- 投稿日:2024/09/11
- 更新日:2025/11/05
住宅ローン控除を受けて、所得税が0円や少額だと、ふるさと納税はできないんじゃないか、ふるさと納税できるとしても意味がないんじゃないか、と思ってしまうかもしれません。
でも、住宅ローン控除を受けて、所得税がかかっていなくても、ふるさと納税を活用できる可能性はあります。
本来なら、ふるさと納税を使うことができるのに、ふるさと納税を活用しないのはもったいないですよね。
住宅ローン控除を受けている場合でも、ふるさと納税を活用する意味があるのか、自分がふるさと納税を活用できるかを、どうやって判断すればいいかを解説します。
ふるさと納税で減税額が大きいのは『住民税』
ふるさと納税をすることで、所得税や住民税で寄付金控除を受けることができます。
ふるさと納税の寄付金控除を受ける場合、どのように減税になるのでしょうか。
✅️所得税は、{(寄付金額−2千円)✕所得税率}分が減税される
✅️住民税は、{(寄付金額−2千円)✕10%}+{(寄付金額−2千円)✕限界税率}が減税される
式だけを見てもよくわからないですよね。
たとえば、寄付金額1万円で、所得税率が5%の人の場合は、次のように減税されます。
⭕️所得税
{(1万円−2千円)✕5%}=400円減税
⭕️住民税
{(1万円−2千円)✕10%}−{(1万円−2千円)✕(100%−5%(所得税率)−10%(住民税率))}=7,600円減税
所得税と住民税を合計すると、寄付金額−2千円の8千円が減税されます。
※計算が複雑になるため、復興特別所得税は考慮していません。
そして、住民税のほうが、減税額が大きいことが分かると思います。
ふるさと納税の寄付金控除は、主に住民税が減税される制度なんです。
住宅ローン控除はどのように減税される?
さて、住宅ローン控除は、どのように減税されるのかご存知でしょうか。
住宅を購入した年によって、割合や上限額が変わりますが、おおむね住宅ローンの年末残高の0.7%(年によっては1%)が所得税額から減税されます。
もしも、所得税額が少なく、住宅ローン控除のほうが多い年については、引ききれなかった住宅ローン控除が住民税から引かれることになります。
※住民税から引くことができる住宅ローン控除には、上限があります。
それでは、所得税額8万円、住民税額16万円、住宅ローン控除10万円の場合は、どのようになるでしょうか。
⭕️所得税
8万円−8万円=0円
※引ききれなかった住宅ローン控除2万円分を住民税から減税
⭕️住民税
16万円−2万円=14万円
このケースでは、所得税が多く減税されました。
住宅ローン控除は、主に所得税が減税される制度なんです。
住宅ローン控除とふるさと納税を併用する際の注意点
ここまで見ていただいたように、ふるさと納税は主に住民税が、住宅ローン控除は主に所得税が減税される制度です。
そのため、この2つの制度を同時に活用することができます。
それでは、すべての人が、ふるさと納税と住宅ローン控除を同時に活用できるのでしょうか。
残念ながら、すべての人が活用できるわけではありません。
その年の所得や控除の状況によっては、ふるさと納税をしても、ほとんど減税されないという可能性はあります。
また、ふるさと納税と住宅ローン控除の併用では、基本的に自己負担額が増えてしまうことにも注意が必要です。
しっかりシミュレーションをして、ふるさと納税と住宅ローン控除を併用するかを考える必要があります。
楽天ふるさと納税詳細版シミュレーターでシミュレーションしよう
ふるさと納税のシミュレーションをする場合に、あなたはどのシミュレーターを使っているでしょうか?
ふるさと納税額のシミュレーションをするなら、楽天ふるさと納税詳細版シミュレーターがおすすめです。
ほかのシミュレーターが悪いというわけではありませんが、さまざまなケースをシミュレーションできる楽天のシミュレーターをおすすめします。
なお、どのシミュレーターであっても、かんたんシミュレーターなど簡易版のものは、おすすめしません。
さて、例題を使って、実際にシミュレーションの手順を確認しましょう。
⭕️前提条件
✅給与収入:400万円
✅給与所得控除後の金額:276万円
✅所得控除の合計額:116万円
✅住宅ローン控除の金額:18万円
お手元に源泉徴収票を用意します。
※確定申告をしている方は、確定申告書から転記してください。
インターネットで楽天ふるさと納税詳細版シミュレーターを開きます。
【楽天市場】ふるさと納税|マイページ - 詳細版シミュレーター (rakuten.co.jp)
詳細版シミュレーターの画面を開いたら、下へスクロールします。
源泉徴収票から「支払金額」「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」を転記します。
確定申告をしていて、ほかにも所得がある場合は、そのほかの所得を確定申告書から転記してください。
ほかの所得がなければ、この部分は入力不要です。
画面を下へスクロールしてください。
④へ住宅借入金等特別控除額の金額を源泉徴収票から転記してください。
確定申告をしている人で、源泉徴収票に記載のない控除がある場合は、そのほかの控除を入力してください。
控除の情報を入力し終えたら、「計算する」を押してください。
今回のケースでは、寄付上限額の目安は、「36,631円」と出ました。
この金額まで、ふるさと納税の控除をフルで使えることがわかりますね。
画面を少し下へスクロールしてください。
今回は、あなたの寄付予定額を上限額で入力してみます。
※実際に寄付をしたい金額に変更してみても構いません。
「計算する」を押します。
32,862円減税されるという結果がでましたね。
ただ、自己負担額に注目すると、3,769円の自己負担になっています。
住宅ローン控除がない人は、2千円の自己負担なので、所得税分の減税が受けられない分、若干負担が大きくなります。
それでも、寄付金額の3割程度の返礼品をもらえることを考えると、トータルでみれば、十分お得といえますね。
会社員で確定申告をしない人は、ワンストップ特例でふるさと納税をお得に活用
ここまで、住宅ローン控除があっても、ふるさと納税を活用できそうだということが分かったと思います。
でも、住宅ローン控除がない人と同じように、自己負担2千円でふるさと納税を活用できないのか気になりませんか?
確定申告をしないサラリーマン限定ですが、ふるさと納税の減税効果をフルに活用することができます。
それは「ワンストップ特例」を使うことです。
ワンストップ特例を使うことで、ふるさと納税の減税を住民税だけで受けることができるので、所得税が0円でも減税効果をフルに使うことができます。
楽天シミュレーターで「ワンストップ特例」を選択して、計算してみます。
すると、自己負担額が2千円になりましたね。
副業の所得があったり、医療費控除などで確定申告が必要な人は使えませんが、使うことができる人は、ワンストップ特例を積極的に活用したいですね。
楽天でシミュレーションしても、楽天以外でふるさと納税をしても大丈夫
楽天シミュレーターでシミュレーションをすると、なんとなく楽天でふるさと納税をしないといけないと思ってしまうかもしれません。
でも、ふるさと納税自体は、どのふるさと納税サイトを使っても問題ありません。
そのまま楽天を使ってもいいですし、ご自身が使いたいふるさと納税サイトがあれば、そのサイトを使っていきましょう。
まとめ
✅ふるさと納税住宅ローン控除は併用できる
✅ふるさと納税の減税は、住民税がメイン
✅住宅ローン控除の減税は、所得税がメイン
✅確定申告をしない会社員は、ワンストップ特例でふるさと納税をお得に活用しよう
✅楽天でシミュレーションしても、ほかのふるさと納税サイトで申し込んでもOK
せっかく使える制度を活用しないのは、とてももったいないですよね。
住宅ローン控除があっても、ふるさと納税ができないと思い込まずに、しっかりシミュレーションをして、お得にふるさと納税を活用してみてくださいね。