- 投稿日:2025/08/19
- 更新日:2025/10/01

1. インデックス投資の基本整理(オルカン vs S&P500)
フェスでは「オルカンとS&P500、どっちが正解ですか?」という質問が本当に多かったです。
私が初めて積立を始めたとき、最初はオルカンを選びました。理由は単純で「世界に広く分散していれば安心だろう」と思ったからです。ところが、しばらくしてS&P500を推す記事や動画を見ると「やっぱり米国一本の方が強いのでは?」と心が揺れてしまい、夜寝る前にネットで調べ続けることもありました。
実際の違いを整理するとこうです。
オルカン(全世界株式):世界中に分散できる。国ごとの盛衰を気にしなくてもいい。
S&P500(米国株式):米国の代表的500社。世界経済の中心に集中投資できる。
どちらも合理的です。だからこそ「どっちが正解?」と考えるより、自分がどちらに納得できるかが大事。
私は「まずは広く分散して安心したい」という気持ちを優先してオルカンにしました。結果的に「これでいい」と思える選択が、落ち着いて続けられるコツだったと今では感じています。
2. 積立金額はどう決める?――私の失敗と学び
「積立額は増やすべきですか?」はフェスで一番多かった質問でした。
ある30代の方が「毎月2万円積み立てています。でもSNSでもっと投資額を増やさないと老後に足りないと見て不安になって…」と相談してくれました。
私はその方に「無理して増やして夜眠れなくなるくらいなら、今のままで大丈夫」と答えました。
なぜなら、私自身が過去に積立額を増やしすぎて失敗した経験があるからです。
昇給のタイミングで積立額を一気に倍にしたのですが、ちょうどその後に株価が下落。評価額がマイナスに沈んでしまい、毎日のように証券口座を開いてはため息をついていました。夜も気になって眠れない日が続き、「投資って怖い」と一時期やめたくなったことさえあります。
そのとき気づいたのは、「精神的に耐えられる額こそが、その人にとっての適正額」だということです。
積立額を考えるときは、次の「3つの財布」が役立ちます。
生活防衛資金(生活費6〜12か月分)
近々使う予定のお金(教育費、車、旅行、冠婚葬祭など)
長期投資に回すお金(5年以上は使わない余剰資金)
この順番で整えていけば、安心して投資額を増やせます。
今の私は、給料が増えたときに「まずは防衛資金を確保→残りを投資額に上乗せ」という流れを習慣化しました。そのおかげで以前のように不安で眠れなくなることはなくなりました。
3. インデックスだけでいい?――配当金に惹かれた私の体験
学長が「まずはインデックス投資から」と繰り返し言っている理由は、シンプルで分かりやすく、初心者でも続けやすいからです。
でも、正直に言うと私も「配当金が欲しい!」と心が揺れた時期がありました。投資を始めて半年くらい経った頃です。
インデックス投資は資産が積み上がっていく実感はあるけど、日常生活に直接は反映されません。そんなときに高配当株の配当金を口座で見て、「おお、投資でお金が入ってきた!」とすごく嬉しかったんです。
ただ一方で、個別株の値動きにドキドキしてしまうのも事実でした。配当は魅力的ですが、下落したときの心の揺れが大きくて、「やっぱりインデックスを軸にした方がいい」と気づきました。
今の私は「コア・サテライト」という考え方で落ち着いています。
コア:インデックス(オルカン or S&P500)を積立の中心に。
サテライト:配当金が欲しい分だけ、日本の高配当株を少しと、米国生債券と米国社債を少し。
配当が嬉しい気持ちも理解しつつ、「本体はインデックス」で安心感を持って続けています。
4. 人によって正解が違う理由
フェスで話した中で印象的だったのは、同じ「S&P500に月3万円積立」でも、受け止め方が全然違ったことです。
20代独身の方:「20年、30年かけて増えていけばいいから下がっても平気!」と笑っていた。
30代子育て世帯:「教育費があるので、マイナスが出ると不安で夜眠れない」と話していた。
50代の方:「あと10年で退職だから、現金も確保しておきたい」と堅実に考えていた。
このとき強く感じたのは、「人によって投資の正解は違う」という当たり前の事実です。
同じ商品に同じ金額を投資していても、立場や性格によって「安心」にも「不安」にもなる。だからこそ、「他人の答えをそのまま真似る」のではなく、自分の環境と性格に合わせて考える必要があるんです。
5. 投資の目的を明確にしよう
私が投資を迷走していたとき、一番効果があったのは「投資の目的を紙に書き出す」ことでした。
老後資金を作りたい → インデックス投資中心でOK
今の生活を豊かにしたい → 高配当株を少し組み合わせる
教育資金や住宅購入を優先したい → 投資より現金比率を厚くする
これを書き出すだけで、「ああ、自分は老後資金を優先したいから、インデックスに集中すればいいんだ」と整理できました。
フェスでお話した方の中にも「配当が欲しいと思っていたけど、今は教育資金が大事だからやっぱりインデックスだけでいいかもしれない」と腑に落ちた方がいました。
6. ケーススタディ:タイプ別の考え方
Case A:20代独身
「多少の下落なら余裕です」と笑っていた方。こういう人はコアのインデックスだけで十分。むしろ趣味や自己投資にお金を使う方が将来的にはプラスかもしれません。
Case B:30代子育て世帯
「教育費が心配で…」という方は本当に多かったです。こういう場合はインデックスをベースにしつつ、近々使う資金は必ず別口座で確保することが安心につながります。
Case C:50代セミリタイア希望
「10年後には配当生活を」と話していた方。コアのインデックスを続けながら、少しずつ高配当株の比率を増やし、現金も厚めに持つ。これが現実的だと思いました。
7. まとめ:今日からできる一歩
最後に、今日からできる整理法をおすすめします。
防衛資金は何か月分あるか?
今の投資額を2割減らしても気持ちは楽か?
そのとき「心がラクになる」と感じたら、今の積立額は少し背伸びしているかもしれません。
逆に「別に変わらない」「むしろ物足りない」と感じたら、今の額は無理なく続けられる範囲です
投資の目的は「将来」か「今」か?
私はこれをノートに書き出したことで、迷わなくなりました。
おわりに
フェスで多くの方と話して一番感じたのは、「みんな同じように迷っている」ということです。
私も投資を始めた頃は、不安で証券口座を1日に何度も見てしまったり、増やすべきか減らすべきか悩んでいました。
だからこそ、「人によって正解は違う」という言葉を大切にしたいと思っています。
この記事が、読んでくださった方の“自分の答え”を見つけるヒントになれば嬉しいです。