- 投稿日:2024/08/28
- 更新日:2025/11/05
先進的窓リノベ事業とは?

先進的窓リノベ事業とは持ち家の人が事業に登録された業者に窓リフォームをお願いすることで、実質約50%の支払い料金になる驚きの補助金制度です。
2023年からこの制度は始まりましたが、人気がありすぎて2023年は内窓の製造が追いつかず窓業界は大混乱でした。
2024年に入り状況は落ち着き、2025年も継続されているのでこの制度をみなさんに知ってもらいたく紹介します。
この事業の大もとは「住宅省エネ2025キャンペーン」という
・環境省
・国土交通省
・経済産業省
の3省連携の家庭部門の住宅省エネ対策の一環です。
2050年カーボンニュートラルの実現「デコ活(脱炭素運動)」に向けて国も本気を出してきたということです。(逆に言えば家庭部門以外はある程度煮詰まってきたのかも)
窓の補助金は2025年がひょっとして最後では?という業界内のウワサもあるので気になっている人はお早めにどうぞ。
⬆️2025年11月5日時点で予算に余裕がありそうですが、例年寒くなる頃から混み合い、さらに受付を終了している業者も出始めたので注意が必要です!
この記事を読んでほしい人
✅「戸建て・マンション」の持ち家の人
✅ 賃貸派の人
賃貸派の人にも知ってもらいたいのは、「省エネ性能表示制度」が2024年4月から新築物件に表示しなければならない決まりとなっています。
既存住宅においては表示は「推奨」となっていますが、物件を選ぶにあたり重要な部分となってきます。断熱性で光熱費も変わってくるので当然ですね。
大家さんの中にはこの補助金を使い既存のアパート等の窓断熱を進め、他の物件との差別化を図っている真っ最中の方もおられます。
なぜ窓の断熱が大切なのか?
出典:資源エネルギー庁
上の図のように
・冬の暖房時の熱の約6割が開口部から流失
・夏の冷房時に熱の約7割が開口部から侵入
しています。これはすごい割合なのは誰でも理解できますよね?
特に寒冷地での冬期間の暖房費は、住んでいる人は誰でも知っていますが大きな出費です。でも開口部の断熱を強化しないと
・ガンガン暖房しても窓からどんどんお金が逃げていく
・暖房代を我慢して病気などの不健康リスクを増やす
このどちらかのパターンになってしまうのです。
日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。
「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札 著:高橋真樹
日本の窓は世界に劣っている現況
日本は世界から見て「ものづくり先進国」「超一流の工業国」というイメージがあると思います。しかしながら窓に限っては全く逆で、日本の工業製品の中でほぼ唯一といっていいほど、レベルの低い状態が続いてきました。
ほんとは安いエコハウス 著:松尾和也
欧米や各国は窓に厳しい基準を設けてきました。
お隣の中国や韓国の基準値が日本の実態よりも高いと聞くと驚かれる人もいるかもしれません。
日本は障子・ふすま文化から引き違い窓が多く採用されたことや窓枠に用いられたアルミサッシメーカーの利権(こちらは私見です)などにより窓の性能がおざなりにされたのかもしれません。
「もったいない」「ものは大切に」と教えられてきた我々日本人の住宅が30年で建て替えられている使い捨ての現実はなんとも皮肉なものです。
先進的窓リノベ2025事業の内容
内容は【公式】先進的窓リノベ2025事業を必ずご確認下さい。
契約期間は2025年の末まで、交付申請期間は予算の上限に達するまでなので、途中で終わる場合もあり得ます。
※工事請負契約後であれば工事自体は令和6年11月22日以降であれば可能ですので、現在申請ができます。
窓(玄関ドアも)の高断熱化リフォームに対して一戸あたり最大200万円まで上限補助額があります。
画像出典:環境省
窓リフォームの種類は
・内窓設置
・外窓交換
・ガラス交換
となります。このうち、費用対効果(コスパ)が高いのは圧倒的に「内窓設置」となります。
この制度の最大のメリットは少ない箇所数でも利用が可能な点(合計の補助額が5万円以上から)です。
なのでとりあえず何カ所か窓のリフォームをやってみたい人にとってはこれを使わない手はありません。
例えば、内窓設置を何カ所か考えた場合の補助額(Sグレードで)はだいたいこんな感じです。
・リビングなどの大きな窓→65,000円
・寝室や子供部屋などの中くらいの窓→44,000円
・トイレや台所などの小さな窓→28,000円
※外窓交換はこの補助額より多い金額ですが、そもそもの価格が内窓設置に比べて大幅に高いです。(工事時間も内窓は1カ所1時間程度、外窓カバー工法は1カ所半日〜1日)
内窓(二重窓)とペアガラス(2枚ガラス)の違い
↑こちらで違いをご覧ください
先進的窓リノベ事業の流れ
ざっくり簡単に流れを説明します。
こちらも詳しくは【公式】先進的窓リノベ2025事業を必ず見て内容をご確認下さい。
⚠️大前提としてDIYの窓リフォームでは補助金は出ません!

①事業に登録された複数の業者に現地調査を依頼(窓リフォームの種類決めや採寸)
②見積りを見てどの業者にするか決める
③見積り内容を確認して契約書にハンコを押す(工事請負契約をする)
↑※コチラは2024年の用紙なので2025年は少し違うかもしれません
④業者と共同事業実施規約を締結する(←全然難しくないです!)
一番のポイントは業者により
✅支払い金額から相殺(減額)する方法
✅一度全額支払い、後から還元される方法
どちらかが決まっており(自分で選べない)後者の場合後から戻るのは数ヶ月程度時間がかかるため、余裕資金から払う必要があります。

先進的窓リノベ事業を使った人にアンケート調査実施
実際に2023年の先進的窓リノベ事業を利用した238人に私がアンケートをとってみました。アンケートサイトはFreeasyを使用。事前調査で対象者をスクリーニング。
余り高齢の方に知られていないのか30代と40代で半数でした。ネットリテラシーが高い世代で、新築に住んだ後に窓の断熱性能が低いことに気づき内窓を設置する人が多い印象です。
冬は寒くて当たり前と我慢して諦めている高齢の方もいると思います。
↑世帯年収、ある程度貯蓄に余裕がある世帯が利用したことがわかります。
窓リフォーム後の満足度は「断熱性」と「結露の改善」が8割近くが満足しているようです。
先進的窓リノベの課税について
国からの補助金となりますので原則「一時所得」となり、確定申告が必要です。
ただし「国庫補助金等総収入金額不参入に関する明細書」を一緒に提出すればその部分は課税されないとXで税理士のかたが発信されていました。
追記:我が家の先進的窓リノベ2024事業の交付決定通知が到着しました。

昨年9月に工事後、諸事情で12月末に再工事したため支払日が本年3月末となっています。今回の工事は
✅支払い金額から相殺(減額)する方法
であったので支払日は私達には関係なかったのですが、
✅一度全額支払い、後から還元される方法
の場合けっこう時間がかかるのがお分かり頂けたと思います。
ちなみに一時所得は(補助金17万円ー特別控除額50万円)✖️1/2=0で
副業ブログの利益を足しても所得税の確定申告は必要ありませんでした。
ぐぬぬぬぬ……。
もっと先進的窓リノベの課税対象について詳しく知りたい人はこちらの
>>PATTOリクシル マド本舗 粕谷様の記事をご覧ください。
内窓のメリットデメリット
ここからは多くの人が選ぶであろう「内窓設置」について効果やメリットデメリットを簡潔に解説していきます。夏の暑さにお困りの方はまずはシェード等で窓の外側に日除けを付けるほうが効果が体感できます。
↑こちらがシェード、電動や手動さまざまなタイプがあり窓の手前で夏の日射を遮ります
内窓の効果
説明するよりも画像で伝えたほうがわかりやすいので画像をご覧ください 。
撮影場所は札幌の3月外気温はマイナス3℃〜0℃ くらい、室温は20℃設定です。
↑結露で大変だったペアガラスの樹脂サッシが…
↑内窓を付けることにより結露が改善されました(ニッコリ)
↑絶対結露しないわけではないので注意!既存の窓の性能が悪いと外の窓の内側に結露は発生します。また、加湿のしすぎや室内干し、灯油ストーブの使用中の換気が不十分な場合など(住まいかたといいます)内窓にも結露が発生する場合はあります。
↑室内側と内窓と外窓の間の温度差が10℃以上変わる場合もあります
↑サーモグラフィカメラを使って内窓の表面温度を測定→17.5℃
↑内窓開けて外窓のガラス表面温度を測定→4.4℃、全然違いますね
↑全部窓を開けた後の雪の温度となります
内窓が付けられない窓の種類は?
↑こちらにまとめましたので参考にしてください
我が家はペアガラスだから大丈夫と思っている人へ
1枚ガラスよりも2枚ガラス(ペアガラス)の方が確かに断熱性は高いです。
しかし、ペアガラスでもLow-Eタイプという薄い金属膜がガラス間にあるものでなければ、冬には外の寒さが伝わりやすく結露も発生しやすいです。

おおよその熱貫流値(熱の伝わりやすさ=高いと断熱性低い)は
1枚ガラス→6.0
2枚ガラス→2.9
2枚ガラス(Low-E有り)→1.7
とLow-Eタイプは断熱性が高く、さらに予算が許せばアルゴンガスを追加したり外窓交換の場合では3枚ガラスを選ぶこともできます。
1番性能の悪い1枚ガラスのアルミサッシのお宅でも内窓にLow-Eタイプのペアガラスを付けるだけで熱貫流率は約1.7まで向上します!
ちなみに先進的窓リノベの基準値は1.9なのでこの数値を下回れば断熱性能はまずまずということになります。
↑Low-Eガラスの見分け方はガラスの隅に表記されています
板ガラス協会参照の新築戸数普及率では、近年ではLow-Eガラスが約9割を占めています。
平成18年→29.2%
令和4年→→89.3%
結露を少なくする考え方
みなさん忘れたとは思いますが中学2年で習った「飽和水蒸気量」というものがあります。これは温度が高いほうが空気中には水分が多く含められますよ、ということです。
就寝時に暖房を止めると、室温はしだいに下がるので飽和水蒸気量が減り、空気中に含められなくなった水分が結露として1番寒い部分(窓)に現れます。
窓の結露の発生を抑えるポイントは
☑️就寝前に充分な換気をする
☑️洗濯物を夜間部屋干ししない
☑️室温を高くする
☑️湿度を上げすぎない
☑️窓の性能を上げる
このうち湿度の管理は皆さんが使っている相対湿度(%)ではなく、絶対湿度(g/㎥)で管理すると結露は発生しにくいです。
我が家もこれを使うことにより、今まで無駄に加湿していたことに気づきました。
難しいことは全くありません。絶対湿度計の「みはりん坊W」やスマホのアプリで管理できる「SwitchBot」で水分を調整するだけです。
↑ウチは「みはりん坊W」を使っています
内窓のメリット
①防音対策になる
(先進的窓リノベ事業では対応していませんが、防音専用タイプのガラスを内窓に付けるとさらに騒音は軽減されます。自宅で集中して作業される方や安眠を求める方は検討を)
②結露が改善される
③部屋が暖かくなる
④耐久性に優れている
⑤光熱費が安くなる
⑥防犯対策になる
(最近物騒な世の中なので、内窓のペアガラスの間に防犯フィルムがあるタイプもあるので、防犯玄関ドアと防犯カメラも組み合わせると泥棒が嫌がる家になります)
⑦UVをカットできる
私が一番実感したのは結露が軽減されて部屋が暖かくなったことです。
念の為言っておくと暖房をつけなければ内窓が付いていても部屋は暖まりません。
内窓のデメリット
①日射熱の取得率が下がる
②ガラスの熱割れのリスクがある
③費用がかかる
④内窓と外窓の間の温度が上がる
⑤2回窓を開閉する必要がある
⑥空間が少し狭くなる
⑦掃除が大変になる
2回窓を開けなければいけないのが面倒だという人が結構います。
でも先ほどの画像の通り内窓と外窓の間の空気層が断熱に対して良い仕事をするので我慢してください(笑)
どこに見積もりをお願いすれば良いか?

✅地元のガラス・サッシ屋さん
✅リフォームの一括見積もりサイト
✅ホームセンター
どこでも構いません。ただし、先進的窓リノベ事業に事業者として登録されていないと補助金の申請はできませんので、「そちらで先進的窓リノベ使える?」とまずは確認が必須です。
ちなみに私は全国展開している某有名ホームセンターにも見積もりをお願いしましたが、原材料費等の高騰も影響してか
・内窓の見積もりが店内表示価格よりだいぶ高い
・外窓に至ってはメーカーのカタログの定価とほぼ同じかなぜか少し高い…
・現地調査の前に今年はもう終了することにしましたと連絡がくる
と、せっかく補助金がいっぱい出るのに足元を見られました。
相場感と提案力の違いがわかるので、絶対に数件の相見積もりをとることをお勧めします。
※私のX内で絡んで頂いている業者さん達がリベシティの人にはおすすめかも、紹介できますので良ければお声がけください(当然無料です)
断熱改修をすれば健康に良い影響がある
さて、いよいよ今までの話をふまえ本題となります。
本題とはなりますが、それほど長くはないのでお付き合い下さい。
窓リフォームで得られる健康を含むメリットは多大だと私は思っています。
カビやダニの発生を減らすことができる

湿度が高いとダニやカビが発生します。結露を抑えることにより、それらの活動を弱め健康にとってより良い住環境を整えることができます。
小さなお子様がいるご家庭でもアレルギーの抑制につながります。
冬にレースのカーテンが濡れて黒カビでびっしょりなんてお家は窓リフォームで改善できます。
もちろん壁内結露(家の構造内部)には効果はありませんが、住宅を長く使用できる観点からみても価格以上の効果が得られます。
ヒートショックの予防になる

冬期に入浴時の死亡者数が顕著に増加することから、冬の室内の低温や部屋間の温度差により生じる健康リスクである「ヒートショック」が広く知られるようになりました。
窓でかわる住宅のパッシブ設計
ご存知の通りヒートショックは寒暖差のある部屋の移動により体の温度が急激に変化することで起こります。
ヒートショックによる死亡者数はなんと交通事故による死亡者数の約5倍!
入浴中の高齢者の溺死者数も冬場に著しく増加します。
消費者庁による入浴中の事故の注意喚起
年数の経過した住宅で特に温度差があり体に負担を与えるのはトイレと浴室です。トイレや脱衣所、浴室に窓がある場合は内窓を付けることでヒートショックの予防になります。
浴室の内窓は専用のタイプがあります。
暖かい部屋は4歳も健康寿命を長くする

事実、寒い家で暮らしている人と、暖かい家で暮らしている人とでは、要支援・要介護を受け始める年齢に4歳以上の開きがあることもわかっています。
窓と建築をめぐる50のはなし Windowology
先ほどのヒートショックもそうですが、寒い家は血圧を上げてしまい、結果心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクを高めてしまいます。
窓を断熱性の高いものにするだけで健康寿命をのばすことができ、認知症の発生の減少にも繋がったり、健康であることで将来の医療費も日本全体では減らすことが可能になりますよね。
私がただ適当に言ってるわけではなく、現在継続して検証されているデータを含め様々な機関で研究されています。
簡潔にまとめると、家の断熱改修をして室温を上げると寒冷時においてさまざまな疾病リスクが少なくなるということです。
>>国土交通省 断熱改修等による居住者の健康への影響調査
>>住宅の断熱化と居住者の健康への影響に関する全国調査 第6回報告会
>>学術論文 窓の断熱改修が住宅の温熱環境と高齢者の生活および健康に及ぼす影響に関する研究
何が言いたいかというと、これって両学長がいつも言ってることに繋がるんじゃない?と感じているんです。
S&P500やオルカンにただ毎月余剰資金を入れるだけではなく、将来の健康寿命の改善に向けた行動はされていますか?
補助金が出る窓のリフォームといってもお金はかかります。リベシティの人は貯める力を鍛えてお金に余裕があるかたが多いです。
使う力の健康に投資ということで今回ご紹介させていただきました。
高齢のご両親の寒い自宅に窓リフォームをプレゼントしている人もX内で見かけましたよ!
お詫びとあとがき

実は私は窓ガラスの販売や製造などと全く無関係の人間です。
「なんだって〜〜」「なんでやねん」
すいません、ただの21年目のトラックドライバーです。
なのであなたの隣の車線の目つきの悪いトラ運は私かもしれません。
しかし、内窓ブロガーを名乗っているのである程度の知識は付けました。
実はコロナ禍で近郊中心の仕事に変わった時に家内に言われていた昭和63年築の結露のひどい窓3カ所に内窓をDIYで付けたことが発端です。
結果に驚いてこれはすごい、絶対みんな知るべき、ブログ作ろうとなり札幌で1番本の数が多いコーチャンフォーという書店に急いで向かいました。
ガラスや窓の本ってすごい少なくて、ネットで調べたり時にはカタログの後ろに記載されたお客様相談センターに電話して聞いたりと1記事書くのに信じられないくらい時間がかかりました。
そのうちに先進的窓リノベ事業は私が発信をした1年弱後に始まったわけです。なのでブログは補助金ありきでは始めていません。
おかげさまで今ではXで知り合った数件のガラス屋さんに
「インスタわかりやすかったよ」なんてお世辞を言われるくらいになりました。規約でリンクは載せれませんので、もっと知りたい人はブログやインスタはプロフィールから飛んでくださいね。
(ブログは「内窓どうでしょう」で検索してみてね😊)
我が家は家庭の事情で家の中の滞在時間がよそ様よりも長いです。
ウチも2024年の9月に追加で先進的窓リノベ事業を実際に使い窓リフォームをしました。
年々資材の高騰や円安の影響で窓も価格が上がるいっぽうです。
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複数案を提示、真摯に対応して頂いたのでとってもおすすめですよ!