- 投稿日:2024/10/28
- 更新日:2025/10/01

2024年度、通信制高校に通う高校生は11人に1人。全高校生のうちの約29万人が在籍(文部科学省「学校基本調査」2024年度8月速報値)。通信制高校は近年その数が急増しています。
決して特殊なケースではなくなり、さまざまな目的で通信制高校が選ばれています。不登校だった、スポーツ選手である、芸能活動をしている、自由な校風が合っている、など。
形態もバラエティーに富んでいます。オンラインメイン、通学メイン、少人数、大規模、などなど。
ここでは、1つの例として、わが家の次男が通った通信制高校のよかった点を中心にご紹介したいと思います。
次男が通った通信制高校は、私立の通信制高校。
独自の校舎、体育館、図書館、学食、売店などがあり、生徒数も多く、通学型がメインです。
1例として参考にしていただければと思います。
よかったこと7選
1、自分のペースで通える
通信制高校、というと完全に「在宅」というイメージがありますが、
近年は「通学型」の通信制高校も増えています。
次男の高校の場合も在宅コースもありますが、週2~5日通学コースから選ぶことができます。
途中から変えることもできます。
1年を5タームに分け、各ターム開始前に時間割を自分で組みます。
受けたい授業内容や、1日に受ける授業数を自分で決めることができます。
例えば、元不登校であれば、最初はゆっくりとしたペースで。
受験勉強やバイト、その他に専念するために早いペースで単位を取得してしまうこともできます。
単位を落としても次のタームでリベンジできます。
全日制とは違い、年度内に取り直すことができます。
次男は中3まで不登校だったため、まずは週3日コースにし、基礎固めの授業を選択。高3になる頃には大学進学に向けた授業を選んでいました。
注意点は、自主性、自己管理が必要なところでしょうか。
2、自由度が高い
基本校則はほぼ無いです。
よほど社会的に逸脱した行為、服装でない限り、何も言われません。
校則が無くても、全体的に落ち着いた、いい雰囲気です。
バイク通学も許可されています。
制服もありますが、私服でもよく、生徒は自由な髪型、服装で通っています。
次男も通ううちにオシャレになり、あか抜けていきました(笑)
3、意外と指定校推薦が多い
学校によりますが、次男の通った通信制高校は、意外と指定校推薦の大学、短大、専門学校が沢山ありました。
以下で述べますが、通信制高校は全日制高校よりも比較的高い評定平均が取りやすいです。
次男は評定平均オール5が取りやすいことを利用して、1年次から指定校推薦を視野に入れていたようです。
4、高い評定平均をゲットしやすい
通信制高校は「卒業を目標」としているところも多いので、比較的単位が取りやすい授業内容です。
次男の高校の場合は、1タームあたり4回授業を受け、毎回「レポート」という名の宿題を提出。最終授業日にテストを受けて、単位取得完了です。
レポートと言っても、大学のような論文形式ではなく、穴埋めや設問形式の宿題のようなものです。
難解なレポートやテストはほぼ無く、基本的な内容だったので、
次男はガリ勉タイプではないのにオール5で修了しました。
高い評定平均を指定校推薦に活かしたり、大学のAO入試や公募制推薦入試に活かすことができます。
注意点は、必要最低限の学力は学べますが、それ以上の学力をつけるには、各自で参考書で勉強したり塾に通ったり、自助努力が必要であることです。
5、漢検、英検で単位がもらえる
次男の高校の場合は、漢検2級以上や英検準2級以上に合格すれば、単位がもらえます。
これらの資格をゲットできると、受ける授業数が減り、受験する大学によっては加点対象になるので一石二鳥です。
6、早く履修完了(通学終了)できる
早いペースで単位を取得し、高3の夏休み前にはすべて終了している生徒が多くいます。
以降は通学する必要が無いので、受験勉強に専念したり、アルバイトをしたり、自由に過ごすことができます。
次男も高3夏休み明けにはすべて終了したので、大学受験に向けて塾に通い、受験勉強に専念することができました。
7、クラスが無いので気楽
「クラス」という枠組みが無く、いい意味で人間関係にわずらわされることがありません。
大学のように生徒自身が各授業の教室を移動する形になります。
組んでいるカリキュラムも個人個人で違うので、それぞれ独自の動きをします。
昼食もそれぞれ空いた時間に学食で食べたり教室で食べたり。
皆が単独行動なので、逆に孤独感は感じません。
このような環境が心地いいと感じるタイプの生徒にはよいと思います。
注意点は、クラスが無いので、文化祭、体育祭、修学旅行などの行事が無いことです。
行事はいらない、無くてもよい、というタイプなら逆によいかもしれません。
その他疑問集
1、友達はできるの?
友達は作ろう!と思えば作れます。
次男も、よく授業が一緒になる子、通学路が同じ子などに声をかけたり、声をかけられたりし、友達を作っていました。
部活も文科系運動系各種あり、部活に入るという方法もあります。
逆に、友達を一人も作らなくても、心地よく通えるのが通信制高校のよいところでもあります。
2、進路は?
進路は様々なようですが、大学・専門学校などに進学する生徒が多いようです。
クラスはありませんが、進路相談室のサポートがあり、指定校推薦、模試、受験情報の説明会などの連絡はこまめにありました。
個別の相談にも丁寧に対応してもらえました。
また、大学受験を目指す生徒のための「進学コース」もありました。
大学受験に際して、通信制高校だから、という不利な点は何もありませんでした。
調査書の発行、共通テストの願書受付などもスムーズにされていました。
就職する場合もサポートがあります。
3、学費は?
学費は通信制高校によって千差万別です。
次男の通う通信制高校はとてもリーズナブルなほうで、都道府県の補助を差し引くと、年間25万円くらいでした。
公立高校とあまり変わらないかもしれません。
通信制高校の中には、年間60万円ほどのところや、
「サポート校」と呼ばれるところはさらに追加料金がかかったりするようです。
価格もさまざまですが、形態もさまざま。
ネットでオンライン授業メインのところ。
少人数でサポートが手厚いところ。
全国展開している大規模なところ。
IT系の授業が充実しているところ。
などなど、他にも色んなタイプの通信制高校があります。
その生徒さんに合った学校に通うことが大切。
実際に見学に行って決めることがいちばんだと思います。
おわりに
通信制高校は、中高年、特に祖父母の世代には抵抗があるかもしれません。
しかし今の通信制高校は一昔前のイメージとは全然違います。
教職員の方々もあたたかく、雰囲気も自由で穏やかで明るい印象。
ネットを活用し、効率のよいシステムが導入されています。
次男は元不登校でしたが、高校は性に合っていたようで皆勤賞、友達もできて心地よく通うことができ、
勉強への意欲を取り戻し、受験勉強に専念し第一志望の大学に合格しました。
子供は千差万別、いろいろな選択肢が選べるよい時代になりました。