- 投稿日:2025/10/11
「もし、あなたやあなたの大切な家族が交通事故に遭ってしまったら…?」
突然の出来事に動揺し、ケガの治療や手続きに追われる中で、保険会社から提示された慰謝料の金額を見て「こんなものなのかな…」と、よく分からないままサインしてしまっていませんか?
ちょっと待ってください!その金額、もしかしたらもっと増額できるかもしれません。
先日、私の父が交通事故に遭いました(相手の過失100%)。幸い命に別状はなかったものの、3ヶ月間の通院を余儀なくされました。そして先日、相手方の保険会社から提示された慰謝料額は16万円。
正直、「え、3ヶ月も通院してこれだけ?」と耳を疑いました。しかし、ここから諦めずに交渉した結果、最終的に36万円、つまり20万円もの増額を勝ち取ることができたのです。しかも、自動車保険の弁護士特約なしで、です。
この記事では、父に代わって私が実際に行った交渉のプロセスを余すところなくお伝えします。同じように「提示された慰謝料が低すぎる…」と悩んでいる方の助けになれば幸いです。
なぜ保険会社の提示額は低い?知っておくべき「3つの基準」
そもそも、なぜ保険会社が最初に提示してくる慰謝料は低い傾向にあるのでしょうか?
実は、交通事故の慰謝料には3つの異なる計算基準が存在します。
自賠責基準: 法律で定められた最低限の補償。金額は最も低い。
任意基準: 各保険会社が独自に設定している基準。自賠責基準よりは高いが、次に紹介する裁判基準よりは低い。
裁判基準(弁護士基準): 過去の判例を元に算出される基準。3つの基準の中で最も高額になる。
保険会社が最初に提示してくるのは、多くの場合「自賠責基準」か「任意基準」です。これを知らずにサインしてしまうと、本来もらえるはずだった金額を大きく下回る額で合意してしまうことになります。
私たちの目標は、もちろん最も正当な金額である**「裁判基準」**で慰謝料を受け取ることです。
弁護士特約がなくても大丈夫!私が活用した「最強の味方」
「裁判基準で交渉するには弁護士が必要でしょ?お金がかかるし…」
そう思いますよね。私も父の自動車保険を確認しましたが、残念ながら弁護士費用特約には加入していませんでした。
一度は諦めかけましたが、色々と調べる中で「日弁連交通事故相談センター」という存在を知りました。
日弁連交通事故相談センターのポイント
これは、日本弁護士連合会が運営する公益財団法人で、なんと無料で弁護士に交通事故の相談ができるという、まさに「神」のような機関です。
全国154箇所に相談センターがあり、電話面談も対応いただけます。
有料の弁護士に依頼する前に、まずはこのセンターに相談することをおすすめします。ただし、一つだけ絶対に守ってほしい注意点があります。
それは、保険会社から「免責証書」という書類が送られてきても、絶対にサインしないこと! これにサインした時点で「提示された金額で合意しました」という意味になり、それ以上の交渉が一切できなくなってしまいます。
慰謝料16万円→36万円へ!交渉の全ステップを公開
日弁連交通事故相談センターの存在を知った私は、早速予約を取り、父の代理人として交渉に臨みました。
STEP1:弁護士との初回面談
事前に以下の情報・書類を整理して面談へ望みました。
・事故の状況:停車中に後ろから衝突された(相手の過失100%)
・保険会社からの提示額:16万円
・父の通院記録:3ヶ月で15回の通院
・相手方保険会社の担当者と連絡先:★これ重要★
上記の情報を踏まえ、弁護士の先生に「慰謝料を裁判基準で請求したい」という希望を伝えました。
すると、先生はすぐに計算をしてくださり、「①裁判基準への増額、②お父様の通院時のお母様の付き添い代の2点を請求できれば、約41万円になりますね。示談あっせんでは8〜9割での決着が多いですが、交渉を進めましょうか」と心強い言葉をいただきました。
STEP2:示談斡旋に必要な書類の準備
示談あっせんに向けて、事前送付書類と、当日の持参物がありますので、以下の書類等を用意いたします。
STEP3:示談あっせん当日
後日、センターで示談あっせんが行われました。相手方の保険会社は電話での参加となり、私は弁護士の先生と直接対面して交渉を進めます。
弁護士の先生から「9割の36万円であれば、相手方も合意しやすいと思いますが、いかがしますか?」と提案を受け、私は「それでお願いします」と回答。
先生がその場で保険会社に電話で交渉してくださり…。
なんと、1時間もかからずに交渉が成立!
後日、無事に増額された慰謝料が父の口座に振り込まれました。
日弁連交通事故相談センターを利用する際の留意点
そんな良いこと尽くしに見える日弁連交通事故相談センターですが、少しだけ留意する点はあるので、自分で弁護士を立てるケースとの比較表をご参照ください。
上表の通り、龍すべき点はあるものの、弁護士特約をつけていない場合は日弁連交通事故相談センターの利用がおすすめです。
まとめ:知識は力。諦めずに、正当な権利を主張しよう!
今回の経験を通じて、私が強く感じたのは以下の3つです。
①保険会社の最初の提示額は最低限の金額。
②慰謝料には3つの基準があり、目指すべきは「裁判基準」。
③弁護士特約がなくても「日弁連交通事故相談センター」を活用すれば無料で弁護士に相談が可能。
もしあなたが交通事故の被害に遭い、慰謝料の提示額に納得がいかないのであれば、すぐにサインをせず、まずは専門家に相談してみてください。正しい知識を持って行動すれば、結果は大きく変わる可能性があります。
ちなみに今回増額できた20万円を、仮に年率7%で20年間運用できていたとしたら、72万円以上に増える計算になります。お金の価値は、使い方や時間の経過で大きく変わるということも、改めて実感しました。
この記事が、誰かのお役に立てれば、これほど嬉しいことはありません。最後までお読みいただき、ありがとうございました!