• 投稿日:2025/11/01
親はどこまで関わるべき?― 学校・塾の先生との上手な付き合い方と、“介入しすぎない”関係づくり ―

親はどこまで関わるべき?― 学校・塾の先生との上手な付き合い方と、“介入しすぎない”関係づくり ―

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たけいし@受験の相談室$大学受験$

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こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。

受験期の子どもを見ていると、親としてはどうしてもいろいろなことが心配になります。
学校や塾の先生に相談したいこともたくさん出てくる。

でもそこで、次のような葛藤を抱えることもあるのではないでしょうか。
「先生に相談しておいた方がいいのでは…」
「でも、あまり出すぎても子どもの自立を妨げるかも」

こんなふうに、“どこまで関わるべきか”の線引きに悩む保護者はとても多いです。

この記事では、予備校で数多くの保護者面談を行ってきた経験をもとに、
親・先生・子どもの三者が上手に連携し、信頼関係を保つための実践的な関わり方を紹介します。

■ 親が出すぎると起こる「ズレ」

まず知っておきたいのは、「親・先生・子ども」の三者関係は、とても繊細なバランスの上に成り立っているということです。

親があまりに主導的になると、先生が「子どもの意見よりも、まず親御さんの意見をもとに動かなければ・・・」と考えてしまうこともあります。
その瞬間、先生と子どもの信頼の糸が少しずつ緩み、サポートの軸がブレていくのです。

例えば、こんなケース。

成績が伸び悩んでいる子に焦った親が、 「宿題をもっと増やしてください」「教材を変えてもらえませんか」 と直接要望を伝えた。 ところが本人は「これ以上増やされたらついていけない」と感じ、 結果的にモチベーションを失ってしまった——。

親としては良かれと思っての行動ですが、
子どもが板挟みになり、自分の意見を言いにくくなることがあるのです。

■ 「放任」もリスク。大切なのは“観察しながら見守る”姿勢

一方で、「任せる」と言いつつ完全に距離を取ってしまうのも危険です。
学校や塾の先生は、毎日多くの生徒を見ています。
だからこそ、「家庭でのちょっとした変化」をキャッチしてもらうには、親からの情報共有が欠かせません。

例えば、学校では一見元気そうに見えても、自宅に戻るとすごく落ち込んでいる・やる気が無いなど、ギャップがある子どももいます。
そんなとき、早めに連携を取ることで、受験期の小さな不調を防ぐことができます。

ポイントは、親の言葉を「指示・依頼」ではなく「報告・共有」に変えること。

「最近、勉強の話を避けるようになっていて少し気になっています」 「模試の結果を見てから焦っているようです」

こうした“観察の共有”は、先生との連携を強化する上で非常に効果的です。

■ 実践アドバイス:「子ども中心の三者連携」を意識する

保護者が先生と関わるときのキーワードは、【子ども中心】です。
以下のステップを意識すると、信頼関係を崩さずに連携を深めることができます。

① 家庭での様子を「具体的に・短く」伝える

観察/事実ベースで伝えることが大切です。
「家では机に向かう時間が減ってきています」や「英語に前向きになっています」など、感情ではなく事実を共有します。

② 子どもの意見や感情を代弁しすぎない

「本人はこう感じているようです」まではOK。
ただし「親としてはこうしてほしい」という“方向性”を要求しすぎると、先生の判断を狭めてしまいます。

③ 先生の意見をまず受け止める

納得できなくても、「なるほど、そういう見方もあるのですね」と受け止める姿勢を持つ事も大事です。
その上で「家庭でも話してみますね」と一呼吸置くと、建設的な関係が築けます。

④ 子どもに「先生にこう伝えようと思う」「先生とこんな話をしてきた」と報告する

親が勝手に話を進めるのではなく、
【親・先生・子ども】の三者でどんな連携を望んでいるか、子ども本人の意見を聞くこと。
これが、親が味方であるという安心感につながります。

■ 実例で見る:「介入の仕方」で結果が変わる

成功例

高3の娘が志望校選びで悩んでいたとき、母親が先生に「最近、進路の話を避けています」とだけ伝えた。
先生はその情報をもとに本人へ優しく声をかけ、結果的に娘は自分から進路を話すようになった。

→ ポイント:親が“伝えるだけ”に徹したことで、先生が適切に介入できた。

失敗例

母親が「この大学に行ってほしい」と思うあまり、先に先生へ希望を伝えてしまった。
その結果、子どもは「先生まで親と同じ意見なのか」と感じ、誰にも本音を話せなくなってしまった。

→ ポイント:“方向を決める”介入は、子どもの自立心を奪う。

■ 最後に:子どもを信じ、先生を信じて“チームで見守る”

親が先生に相談するのは、決して悪いことではありません。
むしろそれは、子どもをチームで支えるための第一歩です。

ただし、その目的が「子どもをコントロールするため」ではなく、
「子どもを理解しやすくするため」であることが大切です。

受験も進路も、主人公はあくまで子ども自身
親と先生はそのサポートをする存在です。
焦点の当て方を間違えず、子どもが自分の足で歩いていけるように支えてあげましょう。

💡まとめ

●親が主導しすぎると、先生と子どもの信頼関係にズレが生まれる

●「報告・共有」はOK、「指示・要望」にならないよう注意

●親・先生・子どもを“チーム”として考える

●最後は「信じて見守る」ことで、子どもの主体性が育つ


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