- 投稿日:2025/06/01
- 更新日:2025/09/30

「いつになったら宿題をするんだ💢早くしたらいいのに!」
「明日の準備はまだじゃないか💢今、しないと!」
子どもと接していると、そう思うことはよくありますよね😌
しかし、断言します!
子どもを思い通りには動かせません!
大事なことなのでもう1回言います。
子どもを思い通りには動かせません!
子どもも一人の人間。自分の思うように動かすことはできないんですね。
一時的にはこちらの指示どおりに見えても、それは表面的なだけ。
子どもは自分の意思で動く存在です。無理に動かそうとしてもうまくいきません。
でも、それでも、「こうなってほしい」 「こうしてほしい」
という気持ちはありますよね。分かります。
子どもが「自分で動きたくなる道」をつくることはできるんです。
道を示し、照らし、選ばせること。それこそが、親や大人の役割です。
小学校教諭として16年間担任をしてきた経験と3人の我が子を育ててきた経験とで「これだ!」と思う
「子どもが自分で動き出す4つの関わり方」をお伝えします。
1.怒るのではなく尋ねる
子どもに何かしてほしい時、まずは尋ねます。尋ねてるけどな~と思ったそこのあなた!
「何でしないの!?」
「どういうことなの!?」
とか、言っていませんか?これは、尋ねるではなく、怒るですよね。
考えてみてください。大人にこれを言われたら萎縮しちゃいますよね。
僕も奥さんから言われたら、何も言えなくなっちゃいます。
そうなんです。怒りが入っているとそれは尋ねるではなく、尋問になってしまうんですね。では、何を尋ねるか?
それは、「時間」や「場所」です。
例えば、宿題の場面を例にとってみましょう。
親「どう?宿題終わった?」
子「まだ~(ゲームをしながら)」
親「なるほど。宿題はいつする?」
子「あとで~(ゲームに夢中)」
親「あとでね。何のあと?」
子「(何のあと?)え~~っと、このゲームが終わったら」
親「確かに。きりのいいところで終わったほうがいいもんね。いつごろ終わりそう?」
子「ん~~~◯時くらい?」
親「なるほど。◯時くらいね。リビングでする?自分の部屋でする?」
子「じゃあ、リビングでしようかな」
親「OK。◯時にリビングね😊」
このように「時間」と「場所」を決めてあげると、何がよいか。それは、「具体的になる」ということです。
何かを行う時、ぼやけていると、やる気も出ません。
具体的にして、解像度が上がってくると自分で決めることもできます。家の中では特に時間と場所が具体的にしやすいポイントですね。何をするか分からない時はやることを明確にしてあげるといいですよ。
2.客観視させる
自分の置かれている状況、大人でもなかなか気づきづらいですよね。
何なら目を背けたくなる時もあるでしょう。
子どもならなおさらです。
自分の状態を客観視することは、ひじょ~~~~~~に難しいです。
だからこそ、大人がちょっと手助けして客観的な視点をもたせてあげると、動き出していきますよ。
ここでのポイントは「事実」です。
例えば部屋の方づけの場面を例にとってみましょう。
親「どう?部屋の片付け終わった~?」
子「終わったよ~~。(ぐちゃぐちゃ)」
親「・・・・・なるほど、終わったんだね(呆然)この靴下はどうする?」
子「あ!まだ靴下があった。洗濯かごに入れるね」
親「ありがとう。ほかに床に落ちている物あるかなあ?」
子「あ!服もあった」
親「よく気づいたね🙆♂️この本はどうする?・・・・」
という感じです。こちらが視点を与えないと分からない・気づかないんです。“見るべきところ”を一緒に確認してあげると、子どもも気づきます。
「見たら分かるでしょ!」と思う人もいますが、分からないんです。
僕「冷蔵庫にチューブにんにく、あったよね~。どこいったんかな~(冷蔵庫の音ピーピー)」
奥さん「目の前にあるじゃない。ほら、これ!」
僕「(同じ物を見ていたはずなのに、なぜ・・・・・)」
大人だってこれですから。子どもにとっては難しいですよね。だからこそ、客観視させてあげる声掛けが重要です。
また、言葉だけではなく写真を撮って見せるのも効果的ですよ。自分の目で同じ物を見ているはずが、写真だと気づくんですよね~。
小学校でも、ぞうきんがけの写真を撮って見せると、きれいに揃えるようになるんですよ。
3.環境を整える
世は令和。
根性も大事ですが、根性論だけでは、厳しいです。
その根性を手助けしてあげる環境や仕組みが大事です。
動けないのは意志が弱いからではなく、環境が整っていないからかもしれません。
大人だって、学習のために図書館に行ったり、トレーニングのためにジムへ通ったりしますよね。子どもなら、なおさらです。
それは、そうですよね。子どもは周りの環境を見て育っているのですからね。
何か作業をする時、動いてほしい時はその環境を整えてあげましょう。
・宿題をしてほしい時にはテレビやスマホを消す(大人も)
・スポーツをしてほしい時には、そのスポーツに触れる機会を自然とつくっておく(雑誌を置く、道具を置く)
・家事を手伝ってほしい時には、子ども一人でできる作業量や道具を用意しておく
など、その子その子にあった環境を用意してあげると、自然と動きます🌱
小学校の教室でもそうです。
子どもたちが係活動などをする時、「画用紙」「折り紙」「マジック」「セロテープ」「ガムテープ」「クイズの本」などあれば、自然と子どもたちは自分で動きます。しかし、これらの材料、物が用意されていなければ、だらだらと時間を過ごしてしまします。
大人の声掛けよりも、環境が整ってさえいればという場面、結構多いですよ。やる気を引き出す環境づくり、意識してみてください。
4.目標を示す
始めたけれど、やる気がない。そんな場面もよく目にします。
仕事も同じですよね。
「なんのために今これをするのか」が見えていないと、やる気が出ません。
目指す先があれば、人はがんばれるんです。
例えば、自分の教室では、「漢字テストみんなで◯◯点とろう」と目標をたてています。
「自分の行動でクラスみんなのためになる」
「今の練習を続けることで目標点数に近づく」
そうした明確な目標をこちらが示してあげれば、子どもたちは自分で考えて行動します。
例えば家でもそうですね。
親「来週は、バスケットの大会だね」
子「新チームになっての初めての大会だから、頑張るよ!」
親「いいね。チームとしての目標は?」
子「そりゃ、やっぱり優勝だね!」
親「いいね。どんなことができたら、優勝できそう?」
子「やっぱり、ディフェンスかな。この前もディフェンスがよくて、勝ったもんな」
親「へー。どんなディフェンスができたの?」
子「自分たちで声を掛け合って、相手をフリーにさせないようにしたんだ」
親「声掛けが大事なんだね。じゃあ、次の試合は声掛けで結果が変わりそうだね😊」
子「そうなんだ。特にキャプテンだから、試合以外も声かけないとね」
と、いうように「目標」「やるべきこと」が見えてくるようになったらモチベーションが爆上がりですよ!
5.終わりに
子どもを思い通りには動かせません!
と、冒頭に書いたものの、どうですか?
今回紹介した4つの関わり方を意識するだけで、
子どもが“自分で考えて動く”場面は確実に増えていきます。
無理やり道を押しつけるのではなく、
「道を照らし、選ばせる」ことが、親にできる最大のサポートです。
そして、自分で動き出した子どもを、親が笑顔で見守る。
すると、親も楽になる。応援したくなる。
そんな良い循環が家族に生まれていきます。
子どもが“自分の足”で歩くために、今日から何か一つ、始めてみませんか?
あなたの関わり方ひとつで、子どもの未来が変わるかもしれません🌈
最強家族の第一歩は、ここから始まります。
道に押し出すのではなく、道を示して照らしてあげる。親は、主体的に動いた子どもを尊重してあげるだけです。