- 投稿日:2025/09/27
- 更新日:2025/10/09
こんにちは、🌸桜🌸です。
「重度発達障害の子どもが入所施設やグループホームに入るとき、なぜ“世帯分離”をするのですか?」
そんな疑問を耳にすることがあります。
私自身も、最初にこの言葉を聞いたときはピンと来ませんでした。
「親子のつながりが切れてしまうの?」
「そんなに大事な手続きなの?」
──と、モヤモヤしたのを覚えています。
でも調べていくうちに、世帯分離は本人の生活を守るための大切な仕組みであることがわかりました。
今回は、その理由をわかりやすく整理してお伝えします。
世帯分離とは何か?
本来、障害のある子どもは親と同じ“世帯”に属しています。
しかし、施設やグループホームに入所するときに、本人だけを独立した世帯として役所に登録するのが「世帯分離」です。
つまり「親子関係を切る」ものではなく、行政上の生活単位を分けるだけのことです。
※世帯分離は必須手続きではなく、家庭の事情や自治体のアドバイスによって判断されます。
なぜ世帯分離をするのか?
1. 利用料を本人の収入基準にできるから
障害福祉サービスの自己負担額は「世帯の収入」で決まります。
もし親と同じ世帯のままだと、親の年収が基準となり、利用料が高額になってしまいます。
例)親の年収600万円 → 利用料が月2〜3万円になることも。
しかし世帯分離すれば、基準は本人の収入(多くは障害年金と工賃)になります。
その場合は 自己負担が0円〜数千円程度 まで下がるのです。
※利用料や生活費等は自治体やサービス内容により異なります。
必ず現地の役所・福祉事務所でご確認ください。
2. 本人が制度を公平に利用できるから
障害年金や特別障害者手当などは「本人単位で支給される制度」です。
世帯分離をしていないと「親の収入が高いから対象外」となり、必要な支援が届かないことがあります。
世帯分離をしていれば、本人が独立した生活単位として扱われるので、公平に制度を利用できます。
3. 将来の「親亡き後」に備えるため
親が亡くなったとき、世帯分離をしていないと本人の生活基盤が一気に不安定になります。
しかしあらかじめ世帯分離をしておけば、本人はすでに自分の世帯を持っている状態。
親亡き後も制度利用や生活がスムーズにつながります。
具体例でシミュレーション
世帯分離しない場合(親と同じ世帯)
親の収入が高いと「高所得世帯」と見なされる
利用料:月2〜3万円
生活費を含めると月8〜10万円近くかかる
障害年金(月8万円)だけでは足りず、親が仕送りを続ける必要あり
世帯分離した場合(本人のみの世帯)
本人の収入(障害年金+工賃)が基準
利用料:0〜数千円
障害年金の範囲で生活できるケースが多い
将来も安定して制度を利用可能
※ 住民や本人の状況によって、個別の認定や負担額の計算方法に差がある場合があります。
世帯分離後の生活パターン比較
※ 生活保護との併用については、障害年金を収入として計算した際、
生活保護費が調整されるため、いわゆる「そのまま合算」にはなりません。
※生活保護などの一部制度は「例外的」な扱いとなり、
勝手に分離しても要件を満たさなければ獲得できない場合があります。
まとめ
重度発達障害のある人が施設やグループホームに入るときに世帯分離をするのは、
・利用料を本人の収入基準にするため
・制度を公平に利用できるようにするため
・将来の親亡き後の安心を守るため
──この3つが大きな理由です。
「世帯分離」という言葉は少し冷たく聞こえるかもしれませんが、実際は 本人の尊厳ある暮らしを支えるための第一歩 なのです。
いずれにせよ主体ごとに運用方法や対象基準が異なるため、「制度詳細の確認」「個別相談」がとても大切です。
【最新注意書き】
※この記事の内容や金額事例は一般的なケースを参考に、ケースバイケースで異なる場合があります。
実際の制度の利用や手続きは、必ず居住する地方自治体福祉担当課で最新情報を確認してください。
ご家庭で将来「入所」「グループホーム利用」を検討する場合は、かなり早い段階で福祉窓口に相談し、個別の要否や手続きについて確認・検討することをおすすめします。
👉 あなたのご家庭では、もし将来「入所」や「グループホーム利用」を考えるとき、世帯分離についてどう備えますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。