- 投稿日:2025/09/10
- 更新日:2025/09/29

全体像:2025年上半期は「件数・被害額とも急拡大」
特殊詐欺(オレオレ型・架空料金請求・還付金・キャッシュカード詐欺盗などの総称)
認知件数:13,213件(前年比+47.5%)
被害総額:597.3億円(前年比+162.1%)
伸びを牽引:ニセ警察詐欺(オレオレ型の中核)=認知4,737件・被害389.3億円(特殊詐欺全体の被害額の約65%)
SNS型投資・ロマンス詐欺
認知件数:5,345件(前年比+4.6%)
被害総額:590.8億円(前年比-10.7%/なお依然として水準は高い)。
ポイント:被害額が特に跳ねているのはニセ警察詐欺。YouTube等で信用を演出→“緊急対応”を装いオンライン振込(インターネットバンキング:IB)や暗号資産へ誘導するケースが増え、1件当たりの被害額が大きくなっています。
月次トレンド:2025年7月は被害額が今年最大級
2025年7月単月
認知件数:2,370件(6月2,308件→+62件)
被害額:124.8億円(6月104.9億円→+19.9億円)
※警察庁「令和7年7月末の暫定値」月次推移グラフより(数値は同グラフのR7.6→R7.7読み取り)。
手口別の月次推移(概況)
オレオレ詐欺と架空料金請求が春以降じわじわ増。
支払・受け渡し形態では振込型がボリュームゾーンを維持(R7.7時点の系列でも優勢)
大都市圏に濃く、ただし裾野は広い
2025年上半期(暫定)・都道府県別 上位
東京都:2,165件(前年比+40.8%)
大阪府:1,626件(+25.8%)
神奈川県:1,134件(+36.5%)
兵庫県:960件(+60.3%)
愛知県:914件(+37.9%)
埼玉県:884件(+31.4%)
福岡県:687件(+126.0%)
千葉県:562件(+34.8%)
※上位8都府県で全国の67.6%を占有=大都市圏集中が顕著
2024年の確定値(復習)・地域別
認知件数合計:21,043件/被害総額:718.8億円
上位:東京3,494件・大阪2,644件・神奈川1,999件・埼玉1,586件・愛知1,469件
※昨年から首都圏・京阪神に厚く、2025年上半期もこの流れが強化。
県警の速報例(2025年7月末)埼玉県:認知1,046件・被害額44.66億円(前年同期比で件数・金額とも増)
地域単位でも増勢
感想
受け皿が都市部に多い金融機関・暗号資産交換業者・高額商品の決済導線がある地域ほど、詐欺側のオペレーションが回りやすい=都市集中の背景が見られます。
去年に比べて詐欺件数や被害額が大幅に更新されているのがわかるかと思います。
理解していても、詐欺に合うケースも少なくはありません。しっかりと情報を得て、守る力を高めて、稼ぐ力で豊かな人生を送りましょう。!
次回の記事は最新版、年代別別詐欺についてご紹介します。
参考・出典
警察庁「令和7年上半期における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺(暫定)」年齢・地域・交付形態・予兆電話の詳細。
警察庁(広報資料)「令和7年7月末の認知・検挙状況(暫定)」月次推移(R7.1〜R7.7)。
警察庁 SOS47「2024年 発生状況(確定値・都道府県別内訳掲載)」。
埼玉県警「特殊詐欺統計(2025年7月末速報)」。
警察庁(サイバー情勢)「2024年のフィッシング・IB不正送金の被害総額等」。
フィッシング対策協議会「月次報告:2025年3月」。