- 投稿日:2025/10/18
【ご挨拶】
こんにちは!
ヒプノセラピストの「ねっこ先生」です。
今回も、皆様の暮らしに役立つ心理学の効果をサクッと5分程度の長さにまとめてご紹介していきます。
よろしくお願いします!
今回取り上げるのは **ピーター効果** です!
稼ぐ力、人脈作り、円滑な人間関係構築等に、是非お役立てください^^
【起源/由来】
この概念は、教育学者 ローレンス・J・ピーター と著作家 レイモンド・ハル によって、1969年の共著『ピーターの法則』で提唱されました。彼らは、組織の階層を観察し、「すべての階層において、従業員は、その無能レベルにまで昇進する」という法則を発見しました。この法則は、個人の能力を評価する際に、現在の職務遂行能力を基準にして昇進を決定する、という組織の一般的な慣行から生まれるものです。
【エピソード】
ピーター効果を象徴する有名なエピソードは、彼らが提唱した**「有能な教師の事例」**です。
有能な教師の昇進:
ある学校に、生徒から絶大な人気と信頼を得ている、非常に有能な教師がいました。彼は生徒の学習意欲を引き出すのが上手く、成績を上げる素晴らしい指導者でした。その功績が認められ、彼は教頭に昇進しました。しかし、教頭という職務は、授業を教えることではなく、事務作業や会議、保護者対応が主な業務です。教師としては有能だった彼が、教頭としては十分な能力を発揮できず、**「無能な教頭」**としてその地位に落ち着いてしまった、という典型的な例です。
【生活への活用事例】
ピーター効果は、現代の組織や私たちのキャリアにおいて、様々な形で影響を及ぼしています。年齢や性別を問わない具体的な例を5つ挙げます。
1.プロスポーツ選手:
⚾ 素晴らしい成績を残したベテラン選手が、引退後に監督に就任する。しかし、選手としての能力と指導者としての能力は別物であり、選手としては有能だった彼が、監督としては成果を出せないというケースがあります。
2.企業の昇進:
📈 営業成績が非常に優秀な社員が、営業部長に昇進する。しかし、営業部長は個人の営業能力だけでなく、部下の育成やマネジメント能力が求められるため、そこで行き詰まり、チーム全体の成果を上げられなくなることがあります。
3.ITエンジニア:
👨💻 技術的に非常に優れたITエンジニアが、プロジェクトマネージャーに昇進する。しかし、マネジメント能力が不足しているため、技術的な才能を活かせず、プロジェクトを円滑に進められなくなることがあります。
4.専門職:
🧑⚕️ 優れた腕を持つ医師が、病院長に就任する。しかし、病院長は経営手腕が問われるため、経営者としては無能な状態に陥ることがあります。
5.政治家:
🏛️ 地域住民からの信頼が厚く、地道な活動で成果を出してきた政治家が、大臣に就任する。しかし、複雑な省庁の政策や官僚との調整能力が不足しており、その地位で苦戦することがあります。
【活用時の注意点】
ピーター効果を回避し、個人と組織の健全な成長を促すためには、以下の3つの点に注意が必要です。
1.昇進の基準を見直す:
📝 昇進は、現在の職務での成果だけでなく、次の職務で求められる能力を基準に行うべきです。マネージャー候補には、マネジメントスキルを測るための研修やテストを導入することが有効です。
2.個人のキャリアプランを尊重する:
🗣️ 全員が昇進を望んでいるわけではありません。専門職としての道を極めたいと考える人には、昇進以外の別の評価軸(例:専門職手当、称号)を用意することが重要です。
3.失敗を許容する文化を築く:
⚠️ 昇進した人が失敗しても、「無能な烙印」を押さず、新しい職務に適応するためのサポートやトレーニングを提供する文化を築くことが、組織全体の成長につながります。
【まとめ】
ピーター効果は、多くの組織で無意識のうちに発生している、見過ごされがちな現象です。この効果を理解することは、個人が自身のキャリアを考える上で、また、組織が人材を育成する上で、非常に重要なヒントを与えてくれます。私たちは、「昇進=成功」という単一の価値観に囚われず、個々の能力や適性に応じた多様なキャリアパスを尊重すべきです。ピーター効果を克服することで、個人は本来の能力を最大限に発揮でき、組織はより効率的で健全な成長を遂げることができるでしょう。
今回の内容は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!次回の配信も、ぜひご期待ください!!!