- 投稿日:2025/07/02
- 更新日:2025/09/29

ここ数年、「送り付け詐欺(押し付け商法)」と呼ばれる悪質な手口が全国で急増しています。まったく身に覚えのない商品が突然送りつけられ、代金を請求されたり、返送を求められたりする被害が報告されています。
「頼んでいないのに荷物が届いた…」
「返品しないと法的手続きに移行するという通知が…」
こうしたケースに対し、正しい知識を持っていないと冷静な対応が難しく、トラブルに巻き込まれてしまいます。今回はこの「送り付け詐欺」の手口と、具体的な対処法をわかりやすく解説していきます。
送り付け詐欺とは?
送り付け詐欺とは、注文していない商品を勝手に送り付け、その代金を請求する悪質な詐欺行為です。
■ 身に覚えのないサプリメントや健康食品が届く■ スマホアクセサリーや雑貨など、安価な商品が代引きで送られてくる
■ 「購入履歴がある」と虚偽の主張で代金支払いを求める
■ クレジットカード情報や個人情報を引き出そうとする通知が届く
なぜ詐欺師はこの手口を使うのか?
送り付け詐欺は、相手の「不安」や「常識的な対応」を逆手にとるのが特徴です。
「頼んだかもしれない」
「家族が買ったのかも」という混乱
「返品しなければならない」という思い込み
「少額だから支払ってしまおう」という妥協
これらの心理を巧みに利用して、詐欺師たちは“少額×多数”のスキームで利益を得ています。
実際に送り付け詐欺に遭った場合の対処法
1. 絶対に支払わない・連絡しない
商品が届いても、注文していない場合は支払いの義務は一切ありません。連絡をすると個人情報を伝えるリスクがあります。
2. 商品を開封しない・保管しておく
開封してしまうと、商品価値が下がったとして返金や返品トラブルに発展する恐れがあります。触れずに保管してください。
3. クーリングオフの対象外でも、消費者庁のガイドラインを確認
2021年7月以降、特定商取引法が改正され、注文していない商品については**「処分してよい」**とされています。
→ 消費者庁の公式サイトでも明記されています。
4. 心配なら最寄りのECサイトや消費生活センター、警察に相談
一人で判断がつかない場合は、Amazon、楽天などのECサイトに連絡する。Amazonだと全額返金してくれた事例もあります。
消費者ホットライン「188」に相談するのもおすすめです。
送り付け詐欺から身を守るために
・家族にも「注文してない商品には注意するように」と周知しておく
・代引きで届いた商品には慎重になる
・公式通販や信頼できるサイト以外で買わない
・自分の住所や名前をどこに登録しているか、把握しておく
・SNSやアンケートなどでむやみに個人情報を公開しない
送り付け詐欺は“誰でもターゲット”になり得る
送り付け詐欺は、インターネットの普及により、私たちの暮らしのすぐ隣まで忍び寄っています。
一見「単純なトラブル」に見えても、裏には巧妙な心理操作やスキームがあります。
大切なのは、“不安にならず冷静に行動すること”と、“正しい知識で身を守ること”。
被害を未然に防ぐ「守る力」を高めていただければと思います。