お客様と集中して話してしまうと、長い説明が挟まったり相づちなどで声を休ませている時間がなくなりがちです。
その為に、日頃から1文章話したら1呼吸置く、文章の間でも句読点のある場所でしっかり呼吸を挟む等喉を休ませる習慣を身につけましょう。
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①~③の他にも効果的な声のエクササイズやメンテナス、練習方法はあるのですが、必要最低限かれにくい声の土台はこれで出来上がります。
ただし、自分でやってみてイマイチ効果が分からない、合っているか分からない場合はやり方に誤りがある可能性があります。
その際は専門家へ相談してみてくださいね。
次はお家で出来るボイスケアについてお伝えします。
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お家で出来るボイスケア
かれにくい声を作るためにはボイストレーニングだけでなく、食べ物や日頃の習慣から作る事も可能です。
今回は3点に絞って効果的なケア方法についてお伝えします。
①お食事でたんぱく質をしっかり取る
喉は筋肉です。
日頃取っている栄養源の影響をもっとも受けますので、健康的な食事はかれにくい声、果ては美声に影響します。
タンパク質は筋肉を作る重要な栄養素の一つなので積極的に摂りましょう!
(リクエストがあればオススメの調理方法やレシピを公開します)
余談ですが、声優、アナウンサーや歌手など声の仕事をする人は本番前にラーメンを食べたり鶏肉を食べる事が多いです。
私もレッスン前によく食べます!
お肉は腹持ちが良いこともありますが、喉に油分を与える事で乾燥を防ぐ効果もありますのでぜひ試してみてください。
②水分をしっかり取る
口うるさいくらい「水分を取れ」と言っていますが(笑)
本当に大事なので、念押しです。
1日に必要な水分量は体重1kg×35mlほど。
運動したり汗をかいたら追加しましょう。
また、カフェインが入っているものは避けた方が良い、という話もありますがカフェインが持つ喉への刺激や利尿作用などは人によって異なりますので、ご自身の体質に合った飲み物で充分です。
私はウォーターボトルを持ち歩くか、自宅作業の時はお気に入りのハーブティをポットいっぱいに作って、デスク脇に置いて飲んでいます。
普段お仕事で飲めない時でも、お家にいる時こそしっかり取って良い体の状態をキープしましょう!
③体力をつける
筋トレ、有酸素運動しましょう!!
長く話す事が多い方→持久力UPが目的なので有酸素運動中心
そもそも筋力も付けたい方→筋トレ+有酸素運動
がオススメです。
運動習慣がない方はストレッチを含めて15~20分ほどのウォーキングからスタートしてみましょう!
You Tubeで見れるダンス運動動画から入ってもいいですよ!
喉の耐久力は自分の体力と同じです。
自分の体力が尽きて疲れてくると、喉も疲れてかれてきます。
逆に体力がある人は正しい声の出し方ができていれば、ほぼかれることはありません。
運動習慣を身に着けてかれにくい声を作っていきましょう!
最後に
私も多ければ1日に8人ほどレッスンさせて頂いたり、セミナーなどでは100人ほどの前でマイクなしで1時間ほど話す機会もあります。
それでも話している途中で声がかれたり、一日の終わりにしんどくなる事はほぼありません。
そんな私が日頃どんな事に気を付けているかというと
・水分をしっかり取る
・タンパク質を取る
・舌ストレッチをする
・自分にあった声の出し方で話す
・日常的に声を出してコミュニケーションを取る
・声を使ったら休ませる
・無理はしない
この部分を気を付けて毎日を過ごしています。
声がかれやすかった大昔と違って声が健康的になったなぁと感動します(笑)体も健康的になりました。
勿論ボイストレーニングで声のエクササイズをすると苦手だと思っていたことが得意になったり、お悩みが解消する事もあります。
声のトラブルを抱えた時は迷わず専門家に相談してみてくださいね。
この記事を通して、声がれで悩んでいる方のお悩みが少しでも解消される事をお祈りしております!
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書いて欲しい記事のリクエストを
受け付けております
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声に関するお悩み、話し方で困っている事などがありましたら参考にさせて頂きます。
もしありましたらコメント欄にてお知らせください!
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最後まで読んで下さりありがとうございました!