- 投稿日:2025/06/28
- 更新日:2025/11/08
本当に怖いのは“糖尿病”かもしれない
私自身が医療の現場にいて感じるのは、「がん・脳卒中・心疾患よりも、実は糖尿病のほうが怖い側面もある」ということです。
理由はシンプル。「気付いたときには手遅れ」になりやすく、一生つきあう病気だからです。
糖尿病は、健康もお金もむしばむ病気
① 気付かないうちに病気が進んでいる
糖尿病は初期ではほぼ自覚症状がありません。でも、血管や神経へのダメージは静かに進みます。
気づいたときには合併症(失明・腎不全・壊疽など)を起こしてしまっているケースも。
② 他の病気・合併症にかかりやすくなる
糖尿病は「血糖の異常」だけの病気じゃなく、全身の血管が傷つく病気。
結果的に、心筋梗塞・脳卒中・認知症・がんなどのリスクが一気に上がります。
また、感染症にかかりやすくなることも知られており、傷が治りにくくなったり、手術後の縫合不全(手術した部分がうまくふさがらない)を引き起こすケースもあります。
③ 食事・運動・薬の三本柱が必要不可欠
糖尿病は「ちょっと薬飲めば治る」というものではありません。
日々の自己管理が必要で、食事療法・運動療法・薬物療法を一生続ける覚悟が求められます。
ただし最近では、栄養バランスを工夫すれば“我慢ばかり”ではなく、楽しめる食事スタイルも増えてきました。
④ 治療費が高く、一生つきあう
インスリンや薬の費用だけでなく、定期的な通院・検査費用、自宅での血糖測定に使う穿刺針やセンサーなどの消耗品代もバカになりません。
しかも「治る」ことはなく、一生つきあっていく慢性疾患です。
⑤ 若いうちからでもなる。しかも誰でも。
がんは高齢になるほどリスクが上がりますが、糖尿病は生活習慣の乱れがあれば、20代・30代でも発症します。
しかも家族に糖尿病患者がいる人は、遺伝的にもなりやすい傾向があります。
「まだ若いから大丈夫」と思っていませんか?
たとえば、30代で発症したAさん。最初は健康診断で「血糖値が少し高め」と言われただけでした。
でも生活を変えないまま過ごしていたら、数年で**HbA1c(エイチビーエーワンシー)**が急上昇。
📝 【HbA1cとは?】…過去1〜2ヶ月の血糖の平均値を表す指標。血糖値よりも“長期的なコントロール状態”がわかるため、糖尿病の診断や経過観察でよく使われます。
目のかすみ・足のしびれといった症状が出始め、病院に行ったときには「糖尿病性神経障害」と診断されました。
そこからインスリン注射・食事の見直し・定期通院が始まりました。
「もっと早くちゃんと向き合えばよかった」と後悔する方は少なくありません。
まとめ
糖尿病は、「自分とは関係ない」と思っている人ほど、気づいたときに進行しています。
がん・心疾患・脳卒中と比べても、
静かに、確実に生活をむしばむ“生活習慣のサイレントキラー”とも言える存在です。
だからこそ、若いうちから「予防」や「早期発見」が命を守るカギになります。
健康診断の数値を「まだ大丈夫」と流さず、今からできる生活改善に一歩踏み出しましょう。