- 投稿日:2024/11/05
- 更新日:2025/10/15
2024年11月5日から東京証券取引所が取引時間を30分延長されます。
たかが30分。されど30分。
何か影響がないのか気になりますが、結論から言いますと
「インデックス投資に影響はない」
の一言です。
なかなか取引時間が変更される事もないですし、せっかくなのでその理由を考えてみましょう。
取引時間
まず取引時間についてです。
《 変更前 》 前場…9時~11時半、 後場…12時半~15時
《 変更後 》 前場…9時~11時半、 後場…12時半~15時半
一日の取り引きの終わり、大引けの時間が30分延長されることになりました。
国際的に見るとロンドン証券取引所は8時間35分、ニューヨーク証券取引所は6時間半であり、それと比べて東京証券取引所の取引時間はこれまで5時間と短かったのです。この30分の延長は、国際的な金融市場における競争力を高めるためというのが延長された理由のひとつとして挙げられます。
メリット
柔軟な取引環境: 投資家にとっては取引できる時間が長くなることで、取引戦略や投資の幅が広がる可能性があります。また日中の経済指標発表等あれば対応できる機会があるかもしれません。
海外市場への投資機会の増加: 海外市場と日本市場の時間帯がさらに重なるため、世界的なニュースや市場の変動に対応した取引がしやすくなります。ロンドンやアジア各国の市場と重なる時間が増え、特にアジア市場と緊密な取引時間を共有できます。海外の市場と連携しやすくなることで、日本市場の魅力が高まり、外国人投資家の参入を促進する効果も期待されます。
デメリット
コスト増加: 長時間の取引に伴い、取引所や証券会社には追加の運営コストが発生します。人件費やシステム維持費用が増加し、利益率が下がる可能性があります。
労働環境への影響: 特に日本では働き方改革が進められていますが、取引時間の延長はこの流れに逆行し、労働者の負担増加やストレスの増大を招く可能性があります。
流動性分散によるリスク: 取引時間が長くなることで、一定時間に集中する取引が分散されると、各時間帯での取引量が低下し、価格の変動が不安定になる恐れがあります。
注意点
トレーダーの負担増加: 延長によりトレーダーや証券会社スタッフの労働時間が増え、働き方の見直しや効率的なシフト管理が必要となります。
流動性確保の課題: 取引時間が延びたとしても、全体の取引量が増えなければ取引が薄くなる可能性があります。流動性が不足すると取引の安定性が損なわれるリスクがあります。
システム維持管理の難しさ: 2020年に発生した大規模なシステム障害を受けて、取引時間を延長することで、万が一の障害発生時にも投資家が再び取引できる機会を確保する狙いがあります。延長によりシステム復旧後に投資家が戻れる時間が増えるため、リスク管理の観点からも重要であるとのこと。ただそれと同時に、長時間にわたる取引に対応するため、システムの安定稼働やメンテナンスのタイミングがより重要になります。システムに高負荷がかかることで不具合が発生する可能性も考えられます。
情報開示時間の変更: 多くの企業が従来の取引終了後(15時以降)に情報開示を行っていたため、開示時間の調整をする企業も増えるかと思われます。
東京証券取引所の延長が実際にプラスに作用するかは、今後の投資家の動向や海外市場との連携次第であり、課題も解決が必要です。 先物オプション(デリバティブ市場)の日中立会時間も30分延長し15時45分まで延長されるため、関連する取引を行う投資家は注意が必要です。
また今のところ他の国内の証券取引所の取引時間が変更される予定について正式な発表は見当たりません。現状は東京証券取引所だけの時間変更です。
影響は?
さてここで気になるのが私達への影響です。
リベシティの皆さんにとって主な取引はオルカンやS&P500へのインデックス投資ではないでしょうか。
先にも述べましたが、インデックス投資をしている方からすれば大きな影響はありません。
一日に一度発表される基準価額で取引され、コツコツと積み立てていくので、取引時間が延長されようと関係ないからです。
ただ高配当株投資をされている方やデイトレード、スイングトレードなど短時間取引をされている方にとっては、特に大引け時の取引の動きや、トレード時間が長くなることになる事によって株価の変化を見る時間が増える事により時間を取られてしまう事が主に考えられる影響かと思われます。
時間の延長に慣れるまでの間は市場が多少不安定になることも考えられますし、しばらくの間は注視した方が良いかもしれませんが、インデックス投資をメインにされている方からすれば大きな影響はなく、不安に思う必要はほとんどないでしょう。