- 投稿日:2025/10/11
はじめに
突然ですが人気漫画の共通点を知っていますか?
そう"刀"ですよね(バクマン理論)。
というわけで、刀を打ちに行ってきました。
場所の選定
五箇伝
日本刀創りは5か所有名どころがあります。
大和伝(奈良県)
山城伝(京都府)
備前伝(岡山県)
相州伝(神奈川県)
美濃伝(岐阜県)
上記の5つです。厨二病テストにおいて必修科目ですので、覚えてください。
さて、その中で特に美濃伝が好き!というわけでもなく、単純に近いので、岐阜県関市の美濃伝をチョイス。刀鍛冶体験コーナーへ。
申し込んだ場所はここです。
https://activityjapan.com/publish/plan_list/3076
日本刀は30万近くするため断念しました。
代わりに和包丁を打つことにしました。
え?じゃあ刀鍛冶じゃないじゃんって?細かいことは気にしてはいけません。
ま、まぁ包丁なら実用性もあるし…。と自分に言い訳をしつつ行ってきました。
いざ、関市へ!
とりあえず腹ごしらえ
車で行くことにしたので、早めに近場まで行って、朝食を食べながら待機
https://tabelog.com/gifu/A2102/A210204/21017379/
岐阜と言えばモーニングですね。名古屋ではあまり見ない、茶碗蒸しがついてくるのがうれしいところ。
後述しますが、結構ガッツリ食べておいて良かったです。
複数名で行く場合はプランは割とちゃんと練っておいた方がいいと思います。
図1 モーニングのおにぎりセット コーヒー(450円)+250円
(計700円)
鍜治場にて
図2.工程一覧
刀鍛冶の数々の工程の説明を受けます。玉鋼を見ることが出来て感動。最終的には素の鉄の量の1/10程度になるらしいです。砂鉄から鉄を作るのは大変なんですね。
今回は既にある程度の形になっている状態からスタート。素延べ以降の工程を体験させてもらうことになりました。
図3.今回の包丁の材料
これが包丁の素となる鉄です。既に形はある程度出来ていますが、ここから手を加えることで、包丁となります。日本刀と作り方は基本的に一緒だそうです。3人いるので、3本用意されていました。この時点で、既に個性が出ています。
相槌を打つ
素延べという工程からスタートしたわけですが
・全体的に打って延ばす
・背中を叩いて整形する
などを行いました。
その中でいろんな道具を使ったのですが、特に印象に残ったのがコレ
図4.相槌を打つ様子
大金鎚です。2人一組で行うのですが、一人が小槌でリズムを取りながら鉄を動かし、もう一人はひたすら同じ場所に大金鎚を振り下ろします。会話の相槌を打つの語源にもなっているそうです。
というわけで、素延べ完了。
図5.素延べ完了後の鉄
火造りへ
この工程では斜めに成形することで、刃の部分を作っていきます。まっすぐ叩くことすら難しいのに、斜めに打つのは大変。
結局ほとんど鍛冶師の人が整形してくれました。音からして鉄への力の伝わり方が全然違いましたね。流石職人。
図6.火造り完了後の鉄 かなりそれらしい姿に
せんをかける
表面をカンナのような道具で削り出します。鈍い色だった鉄がピカピカになります。上手にやると、削り節のようにくるくるっと鉄くずが出てくるのですが、私がやってもほぼ粉でした。やはり難しい。
この辺りから、疲れてきていて、ほとんど撮影していません。いや、記録ではなく、記憶に残しているのです。呑気に写真など取っている場合ではありません。
土置き
刃文を入れる工程です。これを入れることで、実用品ではなく"美術品"になります。私は直刃(すぐは)という直線的な刃文を入れました。
原理としては土を置くことで熱の伝わり方が不均等になって、鉄の模様が浮き出るらしいです。
図7.土置きの様子
焼きを入れる
ここでは"ふいご"を使用します。もののけ姫にも出てきたあれですね。空気を送ることで、炭の火力を調節して刀に焼きを入れます。そうすると強度が上昇し、刃文も出現します。
図8.ふいごで焼いている様子。目安としては800℃程度らしいが、刀匠は色を見て判断しているらしい。
顎だし、研磨
包丁らしく使えるために刃の根元を直角に整え、研磨する工程です。こちらは体験はなく、刀匠の方がやってくれました。
銘入れ
鏨(たがね)という道具を用いて、刃に名前を刻みます。本番一発勝負なので、事前に練習をさせてもらいます。
あとは包丁本体にペン書きして、名前を掘っていくだけ!
図9.完成!
というわけで完成。銘は"打刀(だとぅ)"です("うちがたな"じゃないよ)。
体験を終えて
多くの工程を体験できたので、とても良かったです。使う力が存分に発揮できたかと思います。想い出はプライスレス。
私が申し込んだときは6万円でしたが、既に6万7千円まで値上がりしています。ちょろっと聞いてみたら、材料費や燃料費が上がってきているらしいです。
今後おそらく下がることはないと思うので、興味がある人は早めに参加したほうが良いかなと思います。
午前9時からスタートした刀鍛冶体験。終了は14時半を超えていました。朝ごはんを結構しっかり食べたのですが、終わるころにはお腹がかなり減っていました。お弁当を持ち込んだり、途中で休憩してお昼に行ってもいいかもしれません。
事前に開始時間の調整や、お昼休憩を挟むかどうかなどの調整も出来るので、この記事を見て参加してみたい人は、プランを練ると良いでしょう。
帰りに博物館へ
疲れていたのですが、せっかく関市まで来ていたので、帰りに関鍛冶伝承館へ行ってきました。
対応してくれた刀匠の方の作品が展示されていたり、色んな刃文の刀を見ることが出来ます。刀づくりの工程も自分の体験と紐づけ出来たので、とても楽しめました。