- 投稿日:2025/02/11
- 更新日:2025/10/30
はじめに
前回記事では、以下について整理しました。
①60歳退職時に退職一時金と企業型DCを一時金として受け取る場合
②60歳退職時に退職一時金を受け取り、65歳時に企業型DC一時金を受け取る場合
※過去記事
退職一時金と企業型確定拠出年金(企業型DC)受取時の税金シミュレーション
この記事を投稿したあと、60歳退職時に退職一時金と企業型DCを一時金として受け取った後、企業型DCの一時金を特定口座でオルカンやS&P500などで資産運用した場合と前回記事②とを比較する必要があるのでは?という疑問が湧いてきました。
このような観点から、前回記事の補足を記しておきたいと思います。
③60歳退職時に退職一時金と企業型DCを一時金として受け取って、企業型DCの一時金を65歳まで資産運用した場合
前提条件を以下に整理します。
・入社年:1993年
・会社支給の退職一時金受取時の年齢:60歳(2029年)
・企業型DCの一時金受取時の年齢:60歳(2029年)
・会社支給の退職一時金:760万円
・企業型DC一時金:1450万円
・一時金の合計金額:2210万円
退職時の税金は前回記事でシミュレーションしましたので、割愛します。
所得税と住民税との合計は、7万円+15万円=22万円となりました。
企業型DCの一時金1450万円から税金を支払うとすると、比較しづらくなるので1450万円を一括して特定口座で資産運用するものとします。
運用時の利回りは、3%、4%、5%、6%を想定します。
前回記事②では、想定利回りを3%としていました。私が入っている企業型DCで投資できるファンドは、どれも手数料が高いです。いずれも0.2%を超えます!!
これを踏まえて控えめの利回りを想定していました。ここでは、特定口座でeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)ないしeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)に投資するものとして、想定利回りは、4%、5%、6%の場合も整理します。
特定口座で源泉徴収を選択した場合、運用益にかかる税金は所得税15.315%、住民税5%となります。よって、特定口座での運用益にはこれらの税金がかかることとして前回記事②と比較します。
※引用元
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/support/tax/specific/
◆想定利回り3%の場合
②60歳退職時に退職一時金を受け取り、65歳時に企業型DC一時金を受け取る場合では、60歳から65歳の想定利回りを3%としましたから、まずは特定口座で運用する場合の想定利回りを3%として算出してみます。
・企業型DC一時金:1450万円
・想定利回り:3%
・5年後の予想資産額:1681万円(運用益:231万円)
・税金:47万円(所得税15.315%、住民税5%)
となりますので、退職金受取時の税金22万円と特定口座の源泉徴収額47万円を考慮すると、手取額は1612万円と計算されます。
これに、会社支給の退職金760万円を含めると、合計2372万円となります。
前回記事②での手取り額2333万円よりも増えますね。
企業型DCで5年間運用し続けるよりも、特定口座で運用する方が手取り額は多くなりそうです。NISA口座ではもっと有利になります。
まとめ
特定口座での運用利回りを変化させて整理すると以下の表になります。
いずれの場合でも、60歳時点で受け取った企業型DCの一時金を特定口座で運用する方が手取り額は増えそうです。
前回記事の補足として整理しました。皆様方の参考になれば幸いです。