- 投稿日:2024/06/29
- 更新日:2025/11/05
どうしてこの記事が高配当株投資のジャンルにあるの?
筆者の私は、投資を10代のころからしており、投資経験は25年以上になります。
その間、投資信託、FX、外貨投資、国内・海外ETF、もちろん、日本の高配当株投資もしてきました。
色々な投資手法に挑戦してきた私、今はインデックス投資しかしていません。
最近のノウハウ図書館の記事数を見ると、高配当株投資の記事数はインデックス投資の2倍以上ありとても人気です。
高配当株投資は難しいですし、勉強しがいがあります。
さらに、オフ会などでは投資初心者の方が
「配当金が出る高配当株投資を始めたいです!」
と言うのを聞くことがよくあります。
私は、
「まず最初はインデックス投資からがいいですよ」
(もしくはインデックス投資のみでもいい)
と思うことが増えてきました。
たしかに、インデックス投資は1度積立設定してしまえば、やることがなくヒマになってしまいます。
でも、高配当株投資を無理してする必要はありません。
つまり、
・「高配当株投資って少し勉強してみたけれど難しい・・・」
・「高配当株投資ってどうしてもしないとダメ?」
と思う方に向けて、高配当株投資とインデックス投資を比べてみる記事を、あえて高配当株投資ジャンルに投稿いたします。
「合わないなあ」「難しいなあ」と思う方は高配当株投資を続けなくても大丈夫ですよ。
インデックス投資の魅力を再確認
インデックス投資の魅力を再確認していきましょう。
資産の増加率は高配当株投資よりインデックス投資のほうが良い
インデックス投資の代表的銘柄、オルカン(全世界株式)の過去30年の平均利回りは年率「約9%」です。
(ここ15年に限れば年率「14%超」です。)
下記の表は、オルカンが採用している指数「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」の過去リターンです。(myINDEXより)
対して、高配当株投資の利回りは、良い銘柄が選べても
平均4%
くらいです。
つまり「資産が増える速度はインデックス投資の方が良い」です。
高配当株投資をするにしても、最初はインデックス投資から。
投資のベースにはインデックス投資を続けることをオススメします。
(もちろん高配当株自体の値が上がることもありえます。しかし、高配当株はどちらかと言えばグロース株よりバリュー株が多いこと、高配当株投資は株自体を売ることをあまり想定していないことから、やはりインデックス投資より伸びは劣ります。)
小金持ち山に早く到達できる
後出しではありますが、直近15年の利率の場合、資産運用かんたんシミュレーション(アセットマネジメントOne みずほグループ)で調べてみると、
”初期投資200万円、毎月6万円を15年間積み立て”
していれば小金持ち山に到達できていました。
これだったら、出来ていたハズという方も多いのではないでしょうか。
対して、高配当株投資をしていれば15年では小金持ち山に到達はできていません。
(※注意※ 実際には円安の影響もありますし、こんなに上手くはいきません。直近15年ではインデックス投資しているだけで小金持ち山に到達するのはそんなに難しいことではなかったという例のためシミュレーションしました。)
用意する投資資金が少なく開始できる
インデックス投資は少額から購入することができるので、購入額を気にする必要がありません。
余っている資金があるのなら投資すれば良いし、月1000円からでも積み立て開始できます。
対して、高配当株投資を開始するには、ある程度の資金が必要です。
(最近は1株からでも購入できるので環境は良くなってきました)
つみたて投資が簡単にできる
投資信託はつみたて設定が簡単にできます。
対して、高配当株投資はつみたて設定は出来ずタイミング投資です。
つみたて設定の方法については、記事を作成していますので参考にしてください。
楽天証券の場合
[楽天コンボ]初心者向け楽天証券の開設と、オルカンを積立設定する方法[楽天カード]
SBI証券の場合
[SBIコンボ]初心者向けSBI証券の開設と、オルカンを積立設定する方法[三井住友カード]
高配当株投資が難しい原因
次に改めて高配当株投資が難しい原因を書いていきます。
高配当株投資は万人向けではない
高配当株投資は、会社の財務分析等ができる方が対象です。
勉強する時間もかかりますし、投資のタイミングを見計らうことにも時間がかかります。
そのため、投資初心者には向きません。
投資は「自己責任で判断する」のが原則です。誰かに言われた通りにするではダメです。
あなたは、きちんと高配当株を分析できていますか?どうしてその銘柄が良いのか判断できていますか?
高配当株投資は企業の分析に時間がかかる
高配当株投資はとにかく時間がかかります。しかも、ずっとです。
・「購入する前」に企業の分析をする
・「購入する際」にタイミングを見計らう
・「購入した後」に配当率やセクターに注意する
と、ずっと時間がかかり続けます。
日々、本業・副業・子育て・リベ活と忙しい皆さま、本当に高配当株投資の勉強と監視に時間をかけられるでしょうか。
保有資産一覧が美しくない
高配当株投資を続けていると将来的には50以上(100近く)の銘柄を購入する必要があります。
そうすると、証券会社の保有資産一覧にズラッと多数の銘柄が並ぶことになり、一見して分かりにくくなります。
対して、インデックス投資だと所有資産一覧をキレイに保てます。
(高配当株投資は良いものを購入できれば売る必要は無いので、所有資産を気にしない・見ないという方はそのままでもいいです。けれど、定期的に減配されていないかやセクター比率を調べないといけないので、ずっと見ないという訳にもいきません。)
インデックス投資を定期解約して高配当株投資の代わりする
インデックス投資を高配当株投資の代わりに使うアイデアをいくつかご紹介します。
①つみたて額を減らすことで配当金を擬似的に実現
インデックス投資のつみたてが辛いと思った場合は、つみたて額を減らしましょう。
そうすることで、毎月の使うことが可能なお金が増えます。
つみたて額を減らした分を配当でもらったと考えると、擬似的に配当をもらったつもりになれます。
②崩せない人は定期売却サービスで年4%以内で強制的に定期解約
増えていく資産額を崩すことが心理的に難しいという方は、証券会社の定期解約サービスを利用しましょう。
このサービスを使えば、擬似的に配当金を受け取っている感じになります
4%ルールに従えば、将来的に減る可能性はほぼありません。
(不安であれば年間2%や3%くらいにしておきましょう)
※ちなみに「積み立てながら定期解約」はしても構いませんが、あまり意味がありません。その場合は先ほど紹介した積立額を減らす方法をおすすめします。
インデックス投資は「覚悟がある人」だけができる投資
ではインデックス投資についての利点・特徴を再度見ていきましょう。
いつ買ってもいつ売ってもいい
インデックス投資の基本は「いつ買ってもいつ売ってもいい」です。
市場はいつ上昇するか下降するかは誰にも読めません。
ということは逆に言えばタイミングを気にせずに、いつ買ってもいつ売ってもいいのです。
「必要な時に解約」すればいいのです。
【同じような内容は学長動画でも解説されています】
【株高でどうする】インデックスファンドの「利益確定」と「積立ストップ」について解説【株式投資編】:(アニメ動画)第434回
【初心者必見】2024年にインデックス投資を始めるのはNGなのか?【株式投資編】:(アニメ動画)第418回
とはいえ、「必要な時は躊躇なく解約する」という「覚悟」が必要です。
資産が増えていてもマイナスでも解約するという覚悟。
(たとえ運悪く暴落中でも!)
この「躊躇なく」というフレーズが私は好きです。
故山崎元さんが好んで使われていたフレーズです。
大きな支出の必要が生じたら、「リスク運用マネー」あるいは「無リスク運用マネー」の何れかを「躊躇なく」部分解約してこれに充てる。
(※上記記事は2015年の記事でTOPIXなどのETFに投資していますが、当時はオルカンなどの良い投資商品が無かったためです。アップデートされた著書「ほったらかし投資術」では「オルカン一本でいい」となっています。
参考:名著『ほったらかし投資術』刊行から14年でたどり着いた最終結論 リスク分散力抜群の「オルカン」1本でいい)
この言葉を心に深く刻み込んで、
普段から「必要な時はこのお金は解約するんだぞ」
と自分自身に言い聞かせておきましょう。
慣れれば購入することも解約することも怖くなくなります。
解約すれば数日で口座に振り込まれすぐに現金化できます。
【ほったらかし投資については学長も動画で解説されています】
【改訂版】 新しい「ほったらかし投資術」について解説【株式投資編】:(アニメ動画)第292回
出口が難しい=続けやすい
「インデックス投資は出口が難しい」とよく言われます。
資産はどんどん増えていくし、解約すると減ってしまうし・・・と解約がしにくいのです。
確かにその通りなのですが、良い面もあり「狼狽売りを防ぐ」という効果もあります。
考え方次第で上手にとらえることもできます。
論理的な人はインデックス投資
インデックス投資だけでも充分な理由が少し分かっていただけたでしょうか。
【高配当株投資とインデックス投資の向き不向きについては学長も動画にされています。】
配当金投資とインデックス投資の向き・不向き【迷ったときの選び方】【株式投資編】:(アニメ動画)第303回
論理的な人はインデックス投資がおすすめです。
まずは少額でもやってみることが大事。
迷っていてやらないといつまでも自分のタイプが分からないのは勿体ないです。やってみましょう。
とはいえ、投資は「人それぞれ」
そうは言っても、
「たとえ増え方がインデックス投資に負けると分かっていても
お金がチャリンチャリン入ってくる方が良い」
というタイプの方もいるでしょう。
もちろん高配当株投資とインデックス投資の両方を始めても構いません。
それでも、せめて「インデックス投資」をベースにするべきだと思います。
まとめ
この記事をまとめます。
筆者は高配当株投資もしたことがありますが、現在はしていません。
高配当株投資は次の難しさがあります。
・高配当株投資はインデックス投資に資産の増え方で負ける
・高配当株投資は購入前/購入時/購入後ずっと勉強する必要があり時間がかかる
対してインデックス投資は高配当株投資に対して次の利点があります。
・投資術に勉強時間を当てる必要がない
・高配当株投資よりも資産が増える
・つみたてなどの設定がカンタン
高配当株投資の良い点は「お金が定期的に入ってくる」というところです。
対して、インデックス投資は「配当金がないので解約をいつしたらいいのか分からない」という欠点を克服する必要があります。
この記事ではインデックス投資の欠点を克服する方法として、
・積み立て額が辛い場合は減額すればいい
・定期売却サービスを使えば配当金と似た感じで使える
・そもそもインデックス投資はいつ解約しても良い
必要な時に必要な額を「躊躇なく」解約する!
ということを提案しました。
以上となります。
この記事が高配当株投資に悩む方の参考になれば幸いです。
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