• 投稿日:2025/10/09
  • 更新日:2025/10/09
AIで“喋る人物動画”を作る完全ガイド

AIで“喋る人物動画”を作る完全ガイド

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じゅんや@動画制作

じゅんや@動画制作

この記事は約13分で読めます
要約
たったの3ステップ! ①画像を作る→②声をつけて→③口を動かすだけで、顔出しナシで、自分の代わりにAIを喋らせることができます! YouTube解説やSNS動画も全部AIで完結✨ 本記事では、その作り方とおすすめツールをわかりやすく紹介します🎬

はじめに

※本記事は2025年10月8日時点の情報をもとに作成しています。
AIの技術進化は非常に早く、数週間・数ヶ月で情報が大きく変わることもあります。
記事内で紹介しているサービス内容や利用条件などは、執筆時点のものであることをあらかじめご了承ください。

AIの進化で、まるごと消える職種が出てくる

「AIが進化することで、仕事が無くなる」
この言葉を聞いて、あなたはどう感じましたか?

今までやっていた仕事がなくなることで、
・自由な時間が増える
・AIが代わりに残業してくれる
・新しい仕事に挑戦できる
このように前向きに捉える人もいるでしょう。

一方で、
・収入源がなくなる
・これまで積み上げてきた技術が無駄になる
といったように、マイナスの未来を感じる人もいるかもしれません。

ChatGPTを開発したOpenAIのCEO「サム・アルトマン」は、イギリスの全国日刊紙で、「AIは、いくつもの“職種そのもの”を社会から消し去るだろう」 と述べています。

Speaking at the Capital Framework for Large Banks conference at the Federal Reserve Board of Governors, Altman told the crowd that certain job categories would be completely eliminated by AI advancement.

(出典:The Guardian, 2025)


彼は、今ある仕事の多くが、いずれAIに置き換わると考えています。

これは、AIを知らないままでいると、気づかないうちに社会から取り残される可能性があることを示しています。

だからこそ、今の時代、AIを学ぶことは大きな意味があると私は考えています。

Firefly_futuristic digital illustration of a human silhouette facing an AI robot made of ligh 345741.jpg

活用事例

「AIを学ぶといっても、何に使えるの?」
と疑問に思う人も多いでしょう。

実は、私たちの身の回りにはすでにAIで作られたコンテンツがあふれており、さまざまな分野で活用が広がっています

例えば――

① AIキャラクターによるYouTube解説動画
顔出しなしで、AIキャラクター+ナレーションによる解説動画が増えています。

② SNSショート動画(TikTok・Instagramなど)
生成AI画像・動画による、解説・あるある系の動画がたくさん作られています。

③ 広告・PR動画
生成AI画像・動画を活用し、撮影やナレーターなしで自社の商品・サービスの紹介動画が手軽に作成することができます。

④ 教育・研修コンテンツ
AI音声ジェネレーターは多言語対応が可能であるため、企業のマニュアル教育やオンライン研修の現場での導入が加速しています。

このように、AIを使えば「これまで人間が時間をかけていた業務」をAIに任せることが可能になります。

AIキャラクターによるYouTube解説動画

「話すのが苦手」
「顔出ししたくない」
「人に頼らず、自分で動画を作りたい」
そんな人にとって、“AIで喋る人物動画”は、表情筋を一切使わずに想いを伝えられる、まさに最強の武器です。
今回は、そんな“AIで喋る人物動画”の作り方を紹介していきます。


作り方はとてもシンプルで、
「画像を作って」「音声をつけて」「口を動かす」――
たったそれだけで、喋るAI人物動画が完成します!

Step1|画像を作る

では早速、喋らせるための人物画像を作っていきましょう。

AIキャラクター動画の最初のステップは「静止画」の用意です。
ここで作る画像は、口の動きや表情が付くベースとなる顔になります。

ここはサクッと画像生成AIを使って作ればOKです。

どんな画像を使えばいいの?

使う画像は、真正面に近い顔のバストアップ(肩〜顔)がベストです。
また、背景はシンプルなほうが、あとで加工がしやすくなります

Firefly_テレビの中の日本人女性がカメラに向かって話している 504516.jpg

AIで画像を生成するおすすめツール


① Adobe Firefly
https://firefly.adobe.com/

スクリーンショット 2025-10-08 17.00.52.pngAdobeが提供する画像生成AIです。
商用利用も可能な画像を作成することができ、日本語のプロンプトに強いのも特徴です。

Adobe製品を使用しているユーザーであれば、毎月一定のクレジットが与えられ、Proプラン以上であれば実質無制限に画像を生成できるのも魅力です。


② Google AI Studio
https://aistudio.google.com/prompts/new_image

スクリーンショット 2025-10-08 17.02.41.png

おなじみGoogleが開発した画像生成AIで、登録不要で誰でも使える手軽さが魅力です。
「イラスト風」や「写真風」など、雰囲気のある画像が簡単に生成できるほか、商用利用も安心して行えるのがうれしいポイントです。


③ChatGPT
https://chatgpt.com/

スクリーンショット 2025-10-08 17.04.43.png

こちらも皆さんがよくご存知のChatGPTです。
画像生成機能が搭載されたバージョンでは、商用利用可能な画像を無料で生成できます。
操作も簡単で、美術の授業で学んだデッサンが無駄に感じるくらい良い画像が作れます。

他の生成AIツールでも、無料で画像を作れるものはたくさんあります。
ただし、商用利用する場合は有料プラン(Pro以上)が必要なこともあるので、必ず利用規約をチェックしましょう。

写真を使ってもOK

AIでの生成が難しい場合は、自分の写真やフリー素材を使っても大丈夫です。
使用する場合は、リップシンクとの相性を考えると「正面・明るめ・顔がハッキリしている」画像が理想です。

Firefly_笑顔の20代眼鏡の日本人男性の顔 504993.jpg※これくらいハッキリ写っていればOK👌

Step2|音声を作る

次は、AIで作った人物画像・キャラクターに「」を吹き込む工程です。
ここでは、テキストからナレーション音声を生成できるAI音声ジェネレーターを使っていきます。

どんな音声を作ればいいの?

基本的には、台本(セリフやナレーション文)を入力するだけでOK
話し方の雰囲気、声の高さ、話速なども細かく調整できるツールもあるので、自分のキャラに合った声を選ぶのがポイントです。

Firefly_20代日本人女性声優が、アフレコ現場で、声を吹き込んでいる様子 710758.jpg

おすすめのAI音声ジェネレーター

①ElevenLabs
https://elevenlabs.io/app/voice-library

スクリーンショット 2025-10-08 17.15.01.png
高品質な自然音声で、まるで本物の人間のような声を作ってくれます。
自分が喋る時よりも滑舌が良くて、ちょっと嫉妬するレベルです。

・多言語対応で、日本語もOK(特に「V3」の精度が非常に高い)
・自分の声や参考音声をアップロードして、カスタム音声を生成することも可能(怒る・テンション高く…など)
・滑舌・イントネーション・話速などの細かい調整ができる

商用利用には有料プランが必要ですが、完成度・柔軟性ともに非常に高いです。「自然さ」や「表現力」にこだわりたい方には、特におすすめです。

② MiniMax
https://www.minimax.io/audio

スクリーンショット 2025-10-08 17.22.46.png中国発の高性能AI音声合成ツールで、こちらも自然で滑らかな日本語音声が生成できることから注目を集めています
「どこが違う…?」と感じるくらい、画面構成や操作感はElevenLabsに非常によく似ており、すでにElevenLabsを使い慣れている方であれば、違和感なく使いこなせると思われます。

・音声スピードや感情表現の調整も可能
・日本語を含む多言語対応
・商用利用には有料プランが必要ですが、完成度・柔軟性ともに非常に高く、プロ用途にも対応

もし現時点で、「AI音声ジェネレーターをひとつ選ぶとしたら?」と聞かれたら、迷わず 「ElevenLabs」 を選びます。
一方で、「MiniMax」も近年登場した新興勢力で、今後の伸びしろに大いに期待できるツールとも感じています。


③ VOICEVOX

・ダウンロード版 https://voicevox.hiroshiba.jp/
・Web版 https://www.voicevox.su-shiki.com/

スクリーンショット 2025-10-08 17.23.27.png

誰でも無料で使える日本語音声合成ソフトで、キャラクターごとに声質が分かれているのが特長です。
選択肢を選ぶだけで、簡単にナレーション音声を作成できます。

・完全無料で利用可能(ローカルでもブラウザでも動作)
・明るい声、落ち着いた声、アニメ風などさまざまな“キャラ音声”が選べる
・クオリティは若干機械的ながら、コストをかけずに試したい人には最適

商用利用に条件あり(利用時は公式サイトのライセンス確認を推奨)

Step3|口を動かす(リップシンク)

いよいよ最後のステップです。
ここでは、AIで作った画像と音声を組み合わせて、“喋る人物動画”を完成させる工程を行います。
この工程では「リップシンク(Lip Sync)」と呼ばれる技術を使い、音声に合わせて口の動きを自然に再現します。

リップシンクにおすすめのツール

・HeyGen
https://app.heygen.com/home

スクリーンショット 2025-10-08 17.25.26.png

画像+音声データで完結する人気のAIアバター動画生成ツールです。

世界で“喋る人物動画”といえば真っ先に名前が挙がる代表格です。
人物の口パクだけでなく、表情・ジェスチャー・目線の動きまで自然に再現できる点が大きな魅力です。

動画データは扱うことはできませんが、画像+音声で簡単に作成できるので、「写真の人物が喋っている動画を簡単に作りたい」「AIで作ったキャラクターを歌わせる」といったことが可能です。

課金することで商用利用として使用することが可能です。


ちなみに、Googleが開発した動画生成AIのFlowを使えば、テキストを入力するだけで高品質な映像を自動生成することができます。

https://labs.google/fx/ja/tools/flow

画像データと日本語のプロンプトを入れ込むだけで、キャラクターにその内容を喋らせる動画を作ることができます。

プロンプトを作り込めば、HeyGenより動きのある動画を作ることができます。ただし、外部で作成した音声データをアップロードして使うことはできません。

料金はやや高めで、コストパフォーマンス重視の方には少しハードル高めですが、Googleの最新映像モデル「Veo3」を使用できるので完成度が高く、安定感のある動画を作成することができます。

最近では、Nanobananaのような無料で高品質な生成AIも登場しています。
それだけに、Googleが進めるAI映像技術の今後の進化にも、ますます期待が高まりますね。


動画の人物をリップシンクさせるなら?

画像ではなく、動画に登場する人物を喋らせる場合は、
動画生成AIでお馴染みの「Kling」というツールを使用します。
https://app.klingai.com/global/ai-human/video/new

スクリーンショット 2025-10-08 17.26.31.png

こちらは、動画音声をアップロードすることで、自然な口の動き・表情の再現度が非常に高いのが特徴です。

コスパ・スピード・品質のバランスが取れた、個人的には一番使いやすいリップシンクツールと考えています。

コストのまとめ

・画像
 ・Adobe Firefly Standard|1,580円/月
 ・Google AI Studio|0円  
 ・ChatGPT|0円

・音声  
 ・ElevenLabs|5ドル/月  
 ・MiniMax|5ドル/月  
 ・VOICEVOX|0円

・リップシンク  
 ・HeyGen|29ドル/月 /最大5分まで可
 ・Flow|2,900円/月/最大8秒まで可 ※1,000クレジット付与_Veo3(Fast)で20クレジット
 ・Kling|10ドル/月/最大10秒まで可 ※660クレジット付与_リップシンクで5クレジット

音声やリップシンクの作成には少しばかりコストがかかりますが、これらのツールを使用することで、喋るAI人物を作成することができます。

Adobe利用者なら無料でクレジットを獲得できたり、無料の範囲でも商用利用として使わなければ作成可能ですので、機会があればぜひ試してみてください。


ちなみに、これらを使ってできた動画がこれです👇
HeyGenの方がより自然な印象です。

・Adobe+ElevenLabs+HeyGen
https://youtu.be/4jF-W4IyOpE

・Adobe+ElevenLabs+Kling(5秒×3回)
https://youtu.be/lEyq8tjdjs8


動きのある動画だと👇(chatGPT++ElevenLabs+Kling
AIが顔と認識さえすればリップシンクさせることが可能です。
https://youtu.be/WNWkmqQD8cE

女性1.jpg

⚠️AI動画は"悪用"にも使われる?

ここまで紹介してきたように、AIを使えば誰でも簡単に“喋る人物動画”を作ることができます。

しかし、ここまで見ていただいた方には分かると思いますが、この便利さの裏には、悪用されるリスクも存在します。

最近では、AIが生成した偽の両学長や、政治家・有名人の"フェイク動画"が、SNSや広告で拡散されるケースも増えています。

AIが発展するに連れて、見た目も声も本物そっくりなため、「本人が話している」と錯覚してしまうほどの精度です。

こうしたAI動画は、
・偽の投資広告
・なりすまし詐欺
・政治的な偽情報の拡散

などに悪用される事例もあります。

Firefly_conceptual illustration of fake AI video, two faces merging into one, glitch effect,  504993.jpg

💡 安心してAIを活用するために

AIは、使い方次第で表現や創作の幅を大きく広げてくれる、まさに“現代の相棒”ともいえる存在です。

しかしその一方で、生成AIを扱う人には「責任感」も求められる時代になっています。

AIは非常に便利なツールですが、使い方を誤れば人を誤解させたり、信頼を損なうリスクもあります。だからこそ、「便利さの裏にあるリスクを正しく理解すること」が、これからのAI活用には欠かせません。

そして何より、これからの時代は目の前の情報が事実なのか、それとも作られた偽物なのかを見極める力が求められます。

たとえSNSで自分の推しキャラが急に「LINE登録で無料プレゼント!」と流れてきても——まずは深呼吸して、冷静に確認しましょう。

まとめ

①画像を生成→②音声生成→③リップシンク

という手順を踏むことで、誰でも「喋るAI人物動画」を作ることが可能になります。

また、
・HeyGenの標準機能だけで喋る人物動画を作成する
・Kling・Flowで一気に動画から音声まで作る
といったやり方であれば、上記の手順をショートカットすることも可能です。

他にも、
「画像はMidjourneyで作ったものを利用する」
「普段使ってるアイコン画像を喋らせる」
「Sunoで作った音楽をキャラクターに歌わせる」
…などなど使い方は無限にあります。

上記で紹介した生成AIツールは、ほんの一部にすぎません。他の生成AIを組み合わせることで、より高クオリティに、より低コストで、より簡単に動画を作成できる可能性もあり得ます。

最近ではWan2.2の発展も著しく、AIの進化の波が止まりません。
まだ実用面では発展途上ですが、まさに初期のChatGPTが登場した頃のような“進化のはじまり”を感じさせます。

いずれは誰でも1クリックで自然な喋る人物動画を作れるようになる──そんな時代が来るかもしれません。

ぜひ、今日紹介したツールを使って、喋るAI人物動画を作成してみてください!✨

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