- 投稿日:2025/11/06
- 更新日:2025/11/16
マネーストックって何?お金の仕組みを簡単解説
答えだけ見たい方は目次で飛んでくださいね。
1分以内で説明する!を目標にまとめてあります。
お金の生まれる場所は2箇所!
💐🦔「前回、マネタリーベースについて解説したのはわかった?」
👧「わかったような…わからないような…」
💐🦔「まぁ大丈夫♪今日はもう一つのお金が生まれる場所、マネーストックについて説明するね!」
👧「お願いしまーす」
マネタリーベースとマネーストック
その3で説明したマネタリーベースは日銀の発行した日銀当座預金(と、流通している現金紙幣)
それに対して、マネーストックは市中銀行(民間銀行)が発行した銀行預金などです。
↓この図の右側の黄色い部分をまとめてマネーストックとしています。
マネーストックに含まれるもの(M1, M2, M3など)
マネーストックで何がわかるの?
マネタリーベースは日銀が発行する日銀当座預金で、私達が使うことはない貨幣でしたね。
それに対してマネーストックとは、 金融機関や政府を除く一般の人や会社などが持っている「現金+預金」などの通貨の合計量 のことを言います。
マネーストックを知ると、毎日経済活動を行っている主体である私達が保有している貨幣量を正しく把握することができます♪
マネーストックの中身
マネーストックには、どこまで“お金”とみなすかでいくつか種類がありますが日本では主に M1、M2、M3、広義流動性 のという4つが使われています。
「マネーストック◯兆円!」といっても M1、M2、M3、広義流動性をどこまで含めるかでその数字の大きさが変化します。
👧「なるほど!普段使ってるお金はM1っていうんだね💡」
💐🦔「そうなの。どれだけの貨幣が民間にあるのかを見るのに、必要な部分を分けて考えられるよね」
マネーストックがどう変わるか? 増える・減る仕組み
ではマネーストックはどんなときに減って、どんなときに増えるのでしょうか?
増える要因(+方向)
・銀行の貸し出しが増える
銀行が企業や個人にお金を貸すと、そのお金が預金として誰かの口座に入ります。これでマネーストックは増えます。
・公共的な支出や給付金
政府が国民に給付金や公共事業を通じてお金を出すと、それが預金として流れ、マネーストックを増やします。
減る要因(−方向)
・銀行の貸し出しが減る
不況などで貸し渋りが起きると、お金が世の中に出回らなくなります → マネーストックが抑えられる。
・借りたお金を返済する、納税する
「通貨保有主体」が保有していた銀行預金が減少するため、マネーストックは減少します。
🏛️ 国会での説明
実際に、日本銀行や財務省の答弁でもこの関係は説明されています。
たとえば、2023年の国会審議(参議院財政金融委員会)では、
日銀の担当者が次のように述べています:
「マネーストックは民間部門の保有通貨量を示すものであり、政府部門への資金移動(納税など)は、その分民間の資金量を減少させる要因となります。
— 出典:第211回国会 財政金融委員会 議事録(2023年4月)
つまり、納税や返済などでお金が民間から出ていくと、
マネーストックはその分減るというのが公的な理解です。
📊 マネーストックの動きが経済を映す
・マネーストックが増える → 景気刺激(消費・投資が増える)
・マネーストックが減る → 景気の冷え込み(企業活動の縮小)
マネーストックがどんな風に分布しているのかを想像する
ニュースなどの報道で「民間の通過保有量」が報道されていたとして、それはどこにあるもののことなのでしょうか。
家計なのか、企業なのか。
報道で毎日たくさんの政策が流れてきますが、個人レベルでの負担の押し付け合いなどは、マクロ経済の視点から見ると、意味のないことだったりします…(私には弱いものいじめの構図にも見えてしまいます😅)
ただ民間と言っても、企業部門(金融機関除く)なのか、家計なのか、そこを見極めるのも大切です。
まとめ
💡 マネーストックとは?
マネーストック=
👉「企業や私たちが持っているお金の総額」を表す指標です。
もう少し具体的にいうと、
日本全国の人や企業が持っている 現金(紙幣・硬貨)+預金(普通・当座・定期など) を合計したもの。(金融機関を除く)
日本銀行が毎月「マネーストック統計」として発表しています。
2025年の最新データ(2025年8月公表)では、 約1,400兆円 にのぼります。
どんな形であれ、マネーストックが増えないと、私達は貧しくなりますし、増えれば景気はよくなります。
報道で見るいろいろな政策、個人的な好き嫌いではなく、
マネーストックを増やすのか、減らすのか、その視点で見ると今までと違う視界が広がるかもしれません✨️✨️