- 投稿日:2025/07/27
- 更新日:2025/10/08

「ECを運営しているけど、売上が伸びずに悩んでいる」
「ECを始めるから、集客方法を知りたい」
「何か新しい打ち手を探している」
この記事は上記のような悩みやニーズを抱えている方向けに、ECで集客施策、売上アップ施策、マーケティング手法などを一挙紹介します。
はじめまして、EC制作・運営サポート、ECライターをしているなかむーと申します。ストアオーナー様のお手伝いをする中で、ECを成功させるためのノウハウが溜まってきましたので、今回シェアしようと思いました。
実例画像も交えて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
お金をかけずに集客する
はじめに紹介するのは、お金をかけずに集客する方法です。直接的なお金はかかりませんが、各施策の実施には時間と労力がかかりますし、外部に委託する場合には、当然お金がかかります。とはいえ、広告よりも安価にできる場合が多いため、予算が少ない小規模事業者におすすめの方法です。
SEO
SEO(検索エンジン最適化)は、Googleなどの検索結果で自社ECサイトを上位に表示させるための取り組みです。具体的には、商品の特徴やお客様の悩みに応えるキーワードをページに含めたり、サイトの表示速度を改善したりすることで、検索からの自然な訪問(オーガニック流入)を増やせます。広告費をかけずに安定的な集客が見込めるため、EC運営において非常に重要な基礎施策です。
画像出典:Google
SNS運用
SNS運用は、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどのプラットフォームを通じて、ブランドの認知拡大やファンづくりを行う方法です。商品の魅力や使い方を写真・動画で発信することで、共感やシェアを生み出し、自然と集客につながります。
特に視覚的な商品(ファッション・雑貨など)との相性が良く、継続的な投稿とフォロワーとの対話が成果のカギとなります。
SEOと比較すると、SNS運用の方がECサイトと相性が良い場合が多いです。
画像出典:Instagram
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、お客様に役立つ情報(コラム、比較記事、使い方ガイドなど)を提供することで、自社の商品やブランドに興味を持ってもらう手法です。
たとえば「初心者向け!ランニングシューズの選び方」といった記事から集客し、ECサイトでの購入につなげるイメージです。
コンテンツには、ブログ記事、SNS投稿、YouTube動画などさまざまな形式があります。SEOやSNS運用とも相性がよく、時間をかけて集客力を育てていけるのが大きな特長です。
画像出典:OMG Press
ライブコマース
ライブコマースは、SNSや専用ツールを使ってライブ配信を行い、視聴者にリアルタイムで商品の魅力を伝える販売手法です。コメントを通じた質問や反応にすぐ答えられるため、商品理解や購入意欲が高まりやすいのが特長です。
配信はInstagramライブやTikTokライブなどを利用するケースが多く、インフルエンサーとの連携や自社スタッフによる発信など、柔軟な運用が可能です。画像出典:ユニクロ
お金をかけて集客する(広告)
続いて、お金をかけて集客をする広告手法です。広告には多数の媒体がありますが、個人のECオーナーができる範囲のものに限定します。
リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!!などの検索結果ページに表示されるテキスト広告です。ユーザーが入力したキーワードに連動して表示されるため、購入意欲の高いユーザーに対して効率的にアプローチできます。
たとえば「住宅 展示場」と検索した人に自社商品を表示できるため、即効性があり、費用対効果も見込みやすいのが特長です。
画像出典:Google
検索結果の上位に表示され、「スポンサー」とついているものがリスティング広告です。
SNS広告
SNS広告は、Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNS上に表示される広告です。画像や動画を使った視覚的な訴求ができるため、商品の魅力を直感的に伝えられます。
また、年齢や性別、興味関心などでターゲットを絞って配信できるため、自社の理想的な顧客層に効率よく届けられます。ブランディングと販売の両面で効果が期待できます。
画像出典:Instagram
リターゲティング広告/リマーケティング広告
リターゲティング広告およびリマーケティング広告は、一度サイトを訪れたユーザーに対して追いかけるように表示される広告です。たとえば商品ページを見たけれど購入せずに離脱したユーザーに、別のタイミングで広告を表示して再訪・購入を促します。
購入意欲の高い見込み客に絞って広告を出せるため、広告費を効率的に使いたいときに有効な手法です。
画像出典:YouTube
YouTubeはGoogleのサービスであるため、Google検索の結果と連動しています。Googleで訪れたサイトは、GoogleやYouTubeなどで繰り返し広告表示されます。
ショッピング広告
ショッピング広告は、検索結果に商品画像・価格・ショップ名などを表示できる広告フォーマットです。Googleショッピング広告が代表的で、「商品の比較検討をしているユーザー」に対して、視覚的かつ具体的な情報を直接伝えられるのが強みです。ECサイトとの商品データ連携(フィード)が必要ですが、運用次第で高い成果を上げることができます。
画像出典:Google
ECサイトに訪問した顧客の購買意欲を高める
ここからはECサイトに訪問した(集客できた後の)顧客に対して、購買意欲を高め、購入を促す手法です。
アップセル
アップセルは、より上位の商品や高価格帯のバージョンを提案して、1回あたりの購入金額を増やす手法です。たとえば、iPhone16を見に来た顧客に、より高価格の上位モデル「iPhone16 Pro」を紹介するイメージです。
顧客のニーズと合致すれば、顧客の満足度と売上の両方を高めることができます。高単価商品を自然にすすめる設計がポイントです。
クロスセル
クロスセルは、現在検討している商品に関連する別の商品を提案する方法です。例えば、iPhone16を購入しようとする顧客に、iPhoneケースや充電ケーブルをセットで紹介することで、顧客の利便性を高めながら購買単価の向上を狙えます。
「この商品を買った人はこんな商品も見ています」といった表示がよく使われます。
画像出典:Amazon
バンドル販売
バンドル販売は、複数の商品やサービスをまとめ、割引価格で提供する販売手法です。よくセット販売と同義として紹介されますが、厳密には異なります。セット販売は中身が固定化されていますが、バンドル販売には選択の柔軟性があります。
・セット販売の例…梅おにぎりとお茶のセットで300円
・バンドル販売の例…いずれかのおにぎりとお茶を購入すると50円引き
顧客にとっては同時購入のお得感がメリットであり、ストア側は在庫処分や在庫回転率向上が期待できます。
画像出典:ビックカメラ
ボリュームディスカウント(まとめ買い割引)
ボリュームディスカウントは、「2点以上で10%オフ」といった、まとめて購入した場合に割引を適用する施策です。顧客の購入数を自然に増やせるため、客単価の向上につながります。
リピート性の高い商品や、複数使うことが多い商品に特に効果的です。
画像出典:ユニクロ
送料無料ライン設計
「5,000円以上で送料無料」といった送料無料の金額設定は、購入単価を上げるための定番施策です。設定金額は、自社の平均注文額よりやや高めにすることで「あと1点追加すれば送料無料になる」といった行動を促しやすくなります。送料負担とのバランスを見ながら調整しましょう。
商品レコメンド
商品レコメンドは、閲覧履歴や人気商品などをもとに、顧客に合った商品を自動的に表示する仕組みです。たとえば「あなたにおすすめの商品」として、関心のありそうなアイテムを提示することで、回遊性や購買率が高まります。AIを活用した精度の高いレコメンド機能も増えています。
タイムセール(フラッシュセール)
タイムセールは、一定の期間だけ商品を割引価格で販売する施策です。短時間限定の訴求によって「今買わないと損するかも」という心理(希少性・緊急性)を刺激し、購買意欲を引き出します。特に新規ユーザーや再訪ユーザーに対して効果的で、販売促進のタイミングに応じて活用できます。
Amazonや楽天市場などのECモールで行われるイメージが強いですが、自社ECで行うショップもあります。画像出典:GLADD
リピートを増やすしくみを作る(顧客との関係づくり)
一度購入してくれたお客様との関係を深めリピーターにすることは、ECビジネスの安定した成長につながります。リピート購入を促すためには、適切なタイミングでの情報提供や、お得感のある仕組みづくりが欠かせません。ここでは、顧客とのつながりを維持・強化し、継続的な購入につなげる主な施策をご紹介します。
メルマガ配信
メルマガ配信は、購入後のフォローメールやキャンペーン案内を通じて、お客様と継続的に接点を持つための基本的な手法です。新商品やセール情報を知らせたり、購入履歴に合わせたおすすめ商品を紹介したりすることで、再訪・再購入のきっかけを作れます。
件名や配信タイミングに工夫を加えることで、開封率やクリック率の改善も期待できます。
LINE配信
LINE配信は、日常的に使われているLINEを活用して情報を届ける方法です。通知がリアルタイムで届きやすく、開封率が高いのが特長です。クーポンの配布や再入荷のお知らせ、リッチメッセージ(画像+リンク)の活用などで、自然な形で顧客との関係を深められます。メールより気軽に見てもらえる点が、EC運営においても強みです。
クーポン発行
クーポンは、期間限定の割引や特典を提供することで再購入を促す施策です。たとえば「初回購入ありがとう10%オフクーポン」や「2回目のご購入で送料無料」などのように、条件やタイミングを工夫することで継続率を高めることができます。
配布方法は、メール・LINE・同梱チラシなど複数の手段を組み合わせると効果的です。
画像出典:楽天市場
ポイントプログラム
ポイントプログラムは、購入金額に応じてポイントを付与し、次回の買い物で使用できるようにする仕組みです。楽天ポイントやAmazonポイントなどのモール系が有名ですが、自社ECにも導入可能です。
ポイントが貯まる楽しさや「また使いたい」という動機づけになり、リピート率の向上に効果があります。付与率や有効期限の設計次第で、利益とのバランスを取りながら運用できる点もメリットです。
画像出典:マツキヨココカラ
会員ランク
会員ランク制度は、購入回数や金額に応じてランクを設定し、ランクごとに特典を用意する施策です。上位ランクになると割引率が高くなったり、限定商品の案内が届いたりすることで、お客様に「特別扱い」されていると感じてもらえます。
ロイヤル顧客の定着化に役立ち、LTV(顧客生涯価値)を高める施策としても有効です。ポイントプログラムとの親和性も高いです。画像出典:アディダス
他者の力を借りる
ECサイトの集客や売上拡大は、自社だけの発信に頼らず、第三者の力を活用することで加速させることができます。ここでは、他者の協力を得て売上アップを目指したり、販路を広げたりする代表的な施策を紹介します。
商品レビュー
商品レビューは、実際に購入したお客様の声として、新規顧客の購入判断を後押しする重要な要素です。文章だけでなく、写真や動画付きのレビュー(UGC=ユーザー生成コンテンツ)を掲載することで、リアルな使用感や商品サイズの参考になります。
レビューを集めるためには、投稿特典を用意したり、購入後メールで案内するのが効果的です。
画像出典:楽天市場
リファラルマーケティング(お友達紹介)
リファラルマーケティングは、既存のお客様に友人・知人を紹介してもらう手法です。「紹介した人・された人の両方に1,000円割引」などの条件を設けることで、自然な拡散が期待できます。
広告費をかけずに信頼性の高い新規顧客を獲得できるため、特にファンの多いブランドやリピーターの多い商材と相性が良い施策です。
画像出典:FANCL
アフィリエイト
アフィリエイトは、ブロガーやメディア運営者などの第三者が自社商品を紹介し、その紹介経由で購入が発生した場合に報酬を支払う成果報酬型の広告手法です。自社での露出が難しいジャンルや検索キーワードにもリーチでき、費用対効果の高い集客手段として活用されています。
主にASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)を通じて導入するのが一般的ですが、自社アフィリエイトも可能です。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、SNSで多くのフォロワーを持つインフルエンサーに商品を紹介してもらう施策です。一般の広告よりも自然で親しみやすい投稿になるため、共感や購入意欲を引き出しやすいのが特長です。
ターゲット層に合ったインフルエンサーを選ぶことが成功のカギで、報酬形態は商品提供型や有償契約型など様々あります。
自社にあった施策を取り入れて、ECを成功させよう!
この記事では、ECを成功させるための集客手法や、顧客の購買意欲を高める手法、マーケティング施策などを多数取り上げました。
他にも様々な手法がありますが、まずは今回挙げた中から自社に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。
ただし、どの施策にもメリット・デメリットがあります。それらをよく確認した上で、「自社商品と合うかどうか」をよく検討してください。
今回の記事が役に立ったなら嬉しいです^^