- 投稿日:2025/11/24
◆ なぜ「あの」みんなで大家さんに投資したのか
いま、悪い意味で世間を騒がせている「みんなで大家さん」ですが、実は私も過去に投資していた一人です。
投資に興味を持った方なら、一度ならず何度もその名前を耳にしていると思います。私もそんな一人でした。
不動産投資をするほどのお金はない。でも、銀行金利よりずっと良い利率。定期預金感覚で気軽に始められる。
こうした甘い誘いに惹かれ、「1口だけ試してみよう」と軽い気持ちでスタートしました。
◆ 最初の成功体験と「安心」という名の罠
◇ テーマパーク物件での投資
私が最初に投資したのは、あるテーマパーク関連の物件でした。
初めての出資だったので不安はありましたが、ネットで調べると無事に運営されていそうでしたし、何より手続きは簡単でした。
そして、満期になり解約。
気軽に始めたとは言え、初めての投資で不安はあったので、無事に最終利息と共に元金が返ってきた時は、心底ホッとしました。
◇ 慢心が生んだ2度目の投資
「一度返ってきたから大丈夫そうだし、またやってみようかな?」
そう思ったのは、その約1年後でした。ちょうど次の募集案内が届いていたんです。「一度うまくいった」という成功体験が、危険な安心感を生んでいました。
前回はテーマパーク、そして次は工場でした。
◆ 違和感の始まり
この工場への再投資が、私にとっての大きな転換点となりました。
前回のテーマパークは運営状況を確認できましたが、今回の工場はどうも稼働状況が怪しい…
できる限りネットで調べてみましたが、その中で「ポンジスキーム」という恐ろしい言葉を知り、不安は膨らむばかりでした。
◇ 曖昧な返答が決定打に
不安が全く払拭できなかったため、工場の状況について運営会社に問い合わせをしました。しかし、その返答は曖昧で要領を得ないものでした。
この時、「これはまずい」と直感しました。
◆ 満期を待たず中途解約へ
「不安を抱えたまま満期を待つことはできない」
そう決断し、満期まで1年を残して解約しました。
解約時もメールや書類でやり取りして、解約手数料を引かれた金額がそれまでの日割りの利息と共に、解約スケジュール通りに問題なく返金されました。
お金が戻ってきたこと自体に安堵しましたが、手数料を払ってでも手を引いた自分の判断は正しかったのか?という疑問も残りました。
自分の直感は正しいのか。
あとたった1年なら我慢すべきではなかったか。
ただ、その疑問もすぐに解決されたのです。
◆ ギリギリで逃げ切れた私が出した教訓
業務停止命令が出たり、事件として大きく報道され始めたのは、私が解約し、返金された直後のことです。
無事返金されてホッとした半面、あの時あと少し判断が遅れていたら、今の被害者の一人になっていたかもしれないという事実に気付き、今でも背筋が凍るような思いです。
このギリギリの経験から、私は以下の二つの大きな教訓を得ました。
・ 高すぎる利回りには必ず裏付けが必要である。
・ 自分の直感、不安を無視してはいけない。
投資は自己責任ですが、「安全神話」を盲信せず、自分の目で調べて違和感を覚えたら、損失を出してでも手を引く勇気を持つことが、どれほど大切かを痛感しました。
投資は自己責任です。でも「安全そう」に見える話ほど慎重に。
少しでも違和感を覚えたら、「やめておこう」という判断も立派な決断です。
私の失敗しかけた体験が、誰かの冷静な判断につながれば幸いです。