- 投稿日:2025/10/27
- 更新日:2025/10/28
今回新たに、民泊用の物件を購入しました!

これで、民泊は4件目になります。
参考:【半年で完成】民泊の知識ゼロから田舎の空き家で月20万円!不動産の素人が成功した全記録
ここまで来るのに、実は100件以上の物件を内覧してきました。
その中で「これは失敗だった」「あの時気づいていれば」という経験も数多くあります。
実際に民泊用に買った物件が申請に適しておらず、泣く泣く賃貸にしたものも…
そんな試行錯誤を経て、僕は物件選びの際に必ず使うチェックリストを作りました。
このチェックリストのおかげで、物件の良し悪しを素早く判断できるようになっています。
そのおかげで、今回の物件もタッチの差で買い付けに成功しました。
今回はそのチェックリストを特別に、皆さんに公開しましょう!
前提条件
僕は田舎で、インバウンド向けの民泊をしています。
参考:なぜ田舎の民泊に外国人が殺到?Airbnb11年目ホストが明かす秘密
具体的には、以下の通りです。
・一棟貸し(家全体を貸し出す)
・賃貸ではなく購入(転貸はしない)
・人口10万人台の田舎(有名観光地はあり)
・外国人観光客がメインターゲット(日本人はサブ)
・価格帯は1泊3万円~5万円(4~6名での利用想定)
都市部や日本人向けの民泊とは少し視点が異なるので、その点をご理解ください。
ただし、多くの項目は他のタイプの民泊にも応用できるはずです!
絶対に外せない条件

この6項目は、1つでも該当したら購入を見送るべき致命的な条件です。
後々に大きな損失につながる可能性が高いため、妥協はしません。
雨漏りしていないか?
屋根の修理には大きな費用が掛かるため、これは絶対条件です。
雨漏り修理は部分的でも50万円以上、全体なら200万円を超えることも珍しくありません。
古民家の場合、屋根の葺き替えが必要になると500万円以上かかるケースもあります。
【確認方法】
・天井にシミや変色がないか(2階だけでなく1階も)
・雨天時に実際に内見できれば理想的
・屋根裏を見せてもらえる場合は必ず確認
家が傾いていないか?
家の傾きを直すには大きな費用が掛かるため、これも妥協できません。
傾きの修正(ジャッキアップ工事など)は、規模によって100万円から500万円以上かかります。
また傾いている物件は居心地も悪く、評価がマイナスになる可能性が高いです。
【確認方法】
・柱や壁が垂直か目視
・スマホの水平器アプリを使う
・ドアや窓の開閉がスムーズか(傾いていると建付けが悪くなる)
違法建築物じゃないか?
違法建築物だと民泊新法や旅館業法の申請が難しくなるため、これは致命的です。
田舎の古い物件は意外と、建築基準法に違反している物件が多いので気を付けましょう。
また建築基準法に適合していても、検査済証がない物件があったりします。
【確認方法】
・検査済証があるか
・増築部分もちゃんと申請されているか
・建ぺい率や容積率が上限を超えていないか
・軒先が道路にはみ出ていないか
3階以上の建物じゃないか?
3階建て以上の建物は火災発生時のリスクが高いため、消防設備基準がより厳格です。
自動火災報知設備はもちろん、場合によってはスプリンクラーの設置も必要となります。
設備投資だけで、数百万円かかることも珍しくありません。
蔵が付いてないか?
蔵は活用方法が少なく、解体には大きな費用が掛かるため、避けたほうが無難です。
解体費用は100万円以上かかることが多く、放置すると倒壊リスクもあります。
どうしても蔵付き物件を購入する場合、価格交渉で解体費用分を値引きしてもらいましょう。
土地が他人のものじゃないか?
借地料がかかり、自由な運用ができないため、必ず所有権のある土地を選びましょう。
毎月の借地料が収益を圧迫する上、建物の改修に地主の許可が必要だったりします。
また地主が変わると条件が変わる可能性もあるので、避けた方が良いです。
4つ以上満たすか

ここからは、あればあるほど良い条件です。
全部は無理でも、4つ以上満たす物件を探しましょう。
これらが多いほど、稼働率と単価アップにつながります。
駅から徒歩15分以内か?
外国人は電車で来るパターンが多いので、駅近はとても強いです。
しかし外国人は意外と歩くので、15分ぐらいまでは許容範囲と考えます。
徒歩5~10分以内だと十分な立地で、アピールポイントになるでしょう。
駐車場があるか?
日本人や車で来る外国人向けに、駐車場があるといいです。
特に2台分あると、グループ客やファミリー客に喜ばれます。
駐車場がない場合、近隣のコインパーキング情報を調べてみましょう。
眺望が良いか?
窓や庭からの景色が良い物件は、それだけで強力な武器になります。
写真映えするので、予約サイトでの訴求力がとても高いです。
海が見える・街が一望できる・夕日が美しいなど、「ここでしか見られない景色」は最大の差別化要因です。
コンビニやスーパーが近いか?
民泊の場合、自分で料理をしたり、家でご飯を食べる人は多いです。
そのため、コンビニやスーパーが近いとアピールポイントにあります。
理想は徒歩5分圏内に、どちらか一方(できれば両方)あることです。
カフェやレストランが近いか?
観光客にとって、食事の選択肢はとても重要です。
徒歩圏内に飲食店があると、物件の魅力が大きく向上します。
特に地元の食材を使ったお店や、観光客に人気のレストランがあれば強いです。
BBQができるか?
庭でのBBQは、インバウンド客に非常に人気があります。
滞在の満足度が大幅に向上し、口コミで高評価を得やすいです。
宿泊料金を1,000〜2,000円高く設定でき、グループ客の予約が増えます。
家が密集してないか?
田舎の民泊の魅力は、「静けさ」と「プライベート感」です。
隣家と適度な距離がある物件を選びましょう。
密集地の場合は騒音トラブルのリスクが高まり、クレームで営業停止になる可能性もあります。
非日常な空間であるか?
「ここでしか体験できない」要素があるかは、民泊成功の鍵です。
築100年以上の古民家、広々とした日本庭園、ユニークな建築様式など。
他では絶対に得られない体験を提供できる物件は、多少不便でも予約が入ります。
道がわかりづらい、狭くないか?
道案内をしない場合、場所がわかりづらい物件は避けましょう。
外国人の出身国によってはグーグルが制限されているところもあり、グーグルマップが役に立たなかったりします。
夜中お客さんがたどり着けなかったりすると、それだけでレビューが悪くなるのです。
物件状況

ここからは、物件自体のコンディションに関するチェック項目です。
リノベーション費用に直結するため、しっかり確認しましょう。
自分が住めるか?
これは、最も大切な基準です。
自分が住みたくない家に、お客さんを泊めることはできません。
清潔感や居心地の良さなど、「ちょっとした改修で自分も住みたくなるレベル」なら合格です。
トイレは水洗か?
現代の宿泊客にとって、水洗トイレは必須です。
汲み取り式の場合は水洗化工事が必要で、50万円〜100万円かかります。
ただし下水道が整備されていない地域では、浄化槽の設置が必要(100万円以上)なので、事前に役所で確認しましょう。
水回りが壊れていないか?
なにかあった時、水回りのリフォームは高くつくことが多いです。
キッチン・お風呂・洗面所など、状態をよくチェックしましょう。
また、給湯器の年式を確認しておくことも大事です。
床がたわまないか?
床を歩いて沈み込んだり、きしみ音がしないかチェックします。
床のたわみは、床下の構造材が腐っていたり傷んでいる証拠です。
ひどい場合は床を剥がす工事が必要で、広さによって50万円〜200万円以上になります。
基礎にひび割れがないか?
基礎のひび割れ(クラック)は、建物に構造的な問題がある可能性があります。
特に幅1mm以上の割れや斜めに走るクラックの場合、要注意です。
大きなクラックがある場合は、専門家(建築士やホームインスペクター)に見てもらいましょう。
洗濯機を置く場所あるか?
連泊客や長期滞在客にとって、洗濯機は重要な設備です。
屋外ではなく、屋内に設置スペースがあるか確認しましょう。
設置スペースがない場合でも、近くにコインランドリーがあればオッケーです。
エアコンを設置できるか?
夏場の予約獲得に、エアコンは必須です。
壁の上部にコンセントがあるか、室外機を置くスペースがあるかなど確認しましょう。
古い物件の場合は電気容量が不足していて、電気工事が必要になる場合があります。
1981年(昭和56年)以降の建物か?
この年以降の建物は新耐震基準で建てられており、地震に対する安全性が高いです。
それ以前の建物でも、耐震補強工事(100万円~)を行えば安全性を高められます。
ただし、費用対効果を考える必要があるでしょう。
路線価に対して適切な金額か?
土地の路線価を調べ、物件価格が妥当かどうか判断します。
古民家は建物の評価額がほぼゼロのことが多いので、実質的には土地代のみです。
「相続税路線価×土地面積÷0.8×1.1」で、その土地のおおまかな実勢価格がわかります。
周辺状況

最後に、周辺環境のチェック項目です。
これらは後から変えられないため、重要度が高いです。
工場はないか?
近隣に工場があると、騒音・振動・臭いなどの問題が発生する可能性があります。
特に、24時間ずっと稼働している工場は要注意です。
実際に現地を訪れ、できれば平日と休日、昼間と夜間で環境をチェックしましょう。
交通量の多い通りに面してないか?
幹線道路沿いの物件は、車の騒音問題があります。
田舎の民泊の魅力は「静けさ」なので、交通量の多い道路に面している場合は減点対象です。
ただし、二重窓や防音対策で改善できる場合もあります。
線路はないか?
近くに線路があると、電車の音が気になります。
特に深夜まで電車が走る路線の近くは、避けたほうが無難です。
ただし1日数本しか通らないローカル線なら、逆に「のどかさ」の演出になることもあります。
崩れそうな家はないか?
近隣に倒壊寸前の空き家があると、イメージが悪いです。
また台風や地震が発生した際、被害を受ける可能性もあるでしょう。
さらにそういった家が近くにある場合、空き巣や放火などの被害にあう確率も上がります。
変な人が住んでいないか?
近隣住民とのトラブルは、民泊運営の最大のリスクです。
できれば内見時に近所の人に挨拶し、雰囲気を確かめましょう。
また不動産業者に「この地域の住民はどんな感じですか?」と直接聞くことも大切です。
完璧な物件は存在しない

なお、これらすべての条件を満たす必要はありません。
というか、すべてを満たす物件なんて見つからないですから。笑
良い物件は本当、すぐに売れてしまいます。
予算の範囲内で70点の物件を見つけたら、速攻で買付を出すスピード感が大切です。
それぐらいの気持ちで探せば、きっと良い物件に出会えるでしょう。
最後に
民泊ビジネスにおいて、物件選びは成功の9割を決めると言っても過言ではありません。
どんなに内装をがんばっても、立地や構造に問題があれば稼働率は上がりません。
逆に70点の物件でも、立地がしっかりしていれば後から磨き上げることが可能です。
このチェックリストを活用して、素晴らしい民泊物件と出会えることを願っています。
そして最後は、あなたの直感を信じてください。
「この物件、なんかいいな」と感じたら、それが正解のサインかもしれませんよ!