- 投稿日:2025/10/03
- 更新日:2025/10/03

先日、おじいちゃんが亡くなりました。
おじいちゃんが残してくれたのは財産ではなく、「手おけの法則」という人生哲学です。
科学的にも証明されている「与えることで得られる」という真理を、実体験とともにお伝えします!
おじいちゃんの最後
おじいちゃんはずっと、ガンをわずらっていました。
幸いにも高齢だったので進行が遅く、ずっと薬だけで対処できていたのですが…
今年の初めぐらいから病状が悪化し、ついに緩和病棟へ入ったのです。
入院した時、お医者さんからは「もってあと1~2か月」と告げられました。
覚悟はしていたものの、やはりその言葉は重かったです。
それでも、おじいちゃんは私たちの予想以上に頑張ってくれました。
おじいちゃんは弱った体で穏やかに笑いながら、僕たちと過ごす時間を大切にしてくれたのです。
最悪なおじいちゃん
この数か月、おじいちゃんがどういう人だったのかを聞く機会が多かったです。
それらを聞いて思ったのは、「おじいちゃん、最悪だな!」ということ。笑
おじいちゃんは若いころ、おばあちゃんと一緒に農業をやっていました。
しかしそれでは生活が大変ということで、おじいちゃんは会社へ勤めに出ることに。
「月給取りになったら家計のやりくりが楽になる」と、おばあちゃんは嬉しかったそうです。
しかし、おばあちゃんの期待は見事に打ち砕かれました。笑
おじいちゃんはその稼いだお金をどんどん、周りの人へ使っていったのです!
全部自分のおごりで、会社の同僚や部下に飲み食いさせたり…
事業をしたいという知人にお金を貸したり、友人の借金の肩代わりをしたのだそう。
そのため、家に入ってくるお金はほとんどありませんでした。
なので、おばあちゃんは農家をやめることができず…
むしろ子供たちを養うため、朝早くから夜遅くまで、それまで以上に働き続けたのです。
大出世したおじいちゃん
しかしそうやって人のためにお金を使い続けてきたおじいちゃんは、周囲から信頼を得るようになります。
そして仕事もできたおじいちゃんは、会社の中でドンドンと出世するようになりました
最終的には、その会社の会長にまで上り詰めたのです!
そして60歳のとき、天皇陛下から黄綬褒章をいただきました。
そのメダルは今、実家の床の間に飾ってあります。
「昔は苦労したけど、いま楽させてもらえるのはおじいちゃんのおかげ」
そう言って、おばあちゃんはおじいちゃんにとても感謝しています。
毎日欠かさずお見舞いに行き、身の回りの世話をしていました。
手おけの法則
そんなおじいちゃんがよく言っていた言葉が、「手おけの法則」です!
手おけの中に入っている水を自分の方へ引き寄せようとするほど、水は自分の方から離れていきます。
しかし逆に相手の方へ水をあげようとすると、その水はめぐって自分のところへとやって来るのです。
「自分のためにお金を使うな」
「人さまのためにお金を使え」
それがおじいちゃんの信条であり、人生の教えでした。
これって、キリスト教の「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」という教えや…
イスラム教の「汝の兄弟のために、汝自身のために望むものを望め」という言葉と一緒ですよね!
仏教にも「布施」という、似た概念がありますし…
儒教にも「己の欲せざる所、人に施すこと勿れ」という教えがあります。
東西の宗教や哲学が、共通して説く教え。
きっとこれって、人類の長い歴史の中で証明されてきた真理なのでしょう。
おじいちゃんの遺言
しかし僕はドケチのため、今まで「人のためにお金を使う」ということをあまりやってきませんでした。笑
なのでおじいちゃん亡き今、僕はこの「手おけの法則」をおじいちゃんの遺言として実践していきます!
具体的には月に1回、自分がお世話になっている方々へプレゼントをしていく予定です。
というか、8月からすでにやり始めています。
8月は友人の誕生日だったので、彼が大好きなブランドのスマホケースを。
そして9月は敬老の日に、 おばあちゃんが飼っている猫のキーホルダーを。
10月は妻を、ずっと行きたいと言っていた金沢へ連れていく予定です。
おじいちゃんみたいに、給料の全額をつっこむという離れ業はできませんが…笑
とりあえず、5,000円ぐらいを目安にスタートしています。
「与える」ことの科学的根拠
「人に与えること」が自分にも利益をもたらすというのは、科学的にも証明されています。
心理学・ビジネス・健康面など、あらゆる面で「人に与えること」は有益なのです!
心理学における効果
マイケル・ノートン博士とエリザベス・ダン博士の共著『「幸せをお金で買う」5つの授業』。
この本には、他者への贈り物や親切は「幸福感の向上」につながると書かれています。
お金を自分のために使うよりも、他人のために使った方が幸せを感じやすいという研究結果があるのです。
ビジネスにおける効果
アダム・グラント教授の著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』。
この本では、長期的に最も成功するのは「ギバー(与える人)」であることが示されています。
短期的には「テイカー(奪う人)」が得することもありますが、長期的な信頼や評判を考えると、ギバーが最終的に勝つのです。
健康面での効果
医師である石原結實の著書『最高の健康と幸せは「利他」がもたらす』。
この本では、他者への寄付が身体的健康にも良い影響を与えることが書かれています。
利他の心が脳内に快楽ホルモンを分泌させ、ストレスが軽減させると述べられているのです。
実践のためのヒント
「手おけの法則」を実践するといっても、大金を使う必要はありません!
大切なのは、以下の3つだと考えています。
・予算を決める
・お金以外の与え方もある
・見返りを期待しない
ではそれぞれについて、以下でくわしく説明しましょう。
①予算を決める
無理のない範囲で、予算を設定しましょう。
月5,000円でも、年間6万円の「人への投資」になります。
自分の収入の1%程度を目安にするのも良いでしょう。
② お金以外の与え方もある
なにもプレゼントだけが、「与える」ことではありません。
有益な情報を提供するなど、お金をかけずにできることもあります。
僕がノウハウ図書館に記事を書くのも、「与える」行為の一環です。
③見返りを期待しない
これが、最も重要です!
「あげたから返ってくるはず」という計算では、手おけの法則は機能しません。
純粋に、相手の幸せを願う気持ちが大切です。
最後に
伊藤善之さんの著書「バカでも年収1000万円」という本には、以下のような記載があります。
お金は銀行ではなく、人に預けるべき。 自分が仲良くしたい人に誕生日プレゼントをあげたり、ごちそうをしたりする。 自分がしてほしいことをまず相手にすることで、自分に協力してくれる人を作る。
若いときには人に与えられるスキルや人脈がないから、プレゼントが有効。 世の中で一番利息が高い預金は、人に貯金すること。
僕は株式・不動産・金・仮想通貨など、金融商品に投資を続けてきました。
これからはそれと同時に、「人への投資」も行っていく予定です!
おじいちゃん、今までどうもありがとう!
あなたの生き方を、僕なりの形で受け継いでいきます。
ちなみに
株式市場への長期的な積立投資も、実は「人さまのため」になります!
20~30年先の自分の生活のために、今から積立投資を行う。
一見すると、自己中心的なお金の使い方に見えるでしょう。
しかし良質な長期資本を市場に供給することは、世の中のためになります。
投資というぱっと見では利己的な行為も、長い時間軸で見ると利他的な公益につながるのです。