• 投稿日:2025/11/02
  • 更新日:2025/11/04
株式/現金比率のワナ⚠️現金に生活資金を入れていませんか⁉️【図解つき】

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要約
投資の話でよく出る「株式と現金の比率」。この“現金”の中に生活費や生活防衛資金を含めている人が少なくありません。投資に使えないお金を現金比率に入れると、実際よりも安全だと錯覚してリスクを取りすぎてしまうことも。本記事では正しい資産配分の考え方を、図を使って分かりやすく解説します。

投資の話をしていると、「株式と現金の比率はどれくらい?」という話題がよく出ますよね。
でも実際に聞いてみると、この「現金」の中に生活費や生活資金まで含めている人が意外と多いです。

私は投資歴10年ですが、この点をきちんと整理しておくことが、リスク管理や精神的な安定、ひいては投資成績にまで大きく影響します↗️

この記事では、「現金」と「キャッシュポジション(=投資用の待機資金)」を明確に区別する考え方を、図を使いながら分かりやすく解説します。

暴落時に退場しないための大事な考え方ですので、ぜひここで押さえていきましょう!

⚠️大前提:投資は余剰資金でします

学長もよく仰っていますよね。

🦁「投資は余剰資金でするんじゃよ~」
🦁「生活防衛資金が貯まるまで投資したらアカンで~」

リベで学んでいる皆さんは、耳にタコができていると思います。
でも、今回のお話をする上で、この大前提を避けて通ることはできません。

むしろ、この前提を押さえていれば、現金比率の「現金」に生活資金を含めることはないはずです。
逆に、「🙍‍♂️現金比率に生活資金を入れていたよー」という方は、この前提を少し忘れていたかもしれません。

どういうことか、2つの観点から説明していきますね。
2つの観点とは、
 🔷キャッシュフロー(お金の流れ)の観点と、
 🔷ストック(資産)の観点です。


※「生活防衛資金を貯めてから投資を始める」点については、
リベ大の記事の「収入の分配と投資リスクの話」や、
学長の動画の「投資は生活防衛資金が貯まるまでやっちゃダメ?」で復習できます。

💰️お金の流れ(フローの視点)

投資を考えるうえで大切なのは、まず「お金の流れ(フロー)」を整理することです。
こちらの図をご覧ください。生活防衛資金を把握しよう.png

毎月の収入からまず生活費を支払い、残ったお金を貯めていきます。
※生活費の中には、すぐには払わない「中期資金」の確保もあります。敵3や敵4などの特別費ですね。

次に目指すのが、「生活防衛資金」の確保。
この生活防衛資金が確保できたら、次のステップに進みます。

生活防衛資金から溢れ出ている「残ったお金」、これが余剰資金です。
余剰資金は投資(株式、債券等)と投資用の貯金、そして浪費に使われます。

この「投資用の貯金」──これこそが株式/現金比率でいうところの現金、つまりキャッシュポジションです。

キャッシュポジションは、いわば投資の待機資金
すぐに株や投資信託を買うためではなく、暴落時などの投資チャンスに備えて温存しておくお金です。
また、暴落時の資産減少を抑えてくれる役目もあります。

この図における「生活費」および「生活防衛資金」と、
「キャッシュポジション」とでは、目的も性質もまったく異なります。

🔷生活防衛資金:万が一のとき生活を守るための“保険”
🔷キャッシュポジション:暴落時に減少幅を抑える”クッション”、または買い向かうための“アクセル”

仮に株価が暴落したからといって、生活費や生活防衛資金のお金を投資に回すことはできないですよね。
つまり生活資金は、投資には使えないお金なのです。

これらを混同してしまうと、リスク管理が曖昧になり、知らず知らずのうちに危険な運用になってしまいます。
これについては、次の章で具体的に紹介しましょう。

ℹ️補足1:別の視点から見たフロー

上の図の各要素を目的別に分けると、次のような階層になると思います。
生活用のお金(生活費、敵4などの特別費、生活防衛資金)、すなわち生活資金は確実に取り分けて、余剰資金からその他のお金を捻出するイメージです。フロー図1.png

また、「お金を使うタイミング」という視点で切り分けると、次のようになると思います。フロー図2.png

🔷生活費や浪費は、すぐに使う
🔷生活防衛資金や事業投資は、少し先に使う(かもしれない)
🔷株式やキャッシュポジションは、かなり先(15年以上など)に使う

というイメージです。
こちらの図の方が、敵1~敵4などと合わせて考えやすいかもしれません。
・生活費~浪費が「敵1~敵4」に該当し、
・事業投資+将来のためのお金が「貯蓄・投資へ」に該当します。家計管理-4つの敵.png

出典:リベシティ公式素材

いずれにせよ、
 🟩生活用の現金(生活資金)と、
 🟨投資用のキャッシュポジションは、
全く違うレイヤー(階層)にあり、混じってはいけないことがお分かりいただけるかと思います。


※なお私が作成した図では、「将来のためのお金」の下に株式とキャッシュポジションしかありません。
これは、学長が推すシンプルポートフォリオを反映しているためです。
人によっては株式以外に債券やREIT、不動産、暗号通貨なども入ると思います。

🏦資産全体(ストックの視点)

別の観点でも見てみましょう。
仮に、あなたが次のような資産を持っているとします。

🟩生活用口座:100万円
🟩特別費口座(敵4など):100万円
🟩生活防衛資金:100万円
🟨キャッシュポジション:100万円
🟨株式:600万円

合計で1,000万円の資産です。

このとき、「株式:現金」の比率を単純に計算すると、
株式600万円:現金400万円で、60:40になります。
これだけ見ると、「そこそこ保守的なポートフォリオ」に見えるかもしれません。

でも実際のところ、この現金400万円のうち、300万円は投資に使えないお金(生活用口座+特別費口座+生活防衛資金)です。

したがって、投資でリスクを取れる余地がある現金、すなわちキャッシュポジションは、100万円だけ。
実際の株式/現金比率は、株式600万円:キャッシュポジション100万円で、86:14となります。

この状況を図で表すと、こうなります。円グラフ.pngつまり、最初の「60:40」という見かけ上の比率より、
実際にはずっと株式に偏っているのです。

この違いに気づかないまま「まだ現金40%あるから安心」と思っていると、
暴落時に「思ってたより資産が減ってる⁉️」と慌てたり、
資金が足りなくて買い増しできない😭」なんてことになりかねません。

🛑「現金比率」は、投資可能な資金だけで考える

株式と現金の比率を考える目的は、
「リスクを自分の許容範囲内に抑えること」と、
「暴落時に備えること」です。

そのためには、投資に使えないお金(生活費・生活防衛資金など)を、
現金比率、すなわち“キャッシュポジション”に含めないことが重要です。

「現金」という言葉を聞くと、つい「全ての預金残高」が頭に浮かびますが、
投資の世界でいう「現金」とは、正確にはキャッシュポジション──投資用の待機資金のことです。

資産の分類としての「現預金」と、投資運用上の「キャッシュポジション」は、まったくの別物。
ここを整理して考えられるようになると、資産配分(アセットアロケーション)をより現実的にコントロールできるようになります。


📒補足2:帳簿の管理方法

ちなみに私は「総資産」と「資産運用」でそれぞれ別のExcelファイルを作成し、管理しています。

🔷総資産:生活防衛資金や特別費、キャッシュポジション等も含む金額
🔷資産運用:株式やキャッシュポジションなど、投資用のお金のみ管理

株式/現金比率を管理しているのは、"資産運用"の方のファイルです。
このようにして明確に帳簿を分けておけば、生活用のお金とキャッシュポジションが混じることはありません。

🏧補足3:口座の管理方法

帳簿上で現預金を"生活費"と"キャッシュポジション"に分けていても、
それらが同じ口座に入っていたら、パッと見で区別がつきません。
そして人間は見た目に流されやすいものです。

もしかしたら帳簿上の"生活費"を、いつの間にか勘違いして投資に突っ込んでいるかもしれません。
それでは安心して投資ができないですよね。

なので、そのようなことが起きないよう、仕組みで解決するのがベターです。
私の場合、次のように分別して管理しています。

🏦銀行口座:生活費、特別費、生活防衛資金など
💰️証券口座:株式、キャッシュポジション

証券口座の部分は、d NEOBANK銀行であればハイブリッド預金でも良いかもしれません。

いずれにせよ、生活用のお金と投資用のお金は、
帳簿も口座も明確に分けて管理することがポイントです。

まとめ:投資は「余剰資金」でやるのが鉄則

投資はあくまで余剰資金で行うもの
日々の生活を守るお金と、
資産を増やすためのお金を明確に区別することが、
長く安定して投資を続けるための第一歩です。

生活資金がしっかり確保できていれば、心に余裕を持って相場に向き合えます。
そしてキャッシュポジションを意識して管理すれば、暴落時にも慌てませんし、勇気を持って買い向かうこともできます。

投資の成績は、株価の動きだけでなく、こうした資産管理によっても大きく変わってくるものです。
この機会にあらためて現金比率を確認し、いつか来る暴落に備えていきましょう💪

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