- 投稿日:2025/09/05
- 更新日:2025/10/11
この記事は受験を題材にしていますが、かつて仕事のキャリアに悩んでいた自分自身に向けてのメッセージでもあります。
考え方の参考になれば幸いです。
「将来やりたいことがない」──実は珍しくない悩み
「将来の夢がない」「やりたいことが見つからない」「進路が決められない」
これは、多くの高校生・浪人生が抱える悩みです。
周囲を見渡せば、「医者になりたい」「○○大学に行って△△を学びたい」と目標を掲げて勉強している友達がいて、自分は焦ってしまう。
「将来のことも考えなさい」と大人に言われて、何も答えられず、なんだか責められている気がする。
そんな受験生の声を、私自身、受験指導の現場でたくさん聞いてきました。
でも、18歳・19歳の時点で「これが自分の天職だ!」とわかっている人のほうが圧倒的に少数派です。
無理に夢を探そうとしなくていい
よく「夢を持ちなさい」「将来を考えなさい」と言われるけど、
それが見つからないから悩んでいるのが今の受験生たちです。
夢は、無理やり持つものではありません。
そして、進路もひとつに絞らなくていいのです。
大切なのは「自分自身が納得できる選択をすること」。
人と比べて自分を肯定も否定もしなくていいです。
無理に“それっぽい理由”をつくる必要もありません。
「やりたくないこと」から進路を探す方法
私は、やりたいことが見つからずに悩んでいる受験生にはこう伝えています。
「やりたいことがわからないなら、“やりたくないこと”から考えてみよう」
たとえば、
●ずっと座りっぱなしの仕事はつらそう…
●黙々と自分ひとりで何かをしているのはつまらなさそう…
●人前に出るのは苦手かも…
マイナス思考の考え方にも見えますが、意外と「そうか!」という反応をしてくれる受験生も少なくありません。
こうした「避けたい未来」を書き出してみると、不思議とその反対側に「興味の芽」が見えてくることがあります。
「好き・得意」を否定しないで
多くの受験生は、自分の「好き」や「得意」を持っていても、
「この程度で夢にしていいのかな?」「誰かに笑われそう…」
と感じてしまいます。
でもそれは、他人と比べているからこそ出てくる感情です。
「人より優れているか」ではなく、
「自分がやっていて前向きになれるか」
それが進路選びの一番のヒントです。
大人が押しつけないためにできること
大人がついやってしまいがちなのが、「こういう道がいいよ」と進路を押しつけてしまうことです。
●○○は就職に強いから安心
●君には□□が向いてると思う
●△△はリスクが高いよ
こうした“善意のアドバイス”が、子どもにとってはプレッシャーになることもあります。
将来は誰にも予測できません。
だからこそ、「どんな選択でも応援するよ」と伝えることのほうが、
ずっと力になります。
未来は変わっていく。そのとき必要なのは柔軟性
今は変化の激しい時代です。
たとえ今決めた夢や進路が、5年後・10年後にそのまま続いているとは限りません。
だからこそ、
「そのとき自分が興味を持てるものに取り組める柔軟さ」 「変化に適応できる力」
が重要になっていきます。
夢は一つじゃなくていい。
進路も、途中で変わっていい。
どんな未来でも、自分で納得して選び直していける力を育てていってほしいと思います。
まとめ|焦らず、自分のペースで進路を探していい
「やりたいことがない」ことは、決して悪いことではありません。
むしろそこから、じっくり自分の興味や価値観を探す時間を持てるのは、大きなチャンスです。
●やりたくないことから探すのもアリ
●好きや得意を否定しない
●他人と比べない
●自分が納得できる選択をする
進路に悩む受験生が、自分のペースで前に進んでいけるよう、
大人たちはそっと寄り添い、応援していきたいですね。