- 投稿日:2024/08/11
- 更新日:2025/10/09

美容・化粧品業界30年のはるはるです。
長年業界におり、化粧品開発やエステメニューのマーケティングに携わって行く中で、いろいろな方から美容相談もいただきます。今回はスキンケアについて、特に乾燥肌に悩む方に役立つ情報をお届けします。
※以前ネット上で受けた美容相談を再構成したものです。
24歳の女性から受けた美容相談
最近、24歳の女性からお肌の相談を受けました。
美容意識が高く、きちんとお手入れしている方。
見た目もきれいで、ニキビなどのトラブルはなく、
でも日中からカサカサし始めてて、ひどいと皮がむけてしまうとお悩み。
特に今は冷房にさらされていることも影響しているかもしれませんが、彼女の場合、それ以上の問題があるように感じました。
洗顔と汚れの量の関係
カウンセリングを進めていく中で、彼女がリキッドファンデーション(クッションファンデ)、ルースパウダー、パウダーファンデーションを重ねて使っていることがわかりました。
これだけしっかりメイクをするということは、当然そのメイクを落とすために強力なクレンジングが必要になります。実際、彼女はメイクを落とすために、エステサロン専売の質の高い高級ジェルクレンジングを使用しているとのことでした。さらに、その後も美容液やクリームをしっかり塗っているそうで、「毎晩ベタベタになるまで付けています」と語っていました。
しかし、ここで私は一つの疑問を持ちました。それは、「この乾燥の原因は、強力なクレンジングにあるのではないか?」ということです。
提案した解決策 「洗顔を減らすこと」
そこで、私は彼女に以下のアドバイスをしました。
・メイクをもう少し軽めにする
・クレンジングをミルクタイプに変更する
・泡洗顔はしばらく控える
この提案をした理由は、メイクを軽減することで、洗浄工程での肌ダメージを減らすことができるからです。年齢的にも、乾燥肌は比較的簡単に改善できると思われます。結局のところ、汚れが多ければ多いほど、それを落とすために強い洗浄が必要になり、その過程で肌の潤いが失われてしまうのです。たとえ、使用しているクレンジングが高級品であろうと、その洗浄力が強ければ肌に与えるダメージは避けられません。
「よく落ちるクレンジング=洗浄力が強い=肌の負担大」
この公式は、まさに真理です。
洗浄がもたらす肌への負担には、物理的負担と科学的負担の2つあります。
ミルクタイプのクレンジングをおすすめするのは、これが最も洗浄力が弱く、肌への負担が少ないからです。しかし、今のようにしっかりメイクをしていると、ミルクタイプのクレンジングでは十分に落とせません。だからこそ、メイクを減らす必要があるのです。
洗顔は洗濯と同じ考えで
この考え方は、服の洗濯にも通じるものがあります。デリケートなオシャレ着は、スポーツ着のように汚れないので、洗濯時には洗剤を分け、洗濯機も「弱」にして洗いますよね。お肌も同じです。大切に扱うことが必要なのです。
洗顔の常識を再考する
日本の美容法の常識として「洗顔が一番大事」という考え方が広く浸透していますが、これは決して「しっかり洗うことが大事」という意味ではありません。むしろ、いかにダメージを少なく洗うかが重要なのです。
肌のダメージを減らすためには、汚れを少なくすることも非常に大切な要素です。皆さんも、自分のスキンケアの方法を見直し、必要以上にメイクをしていないか確認してみてください。もしかすると、過剰なメイクが肌トラブルの原因かもしれません。
さらに、カウンセリングを進める中で気づいたのは、彼女がまだ24歳という若さでありながら「ファンデーションで肌を隠さなければならない」と思い込んでいることでした。彼女は「くすみがひどく、シミもあるので、ファンデーションを塗らないなんて考えられません」と言っていました。もしかすると、この意識を変えることが、乾燥肌やその他の肌トラブルを改善するための一歩となるかもしれません。
雑誌の美容情報を鵜呑みにしない
ある読者から、「雑誌などの美容情報は、雑誌の広告主として化粧品会社が 欠かせない存在である以上、化粧品を使うことに積極的ですから、 はっきりと『使うな』という記事はありえないのですよね。」というコメントをいただきました。
このコメントには全面的に共感します。
現代の美容情報は、化粧品会社が重要な広告主であるため、メディアでは「化粧品を使うこと」が前提とされています。しかし、必ずしもたくさんの化粧品を使うことが美しい肌を保つために必要だとは限りません。わたしも化粧品を販売することで生活の糧を得ているので、できれば売りたい気持ちがありますが。
特に20代の方々は、自分の肌と向き合い、本当に必要なケアを見極めることが大切です。
化粧品売ってますがノーファンデです
私自身も、ファンデーションを使わなくなってから十数年が経ちます。以前は、客先を回る担当だったころや内勤時も、身だしなみの一環としてファンデーションを使用していました。しかし、今では肌の健康を優先し、できるだけメイクを控えるようにしています。ポイントメイクは行いますが、肌に負担をかけないよう心がけています。
まとめ
冒頭の24歳の女性は、ファンデーションを減らすことにはかなり抵抗があったようです。マインドセットはなかなか難しいのですね。
私たちは、スキンケアにおいて「何を使うか」ではなく、「どう扱うか」を考えることが大切です。肌にとって最適なケアを見つけるために、「減らす」スキンケアを考えてみるのもいいと思います。