- 投稿日:2025/06/09
- 更新日:2025/10/09

この記事はこんな方におすすめです
✅地方で人材採用に苦戦している方
✅採用にお金をかけられない小規模経営の方
✅ハローワークやIndeedを活用しきれていない方
✅プロに頼んでも成果が出なかった方
✅自社の魅力を言葉で伝えるのが苦手な方
はじめに
事業主の皆さん、採用活動って大変ですよね。リベでもジョブサーチサービスが始まって、価値観の合うよい人材との出会いが加速していると思いますが、地方の方など苦戦されている方も多いのでは?(学長ライブでも人口8万人の町での採用の相談がありましたね)
採用に20年以上かかわる私の経験が少しお役に立てるかもしれないと思い、記事を書いてみることにしました。私自身は東京で働いていますが、都会にも地方にも当てはまる話だと思います。
1. 背景 採用予算のない小さな会社です
私の働く会社は、東京に本社を構える創業30年以上の化粧品卸業です。 現在は社員3名。パートスタッフを含めても10人に満たない、小さな会社です。
もちろん、求人に使える予算はほとんどありません。
そんな中でも、この30年、これまでハローワークや自社サイトなど自力で求人活動を行い、長く働いてくれるスタッフに恵まれました。(私はネットで求人を始めた頃から担当になりました)
欠員ができたときのみの採用活動でしたが、少ない応募を採用につなげ、採用後は長く働いてもらえるように、心がけてきたせいか、定着率もかなり高い状態です。
まさかの新卒採用もできました
ほとんどが中途採用ですが、新卒採用にも2回成功。
ひとりは関西の大卒者。転居も伴うのに来てくれて感激しました。結婚出産を経て、旦那さんの仕事で転居するまで頑張ってくれました。
もうひとりは、専門卒でハローワーク経由で応募。しっかり育ってくれて10年間営業職で頑張ってくれました。
2.転機 地方リゾート地での人材探しが始まり苦戦
そんな感じで、東京での採用はおおむね順調だったんですが、10数年前とあるご縁から、地方のリゾート地にあるスパサロンへのセラピスト手配を任されることになりました。
東京とは全く違う地方求人の難しさ
ところがその地域には、その専門職がそもそもいないのです。
ハローワークに相談に行きましたが、そのエリアで同種の求人は出ていないし、探しに来る人もいないですよ。とのこと。
それなら未経験で募集しよう!としても、そもそも人口が少ない…。
東京とちがって地方の求人はこんなに大変なのかと愕然としました。
できることは全部やって何とか雇用を確保
それでも人を採用しないといけませんので、立ち上げのスタッフは新聞折込みチラシで最低限の人数を確保(全員未経験者)。
その後は地元のハローワークに何度も相談に行き、職場の雰囲気や仕事内容がわかる写真・文章で丁寧な求人票を自作して、担当者にアピール。
「興味持ってくれそうな求職者の方がいたら、これ渡してください」とお願いしました。
また、これまで同様、自社サイトで地道に発信。
そのころ、サロンのスタッフから
「最近はみんなIndeedで探すみたいですよ」
と聞き、Indeedにも求人出稿(予算がないので無料枠ですけど)
さらに、スタッフに知り合いを紹介してもらう作戦も使いました。これはかなり確実な採用方法でした。
そんな工夫を積み重ね、10年以上にわたりなんとか人材を確保してこれました。
3.求人のプロに任せたら応募ゼロだった話
2件目もまかせてもらうことになりました
1件目の成功に信頼を得て、数年前から2件目(別の地方)も任されることになりました。以前は別の会社が請け負っていたもののうまくいかず、スタッフがまとめて離職した状態での引継ぎでした。
はじめはこれまでと同じようにハローワーク、自社サイト、Indeedなどの無料枠で求人しました。少し応募もありましたが、数が足りません。
「さすがにこれ以上自力では難しいかも……」と思い、特別予算を獲得して、プロの業者さんに頼むことにしました。
はじめてプロの求人広告代理店に依頼
これまで求人の代理店に依頼したのは、「無料で載せますよ」というお試しのみだったので慎重に選びました。2社の相見積もりをとるため、ヒアリングもしっかりしてもらいました。1社はIndeed専門の会社。もう1社はSNS広告とIndeedを組み合わせます。という会社でした。Indeedだけより期待できそうと思って依頼し、半年の契約がスタートしました。
結果は──反響ゼロ…
2ヶ月くらいたったころ、全く反響がないのを心配して、業者さんが広告にテコ入れしてくれましたが、結局半年間1回も応募ありませんでした。
一方、私が自作して無料で出していた求人(自社サイト/ハローワーク/Indeed無料枠)には、ぽつぽつと継続して応募があり、結局はその半年で数名の採用ができました。
プロと私の違い
プロの出した広告と、私の出した広告は同じ職種を募集するものでしたが、 見せ方は違うものでした。
私の作ったそれまでの広告は全て見てもらいましたし、仕事の魅力 などの個別の ヒアリングも受けたので大丈夫だと思っていました。
そもそもプロに頼もうと思った理由が、自分とは違うものを出したら 応募があるかもしれないと思ったからでした。
プロが作ってきた原稿を見た時、色々違和感があったものの、これを私の意見で変えてしまったら 私が作るのと変わらないものになってしまう。私のエゴは捨てよう。と思ってそのまま掲載してもらいました。
今思えば その違和感は正しかったんだろうなと思います。
私の求人に対して、一番真剣なのは 私なのですから。
プロなら成果を出してくれると思っていました
もちろん、プロが悪いわけではないのでしょう。
たまたま、だったのかもしれません。
でも、同じIndeedに広告を出して、しかもあちらは有料枠、こちらは無料枠。こんなに結果が違うとは、正直驚きでした。
私なりに分析すると、地方の求人の場合、有料で検索結果の表示順位を上げる意味がないということなんでしょうね。
地方では、広告の量よりも質というか、こちらの思いをストレートに出して伝えるのが、そのリアルさが直接響くのだと感じています。
4. 小さな会社ができる求人の工夫(ノウハウ集)
プロにも勝った(笑えない…)わたしのやってきた工夫をまとめてみました。求人に苦戦している方の参考になったらうれしいです。
✅ ハローワークを味方につける
無料で求人を出せる公のサービス。しっかり利用しましょう。
・求人票はとにかく具体的に。
・求人票には絶対にウソを書かない!
・内容は定期的に見直しする。出しっぱなしにしない。
・ベテラン職員に添削してもらうと的確なアドバイスがもらえます。
ハロワの裏技(?)
・ハロワの求人票は地味なので、自作のカラフルな求人票を持参し、窓口で配布を依頼する
ハロワの職員さんに「この会社の求人紹介してあげたい」と思ってもらえたら、協力してもらえます。ハロワのおすすめ求人特集みたいな掲示物に入れてもらったこともありました。
✅ 無料求人サイトを使い倒す(特にIndeed)
・写真はとにかく1枚目勝負!(定期的に変えてABテスト)
・キャッチコピーは「未経験OK」「柔軟シフト」など応募のハードル下がる言葉を入れる
・「先輩スタッフの声」は信頼感を生む
・1日の流れなども具体的に
・研修の方法もわかりやすく正直に書く
・応募があったら即返信
✅ 自社サイトは社長のメッセージなど、熱く詳しく載せる
・写真や仕事内容、仕事のイメージをたっぷり載せる
・代表の想いや社風を伝える文章を添える
・SEOを意識してページ作り
「検索されて見つけられる」工夫(地域名+職種など)
※いまでは、地名+職種でGoogleトップ表示されています(というか競合がない地方なので)
5.おわりに 予算ゼロでも採用できます
私は、採用の専門家ではありません。
マーケティング業務の傍ら、必要に迫られて求人活動を続けてきただけです。でもこの20年、いくつもの求人を通して確信したことがあります。
それは、「伝え方次第で、人は動いてくれる」ということ。
これは私のメインの仕事「商品を売る」のと共通することでした。
嘘はつかないこと。
写真と言葉に思いを染み渡らせること。
採用できた人に「なにが決め手だったか」を聞いて改善を重ねること
どれも、お金はかからないけれど、手間と本気は必要な方法です。
私と同じように「いい人に来てほしいけど、予算がない」と悩む方へ。
やり方を変えるだけで変化があるかもですよ!
ジョブサーチも使って頑張っていきましょう。