- 投稿日:2025/09/02
- 更新日:2025/10/07

管理栄養士をしていますが、
学会に興味はあるけど、実際に行ったことがないと「どんな雰囲気なの?」「専門的すぎてついていけないんじゃ…」と不安になりますよね。
どんな感じなのかをご紹介したいと思います。
学会ってどんな感じ?
私が参加した栄養改善学会は、発表者が大学関係の教授や生徒がほとんど。
そのため、公衆衛生的な内容や生理学など専門的で濃い内容が多く、解析や統計がしっかりとしており、勉強になります。
(ちなみに食事療法学会や精神科医学会は病院や施設などで実際に働いている方が発表者なので、身近な事例等もありこういうことを取り入れたらもっとよくなりそうという気付きがたくさんあります。)
事前準備
学会参加を申し込む
ホテルの予約は早めに!
学会会場近くのそこそこ安いホテルは予約がすぐいっぱいになるので!
発表や教育講演やシンポジウム、ランチョンセミナーなどもあり、要旨集が事前に届くので聞きたい発表は事前にチェックしておきます。
受付
着いたら受付を済ませます。
参加証として名札をもらって首から下げます。
託児もできる!
今回初の子連れ参加でしたが、栄養改善学会は学会では託児ができまする!!
これは本当にありがたい!学会参加中は見てもらうことができ1日で一律1000円でした。
ということで子どもを預けます。子供は10名くらいいました。
発表を聞く
いざ勉強へ!発表中は撮影禁止とのことで、要旨集へメモを取りつつ聞いてきます。
口頭発表とポスター発表があり、口頭発表の会場はこんな感じのところが何か所かあって同時進行で進んでいきます。
聞きたい発表の会場が違うとあちこち行かなければならないので大変です。今回は私も発表しましたが、質問にビクビクしながらも無事発表終了!一安心です。
ポスター発表の会場です。ポスターがずらっと並んでいます。
時間になるとポスターの前で発表者の方が発表します。
お弁当付きのランチョンセミナー
お昼にはお弁当付きのランチョンセミナーもあります。
券がないとお弁当もらえません。
配布開始から時間が経ってしまうと券がなくなってしまうこともあるため、行く場合は券を忘れずゲットしましょう!
お弁当は富山の美味しいものが詰まっており、さすがは栄養系の学会ということで栄養バランスも考えられています。美味しかったです。
ランチョンセミナーやシンポジウムなどの講演会場です。講演中は撮影禁止です。
企業の展示が楽しい
企業の展示ブースもあり、色々な企業がサンプルを配ったりしています。
クロークや書籍の販売スペース、休憩コーナーもあります。
お土産コーナーもちゃんとありました。
栄養改善学会の参加費は?
参加費は栄養改善学会の学会員であれば9000円、栄養士会会員であれば11000円、一般参加では15000円でした。学生は3000円でした!
普通に参加したらめっちゃ高いですが、職場によっては負担してくれるところもあるので、ぜひ聞いてみてください!
栄養改善学会で学んだ内容
今回の学会で学んだことにつてい書いていきたいと思います。
が、長いので興味がない方は飛ばしてください
臨床研究の重要性について
今回の学会では、臨床研究の重要性について、色々な立場の方から語られていました。
しかし、臨床研究や論文の大切さは分かりましたが、現場で働いている身からすると研究を論文にすることはハードルが高い!!
だって、研究の基本的なやり方がわからない、研究を始めてもこの進め方でいいのか分からない、データが揃っても統計の処理が分からない、基本的な論文の書き方が分からない等分からないことだらけです。
分からなくても、院卒や大学教授として働いていた方など指導者となる人がいれば色々聞くことができるのですが、そういう方がいないという職場も多いです。
これを解決するためには講演でも言っていたように、社会人大学院生としてやり方を学ぶか、大学などの研究機関と施設とが共同で臨床研究を行えるような提携関係を結べたら解決できそうです。
医療費削減で診療報酬も削減される可能性が出てきている中、臨床研究を行うことで栄養士・管理栄養士の地位向上や必要性を示していかなければならない局面にきているのかなと思いました。
臨床研究を行って論文を書くことを現場だけで完結しようとすると大変なので、もっと一般の職場でも臨床研究を行えて論文が書ける環境が整うと良いと思います。
そのためには施設の管理栄養士自身が意欲を持つことと、大学との提携環境が整い同様の研究をしたい大学と職場がマッチングができるようになることができれば解決できるかもしれません。
そうすれば管理栄養士・栄養士の全体的な質の向上にもつながりますね。
↓に今回の講演内容を簡単にまとめてみたので、ぜひ読んでみてください。
栄養学に恩恵を受けている我々にとって、研究により栄養学を進歩させることは、我々が果たすべき義務である。 研究=論文であり、先行研究の論文を多く読むことが重要となる。論文を読むことで、研究を効率よく進めることができる。 また、計画段階で研究ゴールをできるだけ明確にすること。予測できなければ先行研究の論文を読むか予備調査を行うべき。
竹内弘幸(富山短期大学食物栄養学科教授),会長講演「語り合おう!栄養学のこれからを」
社会保障精度を変更する際に根拠があるかどうかが重要となり、今後の方針としては「根拠に基づく政策立案」が掲げられている。 診療報酬や介護報酬の改訂を検討する際にも様々な調査研究が根拠となり、内容の改訂に繋がっている。逆に言えばどんなに期待される内容でも論文等の形で見える化されていければ制度へと反映されることはない。 さらに、この後の厳しい財務状況からも成果が小さい・見えないものについては廃止や縮小される可能性もある。 管理栄養士・栄養士の今後の活躍・躍進のためにも根拠となる政策研究の積み重ねが重要である
塩澤信良(厚生労働省健康局健康課栄養指導室 室長補佐),シンポジウム3「管理栄養士・栄養士の今後に向けた政策研究の重要性について」
平成28年の栄養指導料拡充では診療報酬改訂では7本の論文が根拠として示された。論文や大規模な統計のデータは診療報酬改訂の根拠として不可欠になりつつあることから、実践の場でも臨床研究を行い論文にすることが重要。
単に学会発表の内容を論文にするのではなく、臨床研究を実施する意義、実施に値するかつ医療政策立案に資する臨床研究の計画・実施、論文化するやり方、適切な指導者などをクリアする必要がある。
現場での問題を検証することが大事。「気づき(CQ)」を研究により「解決可能な形式(RQ)」に変換して研究を実施すること。 「嚥下障害の患者に調理指導を行うことで栄養状態の改善や肺炎発症が減る」など現場ではたくさんの気づきがあるはずだが、研究スキルの不足などから見過ごされている場合も多い。
また、実施に値する臨床研究を計画・実施することが重要。
嚥下調整食の調理指導や栄養指導はすでに多くの現場で実施されているが、診療報酬では評価されていないのは科学的根拠が乏しいためである。このような需要のあるテーマを研究し論分化することが大切。 単施設で特に補助も無い論文でも引用されている。
指導者の存在が重要であるが社会人ではなかなか指導者を見つけるのは難しいため社会人大学院などに入るなども解決策の1つ。また、大学で患者を対象として研究を行う機会が少ないなど、教育機関の問題もある。
もしくは大学の研究者と実務者が共同して研究を行っていくことで指導者の問題も解決される。
西岡心太(長崎リハビリテーション病院 栄養管理室 室賞),シンポジウム3「政策立案に資する臨床研究の実践と発信は臨床栄養士の責務である」
まとめ:学会は学びがいっぱい
学会では全国から管理栄養士の先生が参加されており、分野も様々で幼児から高齢者まで幅広く栄養に関する研究の発表がされており、色々なことを勉強することが出来ました。
視野を広げるためにも、どんどん学会や勉強会などに参加して積極的に学んでいくことが大切だと感じました。