• 投稿日:2025/09/20
  • 更新日:2025/09/29
「メールアドレス偽装」の技術・実態と対策

「メールアドレス偽装」の技術・実態と対策

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ブロッカー薬剤師(詐欺ノウハウ図書館)

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要約
フィッシングメールなどの偽装技術・実態と、読んでくれた方々が取る行動について

はじめに

「銀行・証券会社から“あなたのアカウントが停止されます”といったメール、来たことがある」──それ、偽物かもしれません。

今回は、「なぜメールアドレスを偽装できるのか」の技術的な背景から、実際にどれほどの被害が出ているかの最新データを基に、対策を詳しく解説します。


なぜメールアドレスの偽装が可能なのか?

Fromアドレス vs Mail Fromアドレスの違い

・Fromアドレス:メールを開いたときに表示され、送信者名やアドレスをユーザーが目にする部分。銀行名や大企業名をかなりリアルに偽装できる。

・Mail Fromアドレス(SMTPレベルの送信者アドレス):メール配送の技術的な出発点。スパムフィルター/認証チェック(SPF, DKIM, DMARCなど)はこの部分を検証する。

・偽装メールは、多くの場合“見た目のFromアドレス”を銀行や正規企業名にしながら、Mail Fromや送信ドメインで不正を隠す。


メーリングリストや配信システムが持つ「正規性」のもろさ

・正規の配信サービスやメーリングリストでは、ドメインが一定の信頼を持っていて、“見た目”が正規に見えるメールが送られる。

・悪意ある者は、そういった仕組みをまねて偽の配信システムを使ったり、既存の配信リストを悪用したりして、「送り先が多い」「ドメインが信頼されやすいもの」を使う

― これが“From偽装”をより信憑性あるものにしてしまう。


メールアドレス偽装の見抜き方とその限界

表示されるFromが正しくても、中身が偽物であるケースが多い。ドメインをよく見て、「.co.jp」「.jp」「.com」など、正規の銀行やサービスの公式ドメインかどうかを確認する。

また、本文中のリンク先URLを注意深く見る。「https」があっても偽装ドメインのことがある。先ほどの技術的背景で触れたSPF, DKIM, DMARCなどの認証が整っているかどうかを、メールソース(ヘッダー)で確認できるが、一般の利用者にはハードルが高い。(個人的はここまで確認は難しい💦)


最新データが示すフィッシング詐欺の深刻さ

フィッシング報告件数(2024年):1,718,036件(過去最多)

インターネットバンキングの不正送金

被害件数(2024年):4,369件

被害総額(2024年):約86億9,000万円


👉 つまり、1年間で 1,700件を超える不正送金被害が発生し、平均すると1件あたり200万円前後の損失が出ている計算になります。


被害者の多くは「自分には関係ない」と思っていた一般利用者です。

フィッシングメールの見抜き方

完全に見抜くことは難しいですが、次のポイントを意識すると被害を防ぐ確率は高まります。

差出人アドレスを確認する

例:@example.co.jp と @examp1e.co.jp(数字の1が混ざっている)などの細工に注意。


リンク先URLをマウスオーバーで確認する「https://○○.bank.co.jp」ではなく「https://bank.co.jp.△△.com」など、不審なドメインに気づける。


メール本文の言葉に注目

「今すぐ」「緊急」「停止されます」など、不安をあおる文言は要注意。


メールソース(ヘッダー)を確認する

“Return-Path”や“SPF/DKIM/DMARC”の結果を確認し、「fail」「none」なら危険信号。


取るべき具体的な対策

ログインは必ず公式サイトから行う

・メールのリンクは踏まず、検索やブックマークからアクセス。(これが1番安全かつ簡単🦺)


パスワードと認証の強化

・パスワード使い回しはNG。多要素認証(MFA)を必ず設定する。


怪しいメールは必ず報告・削除

・フィッシング対策協議会などに通報することが、次の被害を防ぐ一助となる。

まとめ

・メールアドレスの偽装は技術的に可能で、誰にでも届くリスクがある。

・2024年にはフィッシング報告170万件、被害総額約87億円という現実がある。

・完全に見分けるのは難しいが、日常的に「送信者・リンク・本文のチェック」を習慣化することで、多くの被害は防げる。


👉 大切なのは「疑って確認する姿勢」。メールの中のリンクや指示に流されず、自分で公式サイトにアクセスするクセをつけましょう。

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