- 投稿日:2025/06/21
- 更新日:2025/06/22

森の中の魔法使い
絵と文:Arissa Walkas
翻訳:ラッシー唐沢
誰もいない森の中で木が倒れたとき、音はするのだろうか?
深い深い森の中に
魔法使いが住んでいました。
魔法使いは一人でした。
なぜなら魔法でどんなことでも出来たからです。
空を飛んだり
石からご馳走を創りだしたり
湖の水からお月さまを創ったり
お月さまのかけらからお星様を創ったり
好きな夢をみたり
その夢を正夢にしたり
小鳥から聞いた話を
魚に伝えたり
ある日、魔法使いが世界のてっぺんで昼寝をしていると
ひとりの男の子が必死でがけをのぼっていました。
“なにをしているの?”
“お父さんの利かなくなった耳を治すための薬草を探しに来たの”
魔法使いはそんな薬草は見たことも聞いたこともありませんでした。
なぜならそんな薬草ははじめからなかったのです。
男の子の小さい目から涙がぽろぽろこぼれだしました。
魔法使いは男の子にお父さんの耳が治る夢をみせて
その夢を本当にしてあげました。

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