- 投稿日:2025/05/20
- 更新日:2025/09/30

はじめに:朝の“バトル”から、笑顔で始まる一日に
「起きなさーい!もう〇時よ!」
「…まだ眠い…行きたくない…」
こんな朝のやりとり、どこの家庭でも一度は経験があるのではないでしょうか。
小学生、そして幼児のいるご家庭では、“朝、起きる”こと自体が一つのハードルです。
しかし、怒ってもなかなか改善せず、むしろイライラが募るばかり……。
今回は、小学校教諭として16年間子どもと向き合い、3児の父としても試行錯誤してきた私が実践している「朝、楽しく起きられる工夫」をご紹介します。
「起きるのが苦手」というお子さんに、笑顔で寄り添えるヒントになればうれしいです。
1.カーテンを開けて自然光を取り込む
~「朝だよ」のサインは、まず“光”から~
人間の体は、光によって体内時計がリセットされます。
朝日を浴びることで「メラトニン(眠気のホルモン)」が抑制され、代わりに「セロトニン(覚醒ホルモン)」が分泌されていきます。
目覚ましの音でビクッとさせるよりも、優しく自然な覚醒につながるのがこの方法。
ポイントは、起こす10分~15分前にカーテンを開けておくこと。
可能であれば、レースカーテン越しに朝日が入るような工夫をしてみてください。
我が家の工夫:
カーテンを開ける音で目が覚めると、「起きなさい」の声がカーテンの音に変わっただけなので、そっと開けるのがポイントです。
何だか明るくなって心地いいなと思えるような自然な光が入るようそーーーーっと開けています。
2.マッサージをして、コミュニケーションをとりながら起こす
~「起きるよ」より「一緒に起きよう」~
頭や背中、手足などを軽くマッサージして「おはよう」のサインを送る方法です。
肌のふれあいは、子どもにとって安心感そのもの。
言葉での「起きて!」よりも、愛情のある“ふれあい”によって気持ちを切り替えやすくなります。
「おはよう〜今日も元気だね」「手あったかいね〜」など、やさしい言葉がけを添えるとさらに効果的です。
我が家の工夫:
マッサージ屋さんになりきって、足の裏をマッサージします。こそばゆくなく、痛くなくちょうどよい刺激がゆっくる起きる刺激になるようです。
「お客さん、このくらいの強さでどうですか?」「今日は何があるんですか?」など、お客さんとの会話を楽しむようにマッサージをすると、だんだんと楽しくなって、スッと起きれるようになりますよ。
3.一つ一つの動作を実況する
~「実況起こし」は、まるでゲーム実況!?~
これは我が家でも特によく使う方法です。
朝の一連の動きを実況スタイルで伝えることで、楽しく・テンポよく行動に移りやすくなります。
「おっと〇〇くん、まだ目を閉じている~!これはピンチだ~!」
「さあ、ゆっくりと右足が動いた~!これは起きるのか!?どうなんだ!?起きるのか~!」
というように、“実況風ナレーション”で盛り上げると、思わず笑ってしまって体が動くことも。
我が家の工夫:
3兄妹が小さい頃は同じベッドで寝ていたので、3人同時実況をしていました。「お兄ちゃんはふとんにくるまっている。その横でお姉ちゃんがもぞもぞと動き出したぞ。何と、末っ子が飛び上がった!」など、3人同時実況すると「私を見て」と言わんばかりに動きが活発になってきますよ。
4.おんぶ・かたぐるま起こし
~眠気よりも笑いが勝つ、スキンシップ起床法~
子どもがなかなか布団から出ないときは、「よーし、じゃあおんぶだ!」と背負ってしまうのも一つの手です。
布団の中でじっとしているだけでは目が覚めない子でも、おんぶや肩車で動かすことで、自然と目が覚めていくことがあります。
我が家の工夫:
ただおんぶや肩車をするのではなく、タクシーの運転手さんになりきって行います。「お客さん、今日はどちらまで?」「テーブルですか?トイレですか?え?キッチンですか?」と乗り物ごっこをしているつもりで会話がはずみ、目が覚めてきます。ポイントは、子どもの声を聞いて動く運転手さんになりきることですね。
5.横で筋トレをしてみる
~「え!?なにやってるの!?」で自然に目が覚める~
静かな朝の布団の中、隣でいきなりプランクやスクワットが始まったら…
子どもは「なにやってんの!?」と笑いながら起きてくるかもしれません。
この方法は、子どもが楽しんでくれるだけでなく、親自身の運動習慣にもなって一石二鳥。
我が家の工夫:
これは、自分の朝の習慣でもあるのですが、朝ウォーキングをしたあと、自重筋トレをします。いつもは、起こして筋トレをするのですが、ある時、子どもたちが寝ている横で始めると大ウケ。目を輝かせ、「ぼくたちも!」といっしょに腹筋やプランクを始めました。朝から子どもと一緒に爽やかな汗を流すので最高ですよ。
6.そもそも「早く寝る」が大前提
~朝の支度は、夜から始まっている~
これまでいくつかの工夫をご紹介しましたが、やはり基本は「早寝」に尽きます。
寝る時間が遅ければ、どんなに楽しく起こしても、子どもの体はまだ眠りたい状態。
「あと5分…」とぐずるのも自然なことです。
21時前後には布団に入れるように、夜の過ごし方も工夫していきましょう。
我が家の工夫:
夜の“ゆるやかクールダウン”を心がけています。お風呂後は部屋を暗めに、テンションを下げる遊び(絵本や積み木)を。特に絵本は寝るルーティーンに組み込まれていき、布団に自然に入っていきます。
寝る前に次の日の楽しみを話すと、翌朝の起き方も変わってきます。
おわりに:起こすことは「起こす」のではなく「迎える」こと
「朝起きない子を、どう起こすか」
それは実は、「どう寄り添うか」と同じ問いなのだと思います。
朝は一日のスタート。
起きることは大人でもしんどいものです。
だからこそ、子どもにとって“安心して起きられる空間”をつくってあげたい。
今回紹介した6つの方法は、どれも怒鳴ったり急かしたりせずに、子どもとの距離を近づける工夫です。
少しでも、朝が「笑顔の時間」になりますように。