- 投稿日:2024/11/04
- 更新日:2025/09/29

はじめに
Mac上でWindowsとWindowsアプリケーションを動かしたいという願いを叶えるための記事です。
動作しないアプリケーションもあるため、ガチでWindowsアプリケーションが起動しないと困る場合は向いていませんが、本記事の方法を試すとMac1台でMacもWindowsも使用できる環境ができるため、荷物も少なくて便利です!
注意事項
①マイクロソフトが販売しているWindows11には大きく2つのエディションがあり、Windows11 Proが必要です。
1. Windows11 Pro(上級者向け機能あり、企業利用用途など)
2. Windows11 Home(一般家庭用)
Apple Mシリーズチップで動作サポートしているWindowsは2025年1月時点で「Windows11 Pro」のみです。「Windows11 Home」はサポート対象外です。過去のWindows7や10は使用できません。
②本記事の方法でWindows11のパソコンで動作していたアプリケーションがすべて動作する保証はありません。Mac上でWindows環境をエミュレートして動かしているので、完璧に動作しない場合もあります。無償体験期間が用意されているので事前に動作確認を行いましょう。
③本記事はあくまでも1台のMacの中にWindows11も入れられて動いたら嬉しいな、起動しないアプリケーションは今まで通りWindows実機で起動するか試行錯誤して解決方法を探す、最後は諦める心づもりで行うものです。
④本記事で紹介するMac上でWindows11を動かすためのソフトウェア:Parallels DesktopをWindowsゲーム目的で使用するのは勧めできません。専用ゲーム機(Playstation, Nintendo Swichなど)で遊ぶのとは違い、WindowsPCだとしてもPC構成やソフトウェアの相性などの問題があり、玄人向けです。
14日間の体験期間は無料!ダウンロードはこちら
Mac上でWindows11を起動するための「Parallels Desktop for Mac」は体験版を14日間使用することができます!事前に試したいWindowsアプリケーションの動作確認を行いましょう。
動作確認や使用感を確認した後、後述する「Parallels Desktop for Mac」と「Windows11 Pro」を購入してシリアルナンバーなどを入力すれば体験版から製品版に切り替わります。
「Parallels Desktop for Mac」の体験版は下記URLからダウンロードできます。Parallels Desktop for Macを購入された方は後述のインストール説明部分を参照ください。
https://www.parallels.com/jp/products/desktop/trial/
【補足】Parallels DesktopとWindowsどちらも体験期間は1回限りです。ただ、Paralles Desktopを購入しておくと、Windows11 Proは何度でも新規インストールを体験期間を繰り返し使用することができます!作成したWindowsアプリケーションの動作確認程度であれば、この方法で何度でも試すことができます!(その度にWindows環境はリセットされます)
必要なもの
費用としてはソフトウェア購入に合計で37,000円程度掛かります。(体験期間だけ使用する場合は無償)
①アプリインストールやトラブル対応などのスキル
最低限、MacやWindowsのアプリケーションのインストール/アンインストールを自力で行えるスキルが必要です。
また、本格的に使用する場合はトラブル発生時にネット上などの情報を調べて対処できるスキルが必要です。ネット上にParallels Desktopの情報はいろいろありますし、Paralles社のサポート情報も早めに出る印象ですので、ヒントは多くあります。
②Mac本体
Mac本体:MacBook Air, MacBook Pro, iMac, Mac miniなど
チップ:Apple M1以上
メモリ:16GB以上
M1チップ以上のMacであれば、MacBook AirでもiMacでもなんでも良いです。Mac側でも重い処理を動かしつつ、Parallels Desktop for Macも使用しているとメモリは16GB以上ないとWindows11の動作が重たくなります。Mac側のメモリは8GBでも動作しますが、キビキビ動作せずあまり実用的ではありませんのでご注意ください。(体験版で使用感を確認ください)
③Parallels Desktop for Mac
エディションが複数ありますが、永続ライセンスの「Standard Edition」がおすすめです。常に最新版を使用されたい方は「Pro Edition」もありますが、これはサブスクのため毎年11,500円程度が掛かりますので注意が必要です。個人的には永続ライセンスを購入して2〜3年使用するのがいいと思います。
なお、Standard EditionとPro Editionのどちらもサブスク版が用意されており、永続ライセンス版より価格が安価に設定されています。間違えないように「永続ライセンス」(1回限りの購入)を購入してください。
【補足】毎年8月頃に新バージョンがリリースされていますが、2025年8月にリリースされたバージョン26は永続ライセンスの新規購入が14,000円から22,000円に値上げされています。
④Windows 11 Pro
冒頭に説明した通りWindows11にはHomeとProの2種類のエディションがありますが、Proエディションを選択してください。(Homeエディションについては、マイクロソフトがMacでの使用をサポートしていません。)
また、例えばアマゾンだとProエディションでも「オンラインコード版」と「パッケージ版」の2種類が販売されています。なぜかパッケージ版のほうが安いので、こちらを購入するのがおすすめです。パッケージ版なので商品が宅配で送られてきます。パッケージの中身はUSBメモリとプロダクトキーが書かれた台紙が入っていますが、使用するのはプロダクトキーのみです。
※Windows 11 Proの「パッケージ版」を購入する場合、偽物に気をつけてください。アマゾンの場合は販売元が「Amazon.co.jp」となっているものを必ず選択してください。アマゾン以外ではヨドバシドットコムなどの大手量販店サイトで購入するのが安全です。
※他にもDSP版と呼ばれるものがありますが、これは自作でパソコンを使用する玄人向けのもので使用環境などに制約があります。今回は使用しませんので購入しないでください。
⑤起動確認用のWindowsアプリケーション
動作確認したいアプリケーションを用意してください。Windows11対応のものであれば基本的に動きます。3Dゲームは起動できないものが多いため、注意してください。(製品購入前に体験版での動作確認を推奨)
各種ソフトをインストールしよう
Parallels Desktop for Mac
Parallels Desktop for Macはパッケージ版を購入しても、DVDなどのメディアは入っていません。ダウンロード版と同様に下記サイトからインストーラーを入手して実行してくさい。
https://www.parallels.com/jp/products/desktop/download/
ダウンロードページの「自動インストーラー」と「Parallels Desktop for Mac Image」のどちらを使用しても結果は同じです。(前者は必要なデータをダウンロードしながらインストールするか、後者は最初から予め必要なダウンロードしておくかの違い)
今回は予めデータをダウンロードしたいと思いますので「Parallels Desktop for Mac Image」の横にある「DMG」をクリックしてください。
DMGファイルがダウンロードされますので、起動します。インストーラーが起動しますので、「インストール.app」をダブルクリックしてセットアップを進めてください。
Windows11
Parallels Desktopがほぼ自動的にWindows11をインストールしてくれるため、半自動でセットアップ可能です。
まずは、Windows11をインストールするために、Parallels Desktopを起動しましょう。「ファイル」→「新規」を選択すると、インストールアシスタントが起動します。
「MicrosoftからWindows 11を入手を」をクリックし、「続行」ボタンをクリックしてください。
「Windowsのインストール」をクリックしてください。
自動的にWindows11のダウンロードが始まり、インスール完了まで待つのみです。
Windows11のインストール完了後、Windowsアプリケーションをインストールするなどしていろいろ動作を試してみましょう。
Parallels Desktopのライセンス認証
体験版の使用期間は14日間です。期限後も使用する場合は、本記事の「必要なもの」に記載されているParallels Desktopを購入し、シリアルナンバーを登録してください。
なお、シリアルナンバーは「Parallels Desktop」→「アカウント&ライセンス...」から登録できます。
Windowsライセンス認証
試使用版の使用期間は30日間です。30日を過ぎるとプロダクトキーを登録するまでフル機能を使用できなくなります。期限後も使用するには「必要なもの」に記載されているWindows11を購入してください。
Windowsの体験期間(30日)よりもParallels Desktopの体験期限(14日)のほうが短いため、Windows11の動作確認が行えるのは実質14日です。
Windows11のプロダクトキーは「設定」→「システム」→「ライセンス認証」から行えます。上記画面の「プロダクトキーを変更する」の横にある「変更」ボタンをクリックし、画面指示に従ってプロダクトキーを入力してください。
動作確認をしてみよう
予め用意しておいたアプリケーションをインストールして動作を確認してみましょう。
なお、Macのデスクトップと今回作成したWindows11環境のデスクトップなどは共有されています。そのため、用意したWindowsアプリケーションなどのファイルはUSBメモリやSSD経由でMacのデスクトップに置くことで、Windows11環境で使用できます。
Windows11で動作するアプリケーションはほとんど動作すると思います。他にはWindowsアプリケーションの開発元で正式サポートされていないものの、動画編集ソフト、ゲーム販売で有名なSteamのWindows版クライアントソフトなどいろいろ動きます。(最新ゲームの動作はさすがに期待できません)
おわりに
Mac上でWindowsを動かす方法は他に玄人向けのものがありますが、Parallels Desktopを使用するのがメリット/デメリットのバランスが一番良く、インストールや操作もわかりやすいと思います。
確実ではありませんがWindows11でも昔のアプリケーションは起動するので、手元に昔のWindowsアプリケーションの遺産が多くあり、なかなかMacに移行できない方もParallels Desktopでの動作を試してみてください。
Tips(エラー対処法など)
フォルダに書き込みできない旨のエラーが出る場合
Paralles DesktopはMac上の書類フォルダなどをWindowsのドキュメントフォルダと共有してくれる機能がデフォルトでONになっています。
時々、この便利機能が邪魔をすることがあるので、共有機能をOFFにするとエラーが解消することがあります。(MacとWindows間でデータ共有がなくなるため、データのやり取りが少し不便になります)
Windows用ゲームが起動しない
まず、起動するかどうかはゲームによります。Windows実機でも動作するかどうはPC環境・構成に大きく左右されます。最新の高スペックが求められる3Dゲームは動作しないため、ゲームが主目的としたParalles Desktopの使用は向いていません。その中でも動作するゲームとして、2010年代にリリースされたもの動作するものがあるという印象です。
Paralles DesktopのStandard Editionはメモリ上限8GBまでしか割り当てできないことと、ゲーミングPCのようにグラフィックスボードという専用部品も載っていないので3Dゲームを動かすにはそもそも非力ですのでご注意ください。
逆に低スペックのWindows11でも動くレトロゲームは、Paralles Desktopでも動く可能性が高いです。Apple Mシリーズが優秀すぎてWindows実機よりもストレスなく動く場合もありますので動作確認を行った上で使用しましょう。