- 投稿日:2025/08/22
- 更新日:2025/10/12

1. 増額スタートの現実
管理会社からの返信にこうありました。
「近年、維持管理コストの増加や周辺相場の上昇に伴い、オーナー様より家賃5,000円の増額をご提案いただいております。実際、同エリアでは平均3,000〜5,000円の増額で受け入れていただいております。」
……うん、想定内とはいえ、やっぱり厳しい。
「人気エリアでの家賃減額は難しい」——これは現実。
ただし、だからといってそのまま「5,000円UP」を飲む気にはなれません。
「増額は仕方ない。でも、総額で下げられる余地はないか?」
ここで再びチャッピー登場。
2. 交渉ロジックの整理(AIの強み発揮)
私の指示はシンプルでした。
今回、オーナーから家賃5,000円の増額提案がありました。ただ、私としては3,000円までに抑えたいです。また、更新料やサポート費も含めた総額で損益分岐点を考え、どの条件なら受け入れてもよいかを整理してください。その上で、管理会社に送るメール文面も作成してください。
チャッピーからは次のアドバイスが。
「家賃ゼロ交渉よりも“増額幅の抑制”が現実的」
「長期入居という安心感を強調」
「損益分岐点を出して、人間側が“ここまでは譲歩する”を決める」
「家賃・更新料・サポート費を分けて段階的に交渉する」
「メールは短く礼儀正しく、感情は控えめに」
なるほど。
火災保険をチェック
総額の調整にあたり、まずは火災保険を確認。
賃貸借契約上は、指定保険になっていなかったので、こちらで保険会社を指定できる。そのため、リベで見た損保ジャパン「スマート賃貸火災保険」をと比較しました。
重要事項説明書を突き合わせながら、補償内容と保険料を照合しました。
チャッピーと、さらにパプちゃん(Perplexity AI)にもダブルで依頼。
左:チャッピー、右:パプちゃん
結果は同じ。
「今の契約は十分妥当で、むしろ良心的」 という結論。
この時点で「保険はそのままでOK」と判断できました。
3. メールでの攻防戦
火災保険はそのままとなったので、総額を調整するにあたり、まずは「管理サポート費」。これは任意なので、解約しても問題なし。実は同じ管理会社の別物件では500円値上げされていたことを知っていたので削減候補。
当初、私は「サポート費と更新料をまとめて打診しよう」と思っていましたが、チャッピーの助言はこう。
「一気に交渉すると強すぎます。サポート費と更新料は分けて。まず1つずつ整理して、最後に“お願いベース”で更新料を聞きましょう。」
なるほど。たしかに。
サポート費の攻防
まずはサポート費について管理会社にメールしました。
今回の契約更新にあたり、管理サポート費について一点ご相談させていただければと思います。もし任意で外すことが可能でしたら、ご対応いただけますでしょうか。ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
管理会社からの回答は次のとおり。
管理サポート費は任意ではございますが、契約の一部として設定されておりますため、削除はできかねます。ただし◻︎◻︎様の物件は10年ご入居いただいておりますので、今回も据え置きとさせていただきます。」
残念。管理サポートは厳しそうなので、今度は更新料で攻めます。
更新料の攻防
損益分岐の
チャッピーが提示した「家賃・更新料・サポート費の組み合わせ」は次のとおり。
ぐぬぬ💦スタート時点の条件は、2年間の総負担額があまりに高くなる!
家賃と更新料のセットで管理会社にメールしました。
お世話になっております。◻︎◻︎です。今回の更新についてご相談です。オーナー様より家賃5,000円増額のご提案と伺いましたが、もし可能でしたら、増額幅を3,000円程度に抑えていただけないでしょうか。あわせて、更新料につきましても1ヶ月分ではなく、家賃の0.5ヶ月分にご調整いただければ、総額としては現状維持に近くなり、大変助かります。長期にわたり大切に住まわせていただいておりますので、何卒ご検討いただけますと幸いです。
管理会社からの回答は次のとおり。
いつもご入居ありがとうございます。オーナー様に確認したところ、家賃については増額幅を5,000円 → 1,000円に抑える方向でご了承いただきました。ただし、更新料につきましては従来どおり1ヶ月分でとのご回答でした。
つまり、家賃は大幅に譲歩を引き出せたけれど、更新料はNG。この結果、「総額削減」は実現できなかったけれど、「増額幅の圧縮」という形で成果を出せた という結末になりました。
最後のお願い → 更新料を「0.8ヶ月」にできないか?
家賃は+1,000円に抑えられたものの、更新料は1ヶ月据え置き。
この結果に、チャッピーはこう背中を押してきます。
更新は2年ごとにやってきます。今回ここで“更新料を少しでも削減できる”前例をつくっておけば、次回交渉の余地を広げられます。相手に負担をかけすぎないラインで、最後に「更新料0.8ヶ月」のお願いをしてみましょう。「1ヶ月ではなく0.8ヶ月なら」という条件なら、貸主側も飲みやすいかもしれません。
なるほど。「今回ダメでも、次回につながる一手になる」と思い、最後のメールを打つ決心をしました。
オーナー様に家賃増額を1,000円にご調整いただき、誠にありがとうございます。大変助かります。恐れ入りますが、最後にもう一点だけご相談させてください。更新料につきまして、1ヶ月分ではなく「家賃の0.8ヶ月分」でのご対応をご検討いただけないでしょうか。長期入居を前提に今後も大切に住まわせていただきたいと思っておりますので、ご配慮いただければ幸いです。
管理会社からの回答は次のとおり。
いつもありがとうございます。オーナー様に再度確認いたしましたが、更新料につきましては従来通り「1ヶ月分」でお願いしたいとのことです。恐れ入りますが、ご理解賜りますようお願いいたします。
→ 最後のお願いは残念ながら実らず。
ただ、「家賃増額を5,000円 → 1,000円に抑制」できたこと自体が大きな成果。さらに、チャッピーの言う通り「更新料交渉」というカードを切ったことで、今後の交渉の布石を打てた感覚があります。
4. 固定費と向き合った経験
こうして最終的に決まった条件は:
家賃:+1,000円
更新料:従来どおり1ヶ月
保険:現行維持(妥当)
サポート費:据え置き
つまり、「家賃増額は最小限」に抑えられたわけです。
人気エリア・東京23区という条件の中で、この結果は十分に健闘したかなと思います。そして何より大きな学びは、AIの力を借りることで、
「一度で勝ち切る」ではなく「次回に繋げる布石」という発想に切り替えられたこと。
「条件交渉は、誠実な相手と長く関係を続けるための知恵比べ」
そう思えるようになったのは、このやり取りのおかげでした。
次回予告
後編では、
チャッピーとパプちゃんの違い、複数AIを使い分けるメリット
をお届け予定です!