• 投稿日:2025/08/05
  • 更新日:2025/10/01
50個の資料をワンクリックで要約・分析!NotebookLMで思考を加速

50個の資料をワンクリックで要約・分析!NotebookLMで思考を加速

はせがわ

はせがわ

この記事は約13分で読めます
要約
Googleの最新AI「NotebookLM」で、YouTube動画から「5つの力を育てる」チャットボットを作りませんか?専門知識は不要。あなたの資料だけを学習するAIが、情報整理や分析を強力にサポート。仕事と学習の生産性を劇的に変える方法を解説します。

AIは「嘘」をつく?その常識をNotebookLMが覆します

AIチャットは便利だけど、時々もっともらしい嘘をつくから仕事で使うのはまだ不安…この大量のPDFや社内資料、誰か代わりに全部読んで要約してくれないかな…好きなYouTubeチャンネルで勉強しているけど、過去の動画の内容を横断して質問できたら最高なのに…

AIの進化は目覚ましく、私たちの仕事や学習の強力な味方になりつつあります。しかしその一方で、上記のような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

一般的なAIチャットはインターネット上の膨大な情報を学習しているため、専門的な質問やクローズドな情報に関する質問には不正確だったり的外れな回答をしたりすることがあります。これが、いわゆるAIのハルシネーション(もっともらしい嘘)と呼ばれる現象です。

では、もしAIの知識をあなたが読ませた資料だけに限定できたらどうでしょうか?

社内マニュアルだけを完璧に記憶した新人研修ボット。あなたが集めた論文だけを分析してくれる研究アシスタント。お気に入りのオンライン講座の内容をすべてマスターしたパーソナル家庭教師。

そんなあなた専用の賢いノートが手に入るとしたら、仕事や学習の質は劇的に向上するはずです。今回ご紹介するGoogleのNotebookLMは、まさにその夢を実現するツールなのです。

NotebookLMは「検索ツール」ではない、あなたの知識を拡張する「思考パートナー」だ

前のセクションで挙げたような悩みを解決する鍵は、AIの知識源をインターネットという広大な海から、あなた専用の書斎へと移すことにあります。NotebookLMが画期的なのは、まさにこの点にあります。

このツールの本質は、単なるAIチャトや情報検索ツールではありません。その核心的な価値は、あなたが与えた資料(ソース)だけを知識源として思考する、パーソナライズされたAIであるという点に尽きます。

これを言い換えると、NotebookLMは一般的なAIのように何でも知っている博識な誰かではなく、あなたが読ませた資料の内容だけを完璧に理解した、あなたのためのアシスタントとして振る舞うのです。

この根本的な違いが、2つの大きな価値を生み出します。

絶対的な情報信頼性

知識源が限定されているため、AIがもっともらしい嘘をつくハルシネーションのリスクが劇的に低下します。ソースに書かれていることしか答えないため、あなたは常に情報の正確性を担保できます。

思考の深化と拡張

NotebookLMは、単に質問に答えるだけではありません。膨大な資料を読み込ませ、要約させ、異なる資料間の関連性を分析させることで、あなた一人では気づけなかった新しい視点やアイデアの発見を助けてくれます。

つまりNotebookLMは、情報を探してくるだけのツールから一歩進んで、あなたが持つ知識を多角的に分析し、再構築し、新たな価値を生み出すための思考の壁打ち相手であり、創造性を刺激する触媒なのです。

あなたの知識を「AIの脳」に変えるための具体的な手順

NotebookLMがどのようにしてあなたの思考パートナーになるのか、その具体的な操作方法をステップバイステップで見ていきましょう。

AIに何を学ばせるかを決める土台作り

すべての基本は、AIの知識源となるソース(情報源)を準備することから始まります。ここで何をインプットするかが、あなた専用AIの性能と個性を決定します。

ステップ1: ノートブックの作成
まず、NotebookLMにアクセスし、Googleアカウントでログインします。次に「+ ノートブックを新規作成」をクリックして、分析したいテーマやプロジェクトごとの器を作成しましょう。

NotebookLM: https://notebooklm.google.com/

ステップ2: ソースの追加
作成したノートブック内で「ソース」セクションの「+」アイコンをクリックし、AIに学習させたい情報源をアップロードします。Googleドライブ、PDF、テキストファイル、コピーしたテキスト、ウェブサイトのURLなど、様々な形式に対応しています。

ポイント: ここで追加するソースの質と量がチャットボットの性能を直接決定します。最大で50個のソースまで追加可能です。

AIとの壁打ちで思考を深める

土台となるソースを登録したら、いよいよAIとの対話を開始します。

画面下部の入力ボックスから、人間と話すように質問や指示を投げかけてみましょう。例えば「アップロードした資料の要点を3つにまとめて」「〇〇について、初心者にわかるように説明して」といった形で対話を開始します。

NotebookLMはソース内の情報だけに基づいて的確な回答を生成します。さらに、回答には必ず引用元となるソースの箇所が示されるため、情報の正しさを簡単に確認(ファクトチェック)できるのも大きな利点です。

Studioパネルで理解を促すコンテンツを作る

NotebookLMは、単に質問に答えるだけではありません。Studioパネルを使えば、登録したソースを基に、以下のような多様なコンテンツをワンクリックで生成できます。これにより、インプットした情報を様々な角度から可視化し、理解をさらに深めることが可能です。

音声解説
生成したテキストを自然な音声に変換する機能です。複雑な資料の要約を、移動中や作業中に耳で聞くオーディオブックのように活用できます。

動画解説
ソースの内容を基に、短い解説動画を生成します。

マインドマップ
登録したソース群の主要な概念や関係性を抽出し、構造化されたマインドマップとして視覚化します。情報の全体像を素早く把握するのに役立ちます。

レポート
目的に応じて、以下のような形式のレポートを自動で生成します。
・概要説明資料
・学習ガイド
・よくある質問
・タイムライン

メモ
AIとの対話で得られた重要な回答やひらめきは、この「メモ」機能で保存することが重要です。メモスペースでは、複数の回答をまとめたり、自分の考察を追記したりして、断片的な情報を体系的な知識へと育てることができます。

活用例
FAQリストの構築: AIに生成させた想定問答をメモにピン留めしていけば、オリジナルのFAQ集が完成します。アイデアの育成: ブレインストーミングで得られたひらめきをメモに集約し、新しい企画書やブログ記事の骨子を作成できます。

※注意! 2025年7月31日現在、生成される動画は英語のみです。日本語対応をお楽しみに。

NotebookLMを効率的に活用するためのテクニック

基本的な操作に加えて、いくつかのテクニックを駆使することで、NotebookLMをさらに強力なツールへと進化させることができます。

Chrome拡張機能「NotebookLM Web Importer」でソース登録を効率化

Webで情報収集を行う際に非常に便利なのが、公式のChrome拡張機能NotebookLM Web Importerです。

操作方法
Chromeウェブストアから拡張機能をインストールし、ソースとして追加したいWebページを開いた状態でNotebookLMのアイコンをクリックするだけです。これだけで、閲覧中のページが即座にソースとして追加されます。

活用例
最新のニュース記事や競合他社の分析レポートなど、鮮度が重要な情報を次々とソースに追加し、リアルタイムな情報分析を行う際に絶大な効果を発揮します。

NotebookLM Web Importer: https://chromewebstore.google.com/detail/notebooklm-web-importer/ijdefdijdmghafocfmmdojfghnpelnfn?hl=ja&utm_source=ext_sidebar

あらゆる動画を知識源に:限定公開コンテンツのソース登録

NotebookLMは公開されているYouTube動画のURLを直接ソースにできますが、社内研修などで使われる限定公開動画は直接読み込むことができません。しかし、以下の方法で動画の内容をテキスト化すれば、どんな動画でもソースとして活用できます。

方法1: YouTubeの文字起こし機能を使う
1. ソースにしたい動画をYouTubeで開きます。
2. 動画プレーヤーの下にある「...」(もっと見る)をクリックし、「文字起こしを表示」を選択します。
3. 画面右側に表示された文字起こしテキストを全てコピーします。
4. NotebookLMのソース追加画面で「テキストを貼り付け」を選び、コピーした内容を保存します。

方法2: 文字起こしがない場合 (外部アプリの活用)
YouTubeに文字起こし機能がない動画の場合は、「無限文字起こし」のような文字起こしアプリが役立ちます。
URL: https://hachike.site/
やり方:
1. アプリをPCにダウンロードし、起動します。
2. アプリで「録音開始」をクリックし、対象のYouTube動画を再生します。
3. 動画の再生が終わったら、アプリの録音を停止すると文字起こしが始まります。
4. 生成されたテキストをコピーし、方法1と同様の手順でNotebookLMにソースとして登録します。

この手順を踏むことで、本来はAIが読み込めない社内限定の研修動画や、オンラインサロンの会員限定コンテンツなども、あなた専用のチャットボットの貴重な知識源に変えることができます。

【活用事例】新人研修を効率化する「社内トレーナーボット」

ここからは、これまでに解説した機能を組み合わせることで、具体的にどのような価値を生み出せるのか、具体的な活用シナリオをご紹介します。

多くの企業では、新人や部署異動者からの定型的な質問への対応に、教育担当者の多くの時間が割かれています。また、質問する側も「こんな初歩的なことを聞いても良いのだろうか」と萎縮し、疑問を放置してしまうケースは少なくありません。

この多くの組織が抱える共通の課題を、NotebookLMは見事に解決します。

課題背景

新人からの定型的な質問に、教育担当者の時間が奪われてしまう。経費精算や社内ルールなど、覚えるべき情報が多岐にわたり、新人が混乱しがち。新人が「こんな初歩的なことを聞いても良いのか」と萎縮し、疑問を放置してしまう。

解決策:社内情報だけを学習した専用チャットボットの構築

ソース準備
就業規則、経費精算マニュアル(PDF)、社内システムの利用ガイド(Googleドキュメント)、業界用語集などをソースとして準備します。さらに、社内研修用に撮影された限定公開の動画も、先ほど紹介したテクニックでテキスト化し、ソースに加えましょう。

活用イメージ
新入社員はいつでもPCやスマートフォンから、このチャットボットに「出張時の経費精算の上限は?」「A社への提案で気をつけるべき点は?」といった具体的な質問を投げかけられます。AIは、登録された社内資料にのみ基づいて、正確な回答を即座に返してくれます。

期待できる効果
教育担当者の負担軽減: 定型業務をAIに任せ、より高度な指導や本来の業務に集中できます。学習の質の均一化: 教える担当者による知識のバラつきがなくなり、誰もが同じ水準の正しい情報を得られます。新人の自律学習の促進: 24時間いつでも気兼ねなく質問できる環境が、新人の心理的安全性を高め、能動的な学習を促します。

【実践】動画で学ぶ「5つの力」チャットボットを作ってみよう

それでは、実際にオリジナルチャットボットを作成してみましょう。ここでは、人気のYouTubeチャンネル「リベラルアーツ大学」のコンテンツを使い、「お金にまつわる5つの力」を体系的に学ぶためのパーソナル家庭教師ボットを構築します。

1. ソース準備:YouTubeのURLを登録する

まずはNotebookLMで「5つの力」という名前のノートブックを新規作成します。次に、学びたいテーマのYouTubeプレイリストから、動画のURLをいくつか選び、NotebookLMのソースとして直接追加します。

稼ぐ力: https://m.youtube.com/playlist?list=PLpwLNivKud-in1wtIJTbVgDvrFDNJFwpo
増やす力: https://m.youtube.com/playlist?list=PLpwLNivKud-iOTvsdRXy1hcbQSeAKxUuU
貯める力: https://m.youtube.com/playlist?list=PLpwLNivKud-jfHYqAOGhKM-pzIQh2fSdA
使う力: https://m.youtube.com/playlist?list=PLpwLNivKud-gITrm7Fsil7odutlOjXLIH
守る力: https://m.youtube.com/playlist?list=PLpwLNivKud-j7u8WKXmo-h0FsJ4IY3HBt

2. 対話してみる:AIに質問を投げかける

ソースを登録したら、早速チャットボットに質問してみましょう。まるで専門家と対話するように、様々な角度から問いを投げかけることができます。

質問例1 (要約):
「貯める力」の動画リストの中で、固定費を削減するための具体的な方法を5つ教えて。
質問例2 (横断分析):
「稼ぐ力」で収入を増やし、「増やす力」で資産を育てることの関連性について、複数の動画を基に説明して。
質問例3 (アクションプラン提案):
登録した動画全体の内容を基に、投資未経験の私がまず最初に取り組むべき行動を3ステップで提案して。

さらに、Studioパネルからマインドマップや音声解説、FAQリストを作成してみるのも良いでしょう。

このようにAIとの対話を通じて、長時間の動画を一つひとつ視聴せずとも、必要な知識を効率的に、そして深く学ぶことが可能になるのです。

まとめ: あなただけのAIアシスタントを育てるということ

本稿では、Googleの画期的なAIツール「NotebookLM」を使い、あなただけのオリジナルチャットボットを構築する方法とその具体的な活用シナリオを解説しました。

NotebookLMの核心的な価値は、インターネットの膨大な情報ではなく、あなたが与えた資料(ソース)だけを知識源とする点にあります。この仕組みにより、AIがもっともらしい嘘をつくハルシネーションのリスクを劇的に抑え、情報の正確性を担保できます。

新人研修のような業務効率化から、YouTubeコンテンツを利用した専門知識の学習など、その用途はあなたのアイデア次第で無限に広がります。Studioパネルの機能を組み合わせれば、単なるQ&Aツールに留まらず、コンテンツ作成やアイデア整理の強力なサポーターとなります。

重要なのは、NotebookLMを単に「答えを教えてくれる便利なツール」として受け身で使うのではありません。AIとの対話やコンテンツ生成を通じて、あなた自身の思考を深め、新たな視点を発見し、知識を体系化していく能動的なパートナーとして活用することです。

NotebookLMのようなパーソナライズAIは、私たちの学習や仕事、そして創造性を次のレベルへと引き上げてくれる強力な味方になるはずです。ぜひこのガイドを参考に、あなただけのオリジナルチャットボットを育ててみてください。

ブックマークに追加した記事は、ブックマーク一覧ページで確認することができます。
あとから読み返したい時に便利です。

はせがわ

投稿者情報

はせがわ

イルカ会員

この記事に、いいねを送ろう! 参考になった記事に、
気軽にいいねを送れるようになりました!
この記事のレビュー(2
  • 会員ID:2WtUQjPg
    会員ID:2WtUQjPg
    2025/09/20

    NotebookLMの使い方を知ることができ、「もっとAIを使って仕事も生活も便利にしよう」と思いました。 参考になる記事を書いてくださりありがとうございました!

    はせがわ

    投稿者

  • 会員ID:gjjn71B3
    会員ID:gjjn71B3
    2025/08/15

    参加になる情報をありがとうございます! 実践して仕事に生かしたいです😊✨

    はせがわ

    投稿者