- 投稿日:2025/08/26
- 更新日:2025/10/07

こんにちは、管理栄養士のそらです!
2017年に通信制大学院に入学し、子育て・2人目の出産・仕事復帰を経て、2020年に3年かけて無事終了しました!
社会人で大学院・・・正直めちゃくちゃ大変でした。でもその分すごく充実した時間で、やってよかったと心から思っています✨
この記事では、
なぜ社会人で大学院を目指したのか
志望動機や研究計画書の実例
入試勉強のリアルな勉強方法
など、私が実際にやったことをまとめました!
「通信制大学院、気になるけど大変そう…」と思ってる方の背中を押せたら嬉しいです💡
社会人で通信制大学院に行こうと思った理由
私が大学院に行こうと思ったきっかけは大きく2つ。
管理栄養士としてスキルアップしたい!もっと専門的に栄養学や教育を学びたい!
学会発表の機会が増えて、論文の書き方や研究の進め方をしっかり学びたい!
さらに、日本栄養士会が「病院の栄養部門の責任者は院卒が望ましい」と発表していたこともあり(どこでの話か忘れましたが・・・)、キャリアアップのためにも大学院に行こうと決意しました🔥
ただ、子育てと仕事があるから通学はムリ。そこで「通信制なら両立できるかも!」と思ったのが始まりでした。
行きたい大学院の見つけ方
最初は「どこに社会人向けの通信制大学院があるの!?」って感じでした😂
なので、
1、検索する
スタディサプリなどネットでひたすら検索して、自分のやりたい分野の学部を探し、研究内容をチェックしました。
次にその学部の中から、自分のやりたい研究に近い研究をしている教授を探します。(たいてい大学のホームページに書いてある)
ここで、自分のやりたい内容と同じような論文を書かれている先生がいらっしゃるところを選ぶと、自分のやりたい研究がスムーズにできる確率が高くなります。
また、自分が「骨と栄養の関係を研究したい」と思ったら、その分野で最先端の研究をしているような大学の学部を探すのがおすすめです!
2、担当の教授にメールして面談
面談の有無は大学によりますが、入試の案内を見ると、教授との事前の面談が必須になっている場合があります。
私も、入試を受ける前にメールでアポイントをとり、実際に教授に会いに行きました。面談では自分の研究したい内容を、教授が指導できるかどうかについて話しました。
(ちゃんと修了できるか、真面目にやってくれそうか、教授の指導できる範囲の研究かというのを見ている・・・らしいです)
ここが一番ドキドキしました…!教授がOKしてくれないと受験すらできない大学院もあるんです!
3、受験前に職場の許可をもらう
あと忘れちゃいけないのが「職場の許可」。
私の場合は上司→部長→副院長→院長まで書面で許可をもらいました。
「仕事に支障が出ません!」というのを強調しました!
入試の書類を準備
志望動機と研究計画書の提出が必要でしたが、これがなかなか曲者!
合格につながる志望理由の書き方と伝え方
実際に私が書いた社会人通信制大学院の志望動機と研究計画の実例です。学部によって全く違ってきますが少しでも参考になれば幸いです。
志望動機は「社会に役立つ研究がしたい」という思いを中心に書きました。
実際に書いた志望動機(原文)
私が貴学の通信制大学院を志望する理由は、食生活に関わる問題解決のための実践的な研究により、社会へ貢献したいと強く感じているためです。貴通信制大学院を修学することにより、家政学に対する広い視野や知識を得ることで、食生活領域に関してより高度で専門的かつ実践的な能力を身につけるのに最も適切であると考えた次第です。以上の理由から、貴学の通信制大学院を志望させていただきました。
私は現在、管理栄養士として精神科を主とする病院で5年間勤務しており、日常業務の中で患者様に対する栄養指導を行ってきました。勤務以来数年に渡り精神疾患をもつ患者様の食事や栄養に関する指導を行う中で、一般病院の患者様と比べ知的に理解度が低いこと、また家庭や生活環境が複雑で食事に意識を向けることが難しいこと、それに加え妄想や幻覚および幻聴により食生活の改善が難航しやすいことなど、精神科特有の様々な問題点が見えてきました。これまでに多くの患者様を担当してきましたが、食に関するガイドラインに沿った食事指導を実施するなかで、基礎的な知識だけではなく基礎を土台とした教育的手法を行う重要性を感じ、自身で試行錯誤し実践してきました。しかし、食や生活習慣の改善にまでは至らず繰り返し同様の指導を行う患者様も多く、自身の食教育の手法に関する知識や実践的能力の不足を痛感しました。
以上の経緯から、現在の自分には患者様に対して効果的な食教育を行う能力が不足していることを強く認識しました。そして、家政学を始めとする食生活や食教育について学習と経験を重ね、現状より幅広い家政学と、専門的な食教育に関する知識により、現場での実践能力を身につける必要があると感じておりました。
大学院での研究を行うに当たり仕事との両立が必要となるため、通信制で学ぶことのできる大学院を探していた折、家政学に関しての幅広い知識と、食生活や食教育について深く学ぶことができるのは、貴学の通信制大学院家政学部であるということを知りました。
入学説明会での〇〇専攻の〇〇教授との面談を経て、貴通信制大学院の食生活領域であれば、食教育について十分に学習でき、実践的かつ深い知識を身につけられると感じました。以上が貴専攻を志望させていただくに至った経緯です。
もし貴通信制大学院への入学が許可されましたら、現在の職場に在籍しながら貴学の先生方のご指導とご協力の元で、食教育が有効に機能しにくい精神疾患をもつ患者様たちに対してもきちんと効果の出る方法を模索したいと思います。またそれにより、同様の問題を持つ他の多くの方々にも、効果のある食生活指導や食教育によって健康増進に貢献できると思います。この重要な課題に熱心に取り組み、実のある研究成果につながるべく励みたいと思います。何卒よろしくお願いいたします。
初めてでも大丈夫!研究計画書の書き方とポイント
私は、管理栄養士として精神科病院で働いていましたが、現場で精神疾患を持つ患者さんへの栄養指導がうまくいかないことが多く「効果的な食教育を探りたい!」と考えました。
研究テーマはズバリ、
「肥満の精神科患者に効果的な栄養指導の探索」。
計画書には、対象者や方法、期待できる効果までしっかり書きました。
(正直、これを書くのが一番つらかったです…!毎晩子ども寝かしつけたあとにPCカタカタしてました😂)
👉 研究計画書は本当に時間がかかるので、早めの準備がおすすめです!!
実際に書いた研究計画書
1、研究テーマ
「肥満の精神科患者に効果的な栄養指導の探索」
2、研究の目的
近年、精神疾患により医療機関へかかる患者数は平成23年で320万人と、15年前の218万人と比べ大幅に増加している1)。
精神疾患の一種である統合失調症患者では、肥満率が58%と、一般成人の30.7%と比べ高く、糖尿病やメタボリックシンドロームへの罹患率も高いという報告がある2)。この背景には、統合失調症患者では生活能力が低くなり、自炊や食事コントロールをすることが難しいことから肥満に陥りやすいといわれている。また、うつなどの精神疾患があると将来肥満になるリスクが高くなるという報告もあり、運動不足や自己管理が難しくなることで肥満になりやすくなると考えられる3)。他にも精神疾患をもつ患者が肥満となる要因として、患者が使用する一部の抗精神薬の副作用で体重増加がみられることから、将来的に体重増加による肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を併発する可能性が高くなることが挙げられる4.5)。
このように、精神疾患をもつ患者では抗精神薬の影響による体重増加や、自己コントロールが難しいため肥満傾向に陥る患者が多く、食や生活習慣改善のための教育を検討するべきであることが言われている。しかし、その一方で精神疾患をもつ患者では理解度や認知度が一般人と比べ低く食生活の把握や食に関する教育が難しいこともあり、現状、精神疾患をもつ患者の肥満を予防、改善するための効果的な教育方法の報告は少ない。
よって、本研究は現代社会において特に問題視されている肥満に対し、精神疾患をもち肥満もしくは肥満傾向である患者を対象に効果的な食教育手法を模索することを目的とする。
先行研究として、日本国内における統合失調症患者に対し、生活習慣改善プログラム(Solutions for Wellness)を用いた介入調査報告は数例ある6.7)。しかし、本研究のように①精神疾患をもつ患者全般を対象としている研究は見当たらないこと②介入群、非介入群を用いての比較研究が少ないこと③食教育に特化した研究は見少ないこと④BMIや血液等の臨床結果の有意性が出ているものが少ないことから、本研究のような、精神疾患をもつ患者全般を対象に、介入群・非介入群を用いて有効な食教育方法をBMIや臨床結果の変化に焦点を当て研究を行う有用性はあると考える。
3、研究計画・方法
1)対象
当院を受診もしくは入院している患者で肥満の患者。
2)方法
同意を得られた患者を介入群と非介入群に分け、介入群では肥満予防・改善のための食事や運動、生活習慣についての講義を集団にて数回、継続的に実施する。
3)調査項目
調査項目としては、体重、BMI、生化学検査(中性脂肪、総コレステロール、HDLコレステロール、血糖値)、血圧、食事や運動、生活習慣についての自記式アンケート、食事内容の聞き取り等を予定している。
細かい食教育方法や調査項目の増減については、入学後に効果的で実施可能な内容を模索し決定する。また、本研究を実施するに当たり、共同研究の協力と患者データ使用について当院の理事長、院長の承認は得ている。
4、予想される効果・意義
この研究によって精神疾患をもつ患者における肥満予防・改善に効果的な食教育手法を実証することにより、同様の問題を持つ他の多くの患者にも効果的な食生活指導や食教育をすることが可能となり、健康増進に貢献できると考える。
5、先行研究・参考文献
1)平成23年患者調査,厚生労働省
2)秀野武彦、浅井邦彦、大久保善朗、融道男.慢性精神分裂病患者の肥満対策.精神科治療学,12,1423-9.1997.
3)Kivimäki M, Lawlor DA,et al. Common mental disorder and obesity: insight from four repeat measures over 19 years: prospective Whitehall II cohort study. BMJ.10(6);339,2009.
4)Allison,DB, Mentore JL,et al. Antipsychotic-induced weight gain; a comprehensive research synthesis. Am J Psychiatry. 156(11),1686-96,1999.
5)Newcomer,JW.;Second generation(atypical)antipsychotics and metabolic effects a comperehensive literature review.19(1),1-93,2005.
6)熊谷貴子,伊藤治幸,岩間孝暢,清水健史,手塚祐美子.統合失調症患者における認知行動療法を取り入れた生活習慣改善プログラムの介入研究,青森県立保健大学特別研究報告書,2014.
7)奥沢明代、前田優子他:統合失調症患者の体重増加に対する栄養と運動支援-Solutions for Wellness を用いた健康教育の実践,新薬と臨床,56(11);96-108,2007.
社会人でもできた!通信制大学院入試の勉強法
社会人とはいえ通信制大学院には入学試験があります。私の志望した通信制大学院の試験科目は英語と小論文3つ(選択2つと共通1つ)
また、英語は辞書を持ち込むことができました。
勉強法はシンプルにこれ!
✔️過去問を解きまくる(とにかく繰り返す)
大学によって傾向が違うので、過去問を解くことでどんな傾向があるか分かるようになります。
難易度は大学入試よりも専門的に突っ込んだ内容が多く難しかったです(私の頭では)。でも科目が少ないので、幅広くよりは専門性の高い内容に絞っての勉強でした。
過去問はHPに掲載されていたり、説明会などに行くと配布しているので必ず手に入れてください!!
ただし、著作権とかの関係で、オープンキャンパスや説明会などでしか過去問が見られない可能性も!
私の場合は過去問のページがずーーーと「準備中」表示で、さすがに試験も近いしおかしいと思って電話で問い合わせてみたら
「著作権の関係でホームページには載せられないので、大学まで来てくれたら過去問を見ることができます」とのことでした・・・
そう書いておいてくれ!!!!(心の叫び)
こういうこともあるので、分からなければ早めに問い合わせてみましょう!
✔️毎日小論文を1本書く
最初は用語の意味や定義を調べながら書いていました💦
私は大学では栄養学がメインでしたが、今回の通信制大学院では家政学専攻で自分が学んだことのない分野の問題ばかり。
未経験の学部だと勉強の範囲が幅広くなります!
✔️英語は辞書持ち込みOKだったので…ほぼ放置(笑)
英語は苦手で、何から手をつけていいのか分からず。今更単語覚えるにしても、わからなかったのでなるようになる!ということでほとんど勉強せずいきました。
幸い、第1子の産休に入って時間が取れたので毎日4〜5時間勉強できました。
試験当日
小論文は手応えアリ✨
でも英語は半分白紙…😱
単語調べている間に終わった笑
その後、面接があり志望動機などを聞かれ試験は終了。面接も緊張してしどろもどろだったので、これは落ちた・・・と思っていました。
その後、合格通知が届いたときは嬉しすぎて泣きました。
まとめ:社会人で通信制大学院に挑戦してよかった!
社会人で子育てもしながら大学院は正直しんどかったです。
でも、それ以上に学べたことが多く、人生の大きな財産になりました✨
「通信制大学院に行きたいけど迷ってる…」という方に少しでも参考になれば嬉しいです!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました💐
いいね、保存嬉しいです🎶