- 投稿日:2025/06/05

【はじめに】
しばらく記事の更新が滞っておりましたが、このたび無事に農地法第3条の許可申請が下り、ひと区切りついたことから、これまでの経緯を振り返りつつ、改めて整理してまとめていきたいと思います。
第1部:農地を守るために──合同会社設立と承継の壁
「親父の農業、これから先どうなるんだろうな」
社会人になってからも、私は月に一度、実家に帰る週末を続けていました。畑では、父がいつもと変わらぬ様子で果樹の手入れをしていました。寡黙で、表立って多くを語る人ではありませんが、その姿からは農業への深い愛情が滲み出ていました。
私自身も家庭を持ち、子どもが生まれ、将来のことを考えるようになると、両親のことも心にかかるようになりました。70代後半を迎えた父は、今でも元気に農業を楽しんでいますが、ふとした拍子に「このままの状態がずっと続くわけではない」という思いが浮かびました。
私は長男です。いずれは農業を継ぐ立場であることは、昔から重々承知していました。ただ、それは頭で分かっていただけで、現実には何一つ継ぐ準備はできていませんでした。父が一年を通じて何を育て、どんな作業をして、どのように収支を管理しているのか――驚くほど何も知らなかったのです。

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