- 投稿日:2025/10/21
- 更新日:2025/10/21
仕事をするとなぜ疲れるのか?
「判断疲れ」という言葉をご存知でしょうか。人は一日に35,000回判断していると言われ、そのたびに意思の力が削られているということが分かっています。例えば、仕事上の大きな判断もあれば「今日の昼食どうしようかな」という小さな判断まで、私たちは沢山の判断をしているのです。きっと私たちはそれを判断とも考えていないででしょうが、こうやって意思決定すを繰り返すことで疲労が蓄積され判断疲れを起こすということが分かっています。
判断疲れを起こした私たちのなれの果てはどうなると思いますか?誰もが思い当たるかもしれませんが、仕事帰りに無意識にコンビニに入りビールやアイスを買う経験は誰しもあるのではないでしょうか。そしてソファーで寝転がってテレビを観る。コレがなれの果てです。朝のすっきりした頭の状態では考えられない行動を夜に取ってしまう原因と言われています。
どこまでが自分の限界かというのは日々生きている中で感じ取るしかありませんが、とにかく小さな判断の連続で私たちは疲れているということをまずは押さえておきましょう。さて、疲れの原因が見えたところで次は解決策を考えていきましょうか!
私が提案、採用された会社のルール4選
こうやって日々が判断の連続ということに注目すると、どうしたら良いか自然と答えが出てきます。「判断する回数を減らす・判断の重さを下げる」です。この考えを元に、私が会社で提案し採用された小さなアイデアを4つ紹介させていただきます。あなたの会社に完全に当てはまらなくても、一つ一つ意識して毎日を過ごすと似たようなアイデアがたくさん出てくるはずなので参考になりますと幸いです。
1.デスクにあるモニターのHDMI端子は画面にかける
私が勤める会社はフリーアドレスで、昨日座った人と今日座る人が異なります。昨日仕事が終わってデスク周りを片付け物がない状態にするのですが、モニターのHDMI端子をどう片づけるかに個性が出ます。
AさんとBさんは後ろにグルグル巻きします。しかもAさんは右巻きで、Bさんは左巻きです。本人は見栄え良く丁寧に片づけているのですが、明日座る人は先ずこのHDMIのコードを解くところから仕事を始めなければなりません。
そこで、グルグル巻くことを廃止し画面に掛けることをルールにしました。座ったときに端子を引っ張ればすぐに仕事が始められる状態になります。
2.メールは本題から書く!
社内のメールであるにも関わらず、「〇〇さん お疲れ様です」からメールを書くとそれだけタイピングに時間がかかります。メールのtoがあるのだから、誰宛のメールかは明らかなはずです。会社によっては「●●課長・部長」など役職を入れたり、大企業になると出向先での役職を調べないといけないなどカオスなところもあります(私が勤めるグループの親会社)。これではメール一つ作るのが果てしない作業になってしまいます。
さらに、最後のやり取りが終わった後に一文「ありがとうございました。何卒宜しくお願い致します。」だけを返信することも廃止しました。
これらの挨拶文を削り、その代わり直接会って挨拶するときや会話するときには相手へ敬意をもって話しをしましょうと伝えています。コミュニケーションが大事という前提を伝え、日々のコミュニケーションコストを減らす取り組みを行っています。
3.マクロを使いボタン一つでメールが作成できるようにする
毎週、毎月など定期的に決まった内容を連絡することがあります。細かな中身は毎回異なるが報告する型は決まっていることが多いです。そこで、日々使う手順書やマニュアル内にマクロを仕込みボタン一つで8割完成している状態を作ることをルールにしました。ものによっては添付ファイルを張り付けたり、複数のメールを一気に作成するコードもあるため、メールの完成度だけでなくクリックやドラッグと多くの判断を削減することが出来ます。この手の仕事はデスクワークでは一般的なので、社内に共有し各業務で活用するようになりました。
社内で皆と話してみると、先月送ったメールを編集しているという意見が一定数ありました。しかし、明らかに自動メール作成機能を使った方が早く仕事が進むし、余った時間を有意義に使うことができます。この取り組みのもう一つの利点は、全員がマクロに触れることです。PCスキルの高い人が作ったものは、その後引き継がれないことが多く過去の遺産になりがちです。当社の場合、皆が使うことで触れる機会を強制的に作り確実に引き継がれる状態を作りました。
マクロに不慣れであっても、今はChatGPTがあれば使えるレベルのマクロを作ってくれます。あとは動かしてみて、思った動きと違う場合はその旨をChatGPTに伝えれば修正してくれます。
4.RPAなど自動でリマインドする機能を活用する
テレワークを活用していることもあり、今日出社するのか?を各自の予定表に入れておく必要があります。私の勤務先では、毎週木曜日の正午までに翌週の予定を入れるルールにしているのですが、登録漏れを防ぐため木曜日の朝に全員にリマインドを飛ばすよう設定しています。Microsoft製品を使っているのであれば、RPA以外ではPower Automateを使う方法もあります。
ここでも肝心なのは判断の回数を減らすことです。毎週木曜日の正午までに予定を入力することを毎回思い出すことは難しいです。そのためリマインドが来るまで思い出さなくてよいというのが大きな利点です。
「何となく」で生きないことが大事!
とある大企業の実話です。この会社は、1,000人規模で社員の平均年収が日本TOP10に入る企業なのですが「毎日気づきを3つ出しなさい」と指導されています。社長曰く、「毎日生きていたら不思議なこと、気が付くこと、違和感を覚えることだらけ」というのです。その小さな気づきに改善を加え効率化することをトップが推進しています。
どんなことでもいいのです。例えば机にペンを置きます。自分に対して横向きに置いているのと縦向きに置いているの、どちらが取りやすいですか?
多くの人が縦向きが取りやすいと思うことでしょう。そうであれば、ペンが縦向きに置かれる状況を強制的に作りストレスを減らす方法を考えることが出来ます。このように身近で出来ることから始まり、そして自分の周りには無限に改善すべきことがあります。実は、こういう行動は上司も見ていて、日々の気づきと改善に熱心な人は自ずと評価されていくようになります。それくらい、周りに意識を張って仕事をしている人は少ないものです。
判断疲れを減らしたその先へ
日々の判断疲れを減らしたら、あなたはどうしますか?ここは自分の生き方を考える話になってきます。残業が単純に減ることは素晴らしい。車内コミュニケーションや顧客サービスに費やす時間を増やすのも素晴らしい。副業に時間を割くのも大事なことです。
日々の雑多なことを少しでも減らし、心と体に余裕を持つとより正しい行動が取れるようになります。今回ご紹介したのは小さな一例ですが、これによって私は月間に数時間は副業に割く時間を増やせているし、体を休める時間にも充てています。早速今日から会社内にある違和感に気づき改善を行ってみませんか?