- 投稿日:2024/09/12
- 更新日:2025/09/29

初めまして!シロマサルと申します。
名著や名作は過去を生きた賢人たちの知恵の集まりです。
現代を生きる私たちにも必要な知恵を授けてくれます。
今回は、日々の家計管理においても役立つ古典『菜根譚』から、実践できる教えを3つピックアップしてご紹介します。
お金の管理に悩む方々に向けて、これらの知恵が少しでもお役に立てばと思います。
菜根譚とは?
まず、『菜根譚』は儒教・仏教・道教が融合した処世訓の古典です。
良い点として、人生をよりよく生きるための知恵が詰まった書物で、各人が自分なりに解釈しやすい点が特徴です。
「菜根」とは、質素な食事のことを意味しますが、「人はよく菜根を咬みえば、すなわち百事をなすべし」という故事に由来します。
「堅い菜根をかみしめるように、苦しい境遇に耐えることができれば、人は多くのことを成し遂げることができる」という意味です。
明末の洪自誠(こうじせい)という人物が書いたもので、彼自身が政治の争いに巻き込まれ、隠遁生活を送りながら悟ったことをまとめたものと言われています。
処世訓の最高傑作のひとつに数えられ、田中角栄、吉川英治、川上哲治ら各界のリーダーたちから座右の書として愛されてきた名著です。
意外と知られていない書物ではないでしょうか?
家計管理に活かせる『菜根譚』の教え -3選-
1. 「敗後には、或いは返りて功を成す。故に払心の処は、便く手を放つことなかれ。」
(意訳)上手くいかない時期の後には必ず好転する時が来る。だから途中で諦めず、冷静に待つことが大切である。(前集 10-2)
家計管理でも、予期しない出費や計画通りに進まない月があるものです。
ここで重要なのは、失敗を気にせずに継続して予算管理を続けることです。
途中で諦めてしまえば、改善のチャンスを逃しますが、冷静に状況を見極め、次に備えることで、家計も必ず好転します。
いつも体が健康であり続けるのは難しいものです。
『敗後』のときこそ、「逆境」を前向きにとらえて、それをばねにしてさらに高みを目指す生き方は、政争に巻き込まれ隠遁せざるを得なかったと推測される著者の知恵なのかもしれません。
2. 「歩を進むる処に、便ち歩を退くるを思わば、庶んど藩に触るるの禍を免れん。」
(意訳)一歩進むときには一歩引くことも考えておけば、大きな失敗を避けられる。(後集 29)
藩(まがき)は生垣や垣根を意味します。
勢いが強すぎて走るのを止められないと、垣根に突っ込んでしまうことを意味しています。
家計管理においても、無理に支出を押し進めるのではなく、必要に応じて一歩引くことが重要です。
例えば、欲しいものがあったとしても、購入前に「今は本当に必要か?」と一度立ち止まって考えることで、衝動買いや過剰な支出を防ぐことができます。
計画的な買い物を心がけましょう。
物事を始める前に、終わらせるときのことを考えれば、不必要な行動を慎めます。
3. 「世に処するには一歩を譲るを高しとなす。歩を退くるはすなわち歩を進むるの張本なり。」
(意訳)他人に一歩譲る心がけを忘れてはならない。1歩引くことが1歩進むための伏線となる。(前集 17)
家計管理では、家族やパートナーとお金の使い方について意見が対立することもあります。
そんな時、感情的に自分の意見を押し通すのではなく、一歩譲って相手の意見を尊重することで、より良い解決策が見えてくることがあります。
『敗後』になることを防ぐ知恵とも言えます。
譲ることが、家計全体を健全に保つための第一歩になるのです。
家計管理以外でも、満員電車や出入口でも。
「お先にどうぞ」とすることで自分もスムーズに進めることができます。
裏を返せば、先に通った相手の背後に位置取り、状況を見渡すことができると、解釈もできます。中々の切れ味を持つ教えです。
まとめ
今回は『菜根譚』の言葉を、家計管理に応用できる形で紹介しました。
『菜根譚』には前集222条、後集135条もの処世訓があり、今回取り上げたのは、ほんの一部です。
逆境を乗り越える知恵や、人間関係のコツ、さらには自分を磨く方法など、現代でも通用する多くの教えが詰まっています。
パラパラとめくるだけで、何かしら心に引っ掛かる言葉があるはずです。
興味があれば、ぜひ一度『菜根譚』を手に取ってみてください。
子供用にまとめられた「こども菜根譚」なども出ています。
図書館などで、読みやすいものを選ぶと良いでしょう。
現代の混乱した社会だからこそ、自分の心を穏やかに保ちつつ、家計管理にも役立つ知恵を取り入れていきましょう。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!