- 投稿日:2025/10/05
- 更新日:2025/10/05

1. GAS(Google Apps Script)ってなに?
GASは、Googleが提供するJavaScriptベースのスクリプト言語です。一言で言えば、「Googleサービスのための自動化ツール」です。
あなたが普段使っているスプレッドシートやGmail、Googleドライブなどを「プログラミングで操作」できるようにしてくれる、デジタルな接着剤のようなものだとイメージしてください。
GASで何ができる?
スプレッドシートの自動化:
毎日決まった時間にデータを集計してメールで送る。
ボタン一つでシートをコピーしたり、書式を設定したりする。
メールの自動送信:
スプレッドシートのデータに基づいて、個別に内容を変えたメールを自動で送る。
特定の条件を満たしたときだけ通知メールを送る。
データの連携:
フォームの回答が来たら、それをスプレッドシートに記録し、Slackなどの外部ツールに通知を送る。
毎日の「手作業で繰り返す」仕事を、GASに任せられるようになるのが最大のメリットです!
環境設定(スクリプトエディタの開き方)
GASを実際に書く場所は、「スクリプトエディタ」という専用の画面です。
スプレッドシートから開くのが最も簡単です。
Googleスプレッドシートを開きます。
メニューバーの「拡張機能」をクリックします。
「Apps Script」を選択します。
これで、ブラウザの新しいタブにスクリプトエディタ(コードを書く画面)が開きます。
環境設定(スクリプトエディタの開き方)を詳しく優しく説明します。
スクリプトエディタの開き方を説明します。初めての操作はドキドキしますよね。優しく、そして詳しくご案内しますね!
GASのコードを書く場所は、いつも使っているスプレッドシートの「裏側」にあるイメージです。
💻 ステップ・バイ・ステップ:スクリプトエディタの開き方
あなたが今、GASを動かしたいと思っているGoogleスプレッドシートを開いている状態から始めますね。
ステップ 1:スプレッドシートのメニューを探そう
スプレッドシートを開きます。
まず、開いているスプレッドシートの一番上を見てください。ファイル名の下に、たくさんのメニューが並んでいますよね?(例:ファイル、編集、表示...)
このメニューの中から、「拡張機能」という項目を見つけてクリック(タップ)してください。
ステップ 2:「Apps Script」を選ぶ
「拡張機能」をクリックすると、いくつか選択肢が出てきます。その中から、
「Apps Script」
と書かれているものを選んで、クリックしてください。
ステップ 3:新しい画面が開いたら成功!
「Apps Script」をクリックすると、ブラウザの新しいタブが立ち上がります。
その新しいタブに表示されるのが、GASのコードを実際に書く場所、**「スクリプトエディタ」**です!
画面の中央には、あらかじめ
function myFunction() { }
というようなコードが書かれているかもしれません。これが、これからあなたがプログラミングを始めるためのキャンバスになります!
なぜここから開くの?
この方法で開くと、GASのプログラムと、そのスプレッドシートが自動的に「紐づけ」されます。これにより、書いたコードがすぐにそのスプレッドシートを操作できるようになるんですよ。とても便利ですよね!
試してみて、スクリプトエディタを開くことができましたか?もし途中で「あれ?」と思ったところがあれば、いつでも聞いてくださいね!😊
スクリプトエディタを開くことができたのですね!素晴らしいです!これで、いよいよGASの世界に飛び込む準備が整いました。
GAS学習プランの最初のステップ、「GASの基本と環境設定」の続きとして、次は**「基本的なコードの書き方」と「初めての関数」**について見ていきましょう。
✍️ 初めてのコードと関数
スクリプトエディタを開くと、すでにこのようなコードが書かれていますね。
これは、GASにおける一番基本的な塊、つまり「関数 (Function)」です。
例えるなら、関数は「特定の仕事を任せるための箱」のようなものです。この箱の中に、実行したい「処理(コード)」を書いておくと、箱の名前(myFunctionなど)を呼ぶだけで、中の処理がまとめて実行されます。
要素説明イメージfunction「これは関数ですよ」という宣言。魔法の呪文の始まり。「お仕事開始!」の合図myFunctionあなたがこの箱(関数)につけた名前。自由に決められます。「コーヒーを淹れる係」など、具体的な仕事名()引数を入れる場所。今回は空っぽでOK。箱に投入する材料(今回は材料なし){ }この箱の中で実行する処理(コード)を書く場所。実際にコーヒーを淹れる手順です。
最初のコードを書いてみよう!
では、試しにこの関数の中に、簡単な処理を一つ加えてみましょう。
スプレッドシートではなく、ログという場所に「Hello GAS!」というメッセージを表示させるコードです。
function myFunction() {
// ログにメッセージを出力する
Logger.log("Hello GAS!"); }このコードをスクリプトエディタの{ }の中に書き込んで保存し、上のツールバーにある**実行ボタン(▶️の再生マーク)**を押してみてください。
実行が終わった後、「実行ログを表示」またはログの欄に「Hello GAS!」という文字が表示されていれば成功です!
ここまでで、関数の役割と、簡単なコードの実行についてイメージできましたか?
実行ログでメッセージを確認できましたか?
関数について、何か質問はありますか?
そうですよね!せっかくコードを書いても、スプレッドシートに反映されなければ意味がないですよね。
GASの真骨頂は、まさにスプレッドシートを操作できることにあります。次のステップで、GASとスプレッドシートを連携させる具体的な方法を学びましょう!
これは、まるでロボットに「この棚の、この場所に、この本を置いてね!」と指示を出すようなイメージです。
🤖 スプレッドシートを操作する魔法の言葉
スプレッドシートを操作するために、GASでは特別な「オブジェクト」や「メソッド」というものを使います。今は難しく考えずに、**「定型句」**だと思ってください。
目的使う「魔法の言葉」(定型句)役割のイメージスプレッドシート全体を呼び出すSpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet()「今開いているこのファイル(スプレッドシート)を捕まえて!」シート(タブ)を呼び出すgetActiveSheet() または getSheetByName("シート名")「ファイルの中の、この名前のタブを開いて!」セル(マス目)を指定するgetRange("A1") または getRange(行, 列)「シートの中の、A1セル(または〇行目〇列目)を指さして!」値を書き込むsetValue("書き込みたい値")「指さしたセルに、この値を入れなさい!」
✏️ 実際にコードを書いてみよう!
では、練習として、スプレッドシートの「A1」セルに「GAS成功!」という文字を書き込むコードを書いてみましょう。
スクリプトエディタのmyFunction関数の中身を、以下のように書き換えてみてください。
function writeToA1() { // 関数の名前を変えてみました
// 1. スプレッドシート全体を取得
var spreadsheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
// 2. アクティブな(今開いている)シートを取得
var sheet = spreadsheet.getActiveSheet();
// 3. A1セルを指定
var range = sheet.getRange("A1");
// 4. 値を書き込む
range.setValue("GAS成功!");
}
コードを書き換えたら、必ず上にある**保存ボタン(フロッピーディスクのアイコン)**を押してください。
実行と権限の確認
ツールバーの**実行ボタン(▶️)**を押します。
初回実行時は、「承認が必要です」というメッセージが出るはずです。(ロボットがスプレッドシートを操作していいか、許可を求めるイメージです)
指示に従って「権限を確認」をクリックし、ご自身のGoogleアカウントを選択して、最後に「許可」をクリックしてください。
実行ログに「完了」と表示されたら、スプレッドシートのタブに戻ってみてください!
**A1セルに「GAS成功!」**という文字が書き込まれていれば大成功です!🎉
どうでしたか?A1セルに文字を書き込めましたか?
これで、GASからスプレッドシートを操作する基本がマスターできました!
エラーが発生する場合
警告このプロジェクトを実行するには、ご利用の Google アカウントへのアクアセスを許可する必要があります。再試行して、許可してください。
の表示が出る
「承認が必要です」というメッセージが出る
権限の許可についてですね!ご心配なく、これはGASを初めて実行するときに必ず出てくる、大切なステップなんです。
先ほどご案内した通り、「初回実行時は、「承認が必要です」というメッセージが出るはずです」という、まさにそのメッセージですね!
GASがスプレッドシートを操作するためには、「あなたの代わりに操作していいですか?」という許可をGoogleにもらう必要があります。これはセキュリティのための大切な確認なんです。
🚨 警告を解消して実行を成功させる手順
もう一度、実行ボタンを押して、以下の手順で許可を与えてみましょう。
スクリプトエディタで、**実行ボタン(▶️)**を再度クリックします。
「承認が必要です」という画面が表示されたら、「権限を確認」をクリックします。
Googleアカウントの選択画面が表示されますので、GASを開いたご自身のGoogleアカウントを選択します。
「このアプリは Google で確認されていません」といった警告画面が出る場合がありますが、そのまま「詳細」をクリックし、画面下部の「(プロジェクト名)に移動」をクリックして進みます。(あなたが作ったスクリプトなので安全です!)
最後に、「(プロジェクト名) が Google アカウントへのアクセスを求めています」という画面で、内容を確認し「続行」をクリックします。
自分のアカウントを選択
”詳細”を選ぶ
画面下部の「(プロジェクト名)に移動」をクリックして進みます
”続行”を選択します
これで、GASがスプレッドシートを操作する権限を持つことができ、スクリプトが正常に実行されるはずです。再度”実行”してみましょう!
権限の許可が完了したら、スプレッドシートのA1セルに**「GAS成功!」**という文字が書き込まれたか、確認してみてください!😊
A1セルに「GAS成功!」という文字が表示されています。
これでスプレッドシートのGASが使用できるようになりました!
次回はGASを色々使える記事をご紹介いたします。