- 投稿日:2024/11/15
- 更新日:2025/10/01

初めまして!シロマサルです。
知ることで、人生はもっと楽しくなる!
今回は石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』2022年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。
おもしろいので興味があれば読んでみましょう。
著者:石崎洋司
1958年生まれ。東京都出身。
慶應義塾大学卒業後、出版社勤務を経て、作家・翻訳家としてデビュー。
『黒魔女さんが通る!!』シリーズ(講談社青い鳥文庫)など多数の人気作品を手がける。
補足
オードリー・タン出典:プレジデントオンライン
2020年、世界中が新型コロナウイルスの急速な感染拡大に脅える中、最も注目された人物の1人。
台湾のデジタル担当大臣(デジタル担当政務委員)を務める。
知能指数180以上、中学以後は学校に行かず、16歳で会社経営に参画、35歳で台湾史上最年少の大臣に就任と、異色の経歴の持ち主。
本書はフリガナも振られていて、子供から大人まで読める。
オードリー・タンの伝記物語である。
本書は、新しい民主主義のヒントになるかもしれない。
もちろん、台湾と日本の規模が異なることには注意しよう。
日本が約1億2,359万人、台湾は約2,340万人。
日本の国土面積は台湾(約36,000平方キロメートル)の約10.5倍。
大きければ大きいほど末端にいきわたるのには時間がかかるものだ。
「“他者との差異”は、効率性をいいことに取り除くべきとされがちです。差異が分断にならないよう誰もができること、それは“橋をかける”ことです」
「無関心を敵とするならば、(他者との)差異は我々の味方だ」
「無関心でいることは社会を壊す」
ネットニュース:オードリー・タン氏が都内で講演 マイノリティーへの理解を訴える
だれも取り残さない台湾の天才IT相
オードリー・タンの生い立ちと教育の影響
知能が高すぎて、まわりから浮いてしまう子どもを「浮きこぼれ」とも呼んだりします。小学校一年生のときのオードリーは、まさにこの「浮きこぼれ」でした。
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
台湾の天才IT相オードリー・タンは1981年、台北市で生まれた。
幼少期から抜群の知性を発揮し、3歳で百科事典を丸暗記し、4歳で連立方程式を解けるほどの能力を持っていた。🧐
しかし、その賢さゆえに幼稚園や小学校では他の子どもたちから孤立し、学校の教育体制に悩まされることもあった。🤔
特に、台湾の伝統的な教育システムにおける厳しい規律や体罰の文化は、タンにとって耐えがたいものだった。
学校は休みがちで、独学で学び始めたパソコンとプログラミングだけがタンの唯一の楽しみだった。
やがて「教育を変えたい」という強い思いへとつながっていく。
⇒ 独学とITへの没頭が、タンの才能をさらに開花させる。
ドイツ留学での発見
「8歳の頃に私をいじめたクラスメイトたちは、生まれながらに人をいじめるのが好きだったわけでも、品格が無かったわけでもありません。(中略)すべては家庭でそう仕向けられてしまったのです。これは構造的な問題ですから、いじめた人の名前をさらしたり、辱めたりしても何も良いことはありません。また同じようなことが起きてしまうからです」
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
タンの人生を大きく変えたのは、父親の勧めで行ったドイツへの留学。
台湾の学校と違い、ドイツでは権威に依存するのではなく、対話と説得を重視する教育方針をとっていた。🧐
これは、タンにとって衝撃的であり、「教育や社会のあり方を変える」という信念を抱かせる大きな転機となりました。
台湾に戻った彼女は、学校に通う日を減らし、プログラミングとインターネットを通じて独自の学びを深めました。
⇒ 他者との違いを理解し、自己の価値を追求する方向に注力する。
しかし、学校といった現在の世間の情報も忘れない。🤔
フリーソフトウェア運動との出会い
高校には進学せず、16歳で起業。
ITの世界で生きることを誓ったタンは1996年、IT企業「資訊人文化事業公司」という会社の立ち上げに参加。
自ら開発したソフトウェアが世界で大ヒットを記録する。
IT業界でのキャリアを築いたタンは、シリコンバレーへ派遣され、そこで「フリーソフトウェア運動」や「オープンソース運動」と出会う。
「ソフトウェアは、みんなが自由にプログラムを書いて、誰もが無料で使える、生活と社会の進歩のための道具でなければならない」
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
技術をすべての人に開放し、無料で共有することを目指す。
タンはこの考えに共鳴し、「技術は社会を進歩させるためのものであるべきだ」という信念を明確にしました。
⇒ 技術を公益に活かす理念が根付く。
2000年、台湾に戻ったタンは「傲爾網」という会社を立ち上げ、並行して、オープンソースとPerlを広めるためのオンラインコミュニティ「芸術家独立協会」も主宰、仲間を増やしていく。
オードリー・タンの「3つのF」とフェイクニュース対策
人々が政治に参加しようとするとき、名前や性別、そして投票権があるかどうかにも意味などはない、社会をよくしようとという意識こそが主役だ
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
タンのユニークな政策の中でも特に注目されるのは、フェイクニュースに対する「3つのF」の原則。
彼女は、ネット上の虚偽情報に対処する際、速さ(Fast)、公平さ(Fair)、そしてユーモア(Fun)を活用した。
具体例
「7日以内に毛染めとパーマをすると罰金」というデマが流れた際、台湾政府は行政院長のユーモアを交えた写真をSNSに投稿し、速やかに真実を伝えた。
「たしかに私は現在髪の毛がないが、だからといってそのように皆を罰したりしない。 もっとも、1週間以内に毛染めとパーマをすると、髪が傷んでわたしのようになってしまうよ」──「こんなふうに、ユーモアを交えた広告は、みんなが喜んで、広がりやすいので、フェイクニュースに強力に対抗できるのです」
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
これにより、市民の信頼を得ると同時に、情報の拡散を抑えた。
⇒ ユーモアを交えた情報提供は、迅速かつ効果的な対策になる。
コロナ禍でのマスクマップの成功
情報をオープンにしよう。薬局の場所、それぞれの薬局でのマスクの販売数・在庫数を、すべてデータとして公開すればいい。
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
タンが手掛けたもう一つの画期的なプロジェクトは、2020年のコロナ禍で開発された「マスクマップ」。
このマップは、政府が提供するリアルタイムのマスク在庫情報をもとに、アプリを通じて市民に公開された。
オープンな情報共有の仕組みは、タンの「みんなの問題をみんなで解決する」という理念の実践である。
⇒ オープンガバメントの成功例として世界的に注目された。
オープンガバメント:政府を市民に開かれたものとして、透明性や国民参加、官民連携を推進する取り組み。「開かれた政府」とも。
①政府が情報をオープンにして、②問題に関心を持つみんなが解決のために動く。そして、「3つのF」を駆使する。
「開かれた政府」は情報とデータを公開するだけではありません。その内容に対する意見を国民にたずねて、国民全員に政策に参加してもらいます。
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
ネットは便利なものである一方で、時に人や会社に牙をむくものだ。
目指すべきは「中傷」ではなく、「おおまかな合意」である。
まとめ
⇒ ネットには速さ(Fast)、公平さ(Fair)、そしてユーモア(Fun)で立ち向かう。
不遇な環境にあっても世を恨まず、社会をいい方向に変えようとするタンの姿勢に、学ぶべきものは多い。🤔
「どうせ今日が過ぎても、明日はあるとは限らない。だから、今日をだいじに生きる」
石崎洋司著『「オードリー・タン」の誕生 だれも取り残さない台湾の天才IT相』
知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。
是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!
見ていただきありがとうございました!😆