- 投稿日:2024/12/20
- 更新日:2026/01/21
サラリーマンからいちご農家になり、生計を立てる方法② 個選いちご農家になる方法
一つ目の記事でざっくり解説した、個選としてのいちご農家になる方法について、実際に僕の農園が開業した際の手順に沿って解説していきます!
また、いちご狩り農園として開業する際の危なすぎる落とし穴についても触れます。
ざっくりまとめると、以下の手順で進みます。
1.研修を行う
2.土地を借りる(買う)
3.お金を借りる
4.ビニールハウスを建てる
5.栽培をする
6.集客・販売を行う
実際には、1〜4の工程はほぼ同時進行になります。また、施設を人から借りて開業する方法もあります。そちらについては需要があれば別記事で解説します。
1. 研修を行う

まずは研修です。
国から補助金を受け取るかどうかで、研修期間の要件が異なります。
※補助金を受け取るには、一般的に認定農家の元で2年間の研修を受けた証明が必要です。研修期間が短縮される特例などもありますが、詳細は各市町村の普及員に確認してください。
現在の物価を考慮すると、土地やハウスの費用を含めて開業資金として5,000万円程度は必要だと思います。僕が知っている農家は基本的に融資を受けて資金を用意しています。
補助金を受け取ることには資金的なメリットもありますが、何も知らない状態で栽培を始めるのは大きなリスクです。そのため、研修を受けることを強くお勧めします。
研修先を選ぶ際には、以下の条件で候補を絞り込むと良いでしょう。
・認定を受けている農家であること
・繁盛しているか
・味や品質が良いか
・親身なオーナーか
・通える範囲にあるか
・ハウス内が整っているか(※これは個人的な意見です笑)
さらに注意点として、研修生を受け入れる農家には賃金支払いの義務がありません。その代わり、国からの補助金を受け取る仕組みがあります。
研修先の農家がこの補助金を受け取る対象として認可されているかどうかを事前に確認しておきましょう。
研修先を探す際には、メールや電話で問い合わせてみると意外と快諾してもらえることがあります。
ただし、ご自身の開業予定地が研修先と近い場合、競合を懸念されて断られることもあるので注意が必要です。
2. 土地を借りる(買う)

次に、開業場所となる土地を選び、借りる段取りを進めます。
土地選びの優先順位は以下の通りです。
・家から近い(理想は徒歩圏内)
・平らで、近隣の雨水が溜まらない場所である
・十分な広さがある(1.5〜2反程度が目安)
・井戸や農業用水の確保が可能できるか
・大通りや駅、インターチェンジに近い
雨水が溜まりやすい土地は、ハウスが水浸しになるリスクが高いので注意してください。
地盤を上げることもできますが、数百万円の追加費用が必要になります。
広さについては、まずは1世帯で1.5反(約1,500㎡)程度を目安にしましょう。規模拡大などを考えている場合は、拡大余地のある場所を選びましょう。
1反あたりの売上は多くて1,000万円程度、一般水準は700〜800万円ほどです。
また、駐車場や受付スペースも考慮して選びましょう。
土地が決まったら、市役所の窓口や地元の方などへ相談して地主さんを探し、直接交渉します。
農地の所有者は、すでに他の生産者(大体がお米の農家さん)に土地を貸している場合が多いです。
その場合は年間のレンタル料として固定資産税分程度の費用を受け取っている場合がほとんどです。その2〜3倍の額を提示して交渉してみましょう。
※いずれ土地を返して欲しい、と言われてしまったりするととっても困るので、ある程度の余裕が出てきたら農地は買い取りましょう!農家以外の方は農地は手放したいと考えていることがほとんどですので、売ってもらえる場合が多いです。運次第ですが。笑
3. お金を借りる
手元に資産が1億円ほどある方は、この項目をスキップしてください。🤣
僕のような極貧農家は、融資を受ける必要があります。
融資が必要な主な項目は以下の通りです。
・ビニールハウスや付帯設備の建設費用
・土地の整地費用
・駐車場の整備費用
・直売所の用意に係る費用 などなど
農業融資は、一般的な事業融資に比べて利子が低いことが特徴です(例:開業後3年間無利子のものなど)。研修先や予定地の情報を揃え、農協や各金融機関の担当者に相談しましょう。
4. ビニールハウスを建てる
ハウス建設は、最も費用がかかる工程です。最低限の設備でも3,000〜4,000万円は必要です。
大学卒業後、ビニールハウス施工業者に就職して3年間修行してきたのでそこそこ専門の分野です。お勧めの施工業者や選ぶ際の注意点については、要望に応じて記事にしてみます。
共通して避けるべきなのは「海外業者」です。一見安く見えても、修理費や部材の取り寄せで想定外に多額の出費がかさむことがあります。
そして必ず「相見積もり」をしましょう。
最低3社に見積を取り、値段や仕様を綿密に話し合いながら価格交渉を行いましょう。
設備内容の擦り合わせ及び依頼から、着工までは1年以上かかります。それ以上に余裕を持って業者に依頼をかけて動くことが重要です。
・確実に建設をする必要がある
・大急ぎで建設をしたい
・相見積もりをしていない
・農業及び業界に無知
このような人はカモがネギを持って歩いているようなものです。
そうならないよう準備をしましょう笑
また、業者によっては栽培のサポートとして定期的に圃場に指導員が訪れ、栽培初心者へ向けた補助をサービスしてくれる業者も存在します。値段プラスαのサポート内容などもしっかりヒアリングして、後悔しないように業者を選びましょう!
5. 栽培をする
栽培は、①で学んだことを忠実に再現すれば、ある程度の成果は得られると思います。
農家やいちごの品種によって栽培方法が異なるため、3年目までは研修先と密に連絡を取り、注意深く取り組みましょう。
6. 集客・販売を行う
いちご狩りを行うにあたっての現在の有力な集客方法は、
・Googleマップへの掲載
→「いちご狩り」で検索して電話などがもらいやすい
・Instagramの運用
→若い世代へ向けて施設のPRをしたり、フォロワーへクーポンを出すなどするといいと思われる。Instagram広告も効果が見込める。
・地元の広報誌などに掲載してもらう。
→年配層などは地元の広報や新聞から情報を仕入れていることが多い傾向がある。手土産で苺をご利用いただくことが多い層でもある。
・近所に苺を配りながら、直接ご挨拶して回る
→僕の農園は1年目は地元の方、近隣の方へ、収穫した苺を持ってご挨拶に行きました。そこからリピートしてくださる方や、知人の方へ配ってくださる方などが増えて現在に至ります。ご近所の方とのお付き合いという観点でも大切にしたい側面です。10年以上が経った現在も開園前の挨拶回りは継続しています…
地域性にもよりますが、いちご狩りは現状需要の方が高い状態が続いています。
お客様が安心して食べることのできる美味しい苺を生産して、結果リピートなどに繋がれば徐々に販売できるいちごの量を増やすことができると思います!
7. まとめと注意すべき落とし穴
開業前に必ず確認してほしいことがあります。それは、開業予定の市町村でいちご狩り営業の許可が下りるかどうかです。
消防法や建設業法などの関係で、いちご狩りが規制されている地域もあるため、事前に自治体に確認してください。
数千万円の投資をした後に、いちご狩り農園としての開業ができない!なんてハプニングに見舞われないよう必ず各自治体に最初に確認をしておきましょう!
これで一通りの解説を終わりとしますが、部分的に詳しく解説して欲しい点などあればレビューなどで教えて下さい。
要望があれば、僕の知り得る限りの情報をまとめて記事の投稿をさせていただきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
これから農業を始める皆さん、一緒に頑張りましょう!🍓