- 投稿日:2025/06/12
- 更新日:2025/10/10

学長の
・お客様に「満足感」を感じてもらえる売り方
・お客様に「お得」だと思ってもらえる売り方
のお話しを聞いていて、思い出した出来事があります。
飲食店をされている方からしたら「そんなの当たり前」かもしれませんが、シェアさせてください。
大阪で昔から愛されている「街の洋食屋さん」の店主さんとお話をしていて、心に残ったエピソードです。
そのお店には、こんなランチメニューがありました。
Aランチ:ハンバーグ定食+ドリンク+ミニデザート
Bランチ:生姜焼き定食+ドリンク+ミニデザート
Cランチ:エビフライ定食+ドリンク+ミニデザート
どれも、洋食好きにはたまらないラインナップ。
ある日、いつものように「Aランチお願いしま〜す」と注文が入り、店主は笑顔で料理を出しました。
すると、お客様がミニデザートを指差して、こう言ったそうです。
「はぁ⁉︎ なにこの ちっさいのん!」
怒っているわけではなく、大阪ならではの“ツッコミ”といった感じ。
でも、その声にちょっと心がチクッとした、と店主は笑って話してくれました。
そしてその後も──
別のお客様が、
「こんなんやったらデザート付きって書かん方がマシやわ〜。無いのと一緒やん!笑」
と、またしても“愛あるクレーム”。
ミニデザートとは書いているものの、「ミニ」の文字はどこかに吹っ飛んで、
“デザート”という言葉だけに期待がふくらんでしまうらしいのです。
何人ものお客様に似たようなことを言われた店主は、とうとう決断しました。
「もう書くのやめたるわ!」
そう言って、ランチメニューから《+ミニデザート》の表記を外したのです。
ところが──
同じミニデザートをそのまま出しているのに、
今度はお客様からこんな言葉が返ってきました。
「えぇ⁉︎ デザート付けてくれるの?めっちゃありがとう!」
……驚きました。
ただ“書かない”だけで、印象が180度変わるなんて。
お金を払えば“足りない”と感じるけれど、サービスなら“嬉しい”と感じる、という事でしょうか。
メニューの内容は、何ひとつ変えていない。
でも、伝え方だけで「不満」から「感謝」へと、受け取り方が変わったのです。
言葉ひとつ、伝え方ひとつで、人の心はこうも変わる。
そのエピソードが、ずっと心に片隅に残っています。
たとえ小さくても、もらえると思っていなかったものには“嬉しさ”が宿ります。
買ったものは『これだけ?』と思うのに、不思議ですよね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。