- 投稿日:2025/07/06
- 更新日:2025/09/29

個人にも無関係じゃない「法人狙いの口座乗っ取り」
近年、法人向けのネットバンキングを狙ったサイバー犯罪が急増しています。
2023年のネットバンキング不正送金被害額は年間で約87億円。中でも2024年秋以降は「法人口座」が標的になるケースが目立っており、わずか2時間で7,000万円が不正送金された事件も報告されています。
一見「法人向けの話だから自分には関係ない」と思われがちですが、その油断こそが危険です。今や中小企業はもちろん、個人事業主や副業口座もターゲットになり得ます。
実際に起きた口座乗っ取りの手口
被害に遭った法人では、以下のような手口が使われていました:
フィッシングメールで偽の銀行
↓
ログイン画面に誘導ログイン情報やワンタイムパスワードを入力させる
↓
攻撃者が即座にログインし、限度額内で複数回に分けて送金
↓
わずか2時間で約7,000万円が消失
この攻撃では、正規の銀行システムを経由しているため、気付いた時には「通常の送金」として処理され、補償が難しいケースもあります。
なぜ法人口座が狙われるのか?
取引金額が大きい
一度に数百万円〜数千万円を動かすことも多く、攻撃者にとっては高リターン。
担当者が複数いる
ログインIDやパスワードを複数人が管理するため、情報流出のリスクが高まる。
セキュリティが「人任せ」になりがち
特に中小企業では、IT担当がいない、外部に任せきりなど、対策が後回しにされがちです。
法人口座の不正送金が、個人にも関係する理由
副業・個人事業主が開設するビジネス用口座も「法人」扱いされるケースがある
フィッシングメールやSMS(スミッシング)は、個人法人を問わず無差別に送られる
犯人が狙うのは「口座」ではなく“セキュリティが緩い人”
今すぐできる防衛策
公式アプリやブックマークからログイン
メールやSMSのリンクを開かず、必ず正規手段でアクセス
不審なメールは開かない・リンクをクリックしない
一度でもログイン情報を入力すれば詐欺は成立します
ネットバンキングの利用履歴をこまめに確認
定期的の確認習慣が、被害の最小化につながります
企業だけの問題じゃない。あなたの「資産」を守るために
ネットバンキング詐欺は進化を続け、法人・個人の区別なく狙ってきます。
「うちは関係ない」ではなく、“うちも狙われる可能性がある”という視点で、情報収集と対策を怠らないことが今後ますます重要になります。
被害を防ぐ鍵は、油断しない心と、正しい知識です。
今この瞬間から、あなた自身の「守る力」を強化しましょう。