• 投稿日:2025/02/22
  • 更新日:2025/10/01
デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』が切り拓く未来:変化を力に変える方法

デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』が切り拓く未来:変化を力に変える方法

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シロマサル@本の要約:ほぼ土曜日週1投稿

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要約
変化の激しい現代において、企業が成長を続けるためには、環境の変化を「感知する」「捕捉する」「変革する」という3つの能力が必要だ。ダイナミック・ケイパビリティ理論はこれを実現するための具体的な方法を示す。本書では、富士フイルムの成功事例を通じて、新たな強みを生み出すプロセスを解説。

初めまして!シロマサルです。

知ることで、人生はもっと楽しくなる!

今回はデビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』2013年発行をつまみ食いします。まさに超、超、要約。おもしろいので興味があれば読んでみましょう。


著者:デビッド·J·ティースDavid_Teece_Headshot.jpg出典:Wikipedia

ニュージーランド出身の経営学者。専攻は経営戦略誰、イノベーション論、知財戦珞など。カリフォルニア大学バークレー校ハース·ビジネススクール教授。グローバル·ビジネス分野における経学管理論を担当。同校のビジネス·イノベーション研究所のディレクターを務める。企業の理論、戦略経営、技術変化の経済学、知識経営、技術移転、反トラスト経済学およびイノベーションの大家として知られる。


00000.png✅ 環境変化を感知し、経営資源を見直すことが重要である。

✅ 強みを組み替えることで、新たな競争優位を生み出せる。

✅ 持続的な成長の鍵は変化への適応にある。


時代とともに、ビジネスパーソンに求められる強みは変わっている。

これは企業も変わらない。

必要なことは、常に「新しい強み」をつくり続けることが求められている。


0000000.png175-1.pngマイケル・ポーター 著『競争優位の戦略』 1985年

競争優位とは、企業が競合他社と比較して市場で優位な立場を確立している状態を指す。

他社とは異なる「強み」と言い換えることもできる。

競争を優位にする3つの戦略は❶コストリーダーシップ戦略、❷差別化戦略、❸集中戦略としている。


264.pngスペンサー・ジョンソン著『チーズはどこへ消えた?』

「状況の変化にどう対応すべきか」が託された世界的なベストセラー。

1度手に入れたものに執着すると前に進めなくなる。

変化を恐れずに行動することが成功の鍵である。


しかしゼロから強みをつくる必要はない。

企業はすでに何らかの強みを持っていると語られる。00.pngダイナミックケイパビリティ:企業が環境の変化に柔軟に対応して自らを改革する能力

❶「感知する」
❷「捕捉する」
❸「変革する」

この3つの能力から成り立っている。

1990年代以降の日本経済の弱体化は、ダイナミック・ケイパビリティの弱さに起因する。

デビッド・J・ティース著『ダイナミック・ケイパビリティ戦略』


ダイナミック・ケイパビリティ戦略

0000.png写真フィルム市場はデジカメ普及で消滅したが、富士フイルムは危機を乗り越えた。


参考外部サイト:東洋経済オンライン

富士フイルムはなぜ、大改革に成功したのか


参考外部サイト:富士フイルム 公式サイト

変化し続ける企業、それが富士フイルム


❶感知する:変化の兆しを見逃さない

fcfad257-70b9-44f7-acb8-fc511be115a0.png環境の変化を素早く感知しよう。

2000年、成長が続く富士フイルムは写真フィルムで稼ぎ、絶好調だった。

しかしこの時、「写真フィルム市場は毎年減少が続き、市場の95%が消滅する。数年ももたない」という衝撃の調査結果が報告された。


市場は最初の2~3年で7~10%減、その後20~30%減とストーンと落ちた。それまでの写真フィルム関連は、全社の売り上げの6割、利益の3分の2を占めるコア事業。いろいろとシミュレーションしたが、これでは早晩会社が行き詰まることは明らかだった。

富士フイルムはなぜ、大改革に成功したのか


成功するためには、変化にすばやく気づき、適応する能力が求められる。

特に現代のビジネス環境では、このスキルが重要だ。

0.png⇒ チャンスも危機も先読みが重要。

富士フイルムは市場の激減を察知し、迅速に行動を起こしたことで変革を始めるきっかけをつかんだ。


❷捕捉する:強みを再発見する

f60a16d2-d04e-495c-b438-31f43c91e7bc.png既存の経営資源を活用しよう。

変化をチャンスにするため、既存の経営資源を組み合わせ再利用する。


実は世界でカラー写真フィルムをつくれるのは数社だけだった。

微細粒子を扱うナノテクノロジーなどの高度な技術が必須だった。

そこで自社が持つ十数個のコア技術を洗い出し、これらを組み合わせて新規事業を立ち上げることにした。

0.png⇒ あるものを最大限に活かす。

富士フイルムは写真フィルムの製造で培ったナノテクノロジーを、新規事業に活用した。


❸変革する:新しい強みを生む

9f11fee5-e22f-40eb-b66b-008e57f648e0.png強みを組み直し、新たな競争優位を築こう。

富士フイルムは、写真フィルムで培ったコア技術を活かし、新規事業を立ち上げた。


写真フィルムをつくるために必要なコラーゲンは肌の張りに必須。

写真の色あせを防ぐ抗酸化技術は肌の老化防止に役立つ。

参考外部サイト:富士フイルム 公式サイト CM・広告動画

CMも「お正月を写そう」から変化しているのがよくわかる。

0.png⇒ 分野を絞り、基本に忠実。そして変化こそ成長の糧。


化粧品や高機能材料事業など、写真フィルムの技術を他分野に展開したことで成長を遂げた。

0000000.png271.pngトム・ピーターズ/ロバート・ウォータマン著「エクセレント・カンパニー」

エクセレント・カンパニーの特性である1つ。

❻基軸から離れない経営といってよい。

どんな形であれ「基本に戻る」という動きは、私たちが検討した超優良企業の研究によれば、実際”朗報”なのである。

トム・ピーターズ/ロバート・ウォータマン著「エクセレント・カンパニー」

まさに「分からないことには手を出さない。」


まとめ

リベシティ用サムネ (10).png✅ 環境変化を感知し、経営資源を見直すことが重要である。

✅ 強みを組み替えることで、新たな競争優位を生み出せる。

✅ 持続的な成長の鍵は変化への適応にある。


⇒ 「変化は最大のチャンスである」


知識や見聞は、いずれ力になってくれると教えてくれます。

是非、皆様のより良い人生の選択肢が増えますように!

見ていただきありがとうございました!😆

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