• 投稿日:2025/11/15
——得意を伸ばすべきか、苦手をなくすべきか——

——得意を伸ばすべきか、苦手をなくすべきか——

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たけいし@受験の相談室$大学受験$

たけいし@受験の相談室$大学受験$

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要約
受験と社会で“得意を伸ばすor苦手をなくす”の最適解は違います。 点数で戦う受験はまず苦手克服、上限のない社会は得意を武器に活躍する世界。 でも、どちらにも共通する鍵は「バランス」。 この記事では、「得意を伸ばすか」「苦手をなくすか」自分の努力の方向性がクリアになります。

こんにちは。元大手大学受験予備校職員の”たけいし”といいます!
私はこれまで大学受験予備校で多くの受験生、保護者と関わってきました。

「得意を伸ばすべきか、それとも苦手をなくすべきか」

このテーマは受験勉強だけではなく、社会に出てからも多くの人を悩ませ続ける問いだと思います。

そしてこの問いには、はっきりした正解がないからこそ迷います。
自分の苦手な事に向き合えず苦しい気持ちになったり、このままでいいのかと不安になったりすることもあります。

この記事では、受験勉強と、それ以外の社会生活両方を取り上げながら、このテーマを深く掘り下げていきます。

※ここで定義する「社会生活」とは
=働く場・人間関係・家庭・コミュニティなど、「受験以外の場」や「学校を出た後の人生そのもの」

◆結論

受験 → まずは「苦手をなくす」が最優先。
社会生活 → 「自分の得意で人に貢献し、苦手は人に頼る」が最強。

そしてどちらでも共通するのは、
得意を伸ばすだけ、苦手をなくすだけ」のようにバランスを欠いてはいけない
ということです。

その理由を、これから紐解いていきます。

◆受験勉強では、なぜ“苦手をなくす”ことが重要なのか

受験はとてもシンプルで、だからこそ残酷な一面もあります。
というのも、受験は基本的に、「合計点が高いか、低いか」によって合否が分かれる仕組みだからです。

✔ どれだけ得意科目を伸ばしても、満点という上限がある
✔ 苦手を放置すると、合計点がそこで頭打ちになる

この「上限の存在」こそ、受験という世界の本質です。

得意科目は頑張っても伸び幅がだんだん小さくなります。
一方で苦手科目は 伸びれば伸びるほど合計点UPに直結する 伸びしろの塊です。

また、苦手があることでさらに厄介なのは、
ある苦手単元を放置すると、別の単元への理解にもブレーキがかかる という現象です。

・英語の文法がわからないから長文が読めない
・数学の基礎計算が曖昧だから応用問題に進めない
・古文単語が覚えられていないから読解が進まない

これは“心の負荷”も大きくしてしまいます。

「いくら勉強しても前に進んでいる感覚がない……」
「やらなきゃいけないのに、気持ちがついていかない……」

苦手が残ったままに日々が続くと、
自信も、やる気も、静かに削られていきます。

だから受験では、
まずは「苦手をなくす」が最優先の戦略になるのです。

■受験勉強でも、苦手は“人に頼っていい”

「苦手と向き合わなければいけない」というと、すべてを自分自身で努力して克服しなければいけないと勘違いする受験生もいますが、それは違います。
苦手を克服するために人に頼ってもいいのです。

・先生に質問する
・友人に教えてもらう
・塾で学ぶ
・勉強方法そのものをアドバイスしてもらう

苦手をなくすために“人の力を借りる”ことは受験戦略の一部です。

ただし、
最終的に努力を実行するのは自分自身である
という点だけは変わりません。

◆一方、社会には“満点の上限がない”。だから得意が武器になる

ここからは受験以外の話です。
社会とは、働く場・人間関係・家庭・コミュニティなど、「受験以外の場」や「学校を出た後の人生そのもの」を指します。

社会では、受験と違って──

「テストのような正解」も、「満点という上限」も存在しません。

得意はどこまでも伸ばせますし、それこそが大きな武器になります。
自分一人で苦手克服に時間を使い続けて成果が出ないより、
自分の得意なことを伸ばして人に貢献し、かつ自分の苦手なことはそれを得意とする人と協力して成果を出すほうが、はるかに価値があります。

・自分の得意を最大限活かす
・自分の苦手は得意な人に任せる
・それぞれの力を補完し合って成果を最大化する

仕事でも家庭でも、すべてを一人で抱え込む必要はありません。
周囲の人の協力を得ながら前進していくことこそ、社会での大事な力です。

◆では、社会では苦手を放置してもいいのか?──答えはNOです

「得意で勝負すべきなら、苦手は全部人に任せていいの?」
そう思うかもしれませんが、答えはNOです。

苦手と向き合わない姿勢は、長期的に見ると人間としてのバランスを欠いてしまいます

苦手に取り組む過程には、悔しさや劣等感などの感情がついてきます。
しかし、そのプロセスこそに価値があります。

なぜなら、苦手と向き合う過程には、

・自分の限界を知る
・課題に気づき、向き合う力がつく
・他者の苦手への理解が深まる
・失敗を恐れなくなる
・自分の得意の活かし方が見えてくる

といった “人間力を育てる効果” があるからです。

さらに——
苦手に挑戦した経験がある人は、
人に頼るときも相手を思いやれる ようになります。

・なぜ頼る必要があるのか
・自分にとってどこが難しいのか
・どの部分を助けてほしいのか
・どう感謝を伝えるべきか

これらを理解しているからこそ、
“上手に頼れる人”になれるのです。

結局のところ、

周囲とうまく協力できる力は、得意だけでなく苦手にも向き合ったバランスから生まれます。

受験でも社会でも、これは共通して大切な姿勢だと思います。

◆おわりに──得意も苦手も、どちらもあなたを形づくる大切な要素です

受験は「合計点で勝負する世界」。
社会は「得意を掛け合わせる世界」。

違うようでいて、実はどちらも
自分の得意と苦手をどう扱うかが鍵
という点では同じです。

そして人生を長い目で見たとき、大切なのは

・苦手から逃げない姿勢
・得意を武器にする力
・人に頼り、人を支える力
・自分と他人を理解する人間力

これらの総合力です。

受験勉強は、その土台を作る序盤のステージ。
社会は、それを活かして成果を作る次のステージ。
そう言えるのかもしれません。

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