- 投稿日:2025/11/17
- 更新日:2025/11/19
怪しいDMから、自分の身を守ろう
SNSで届く見知らぬ相手からのDMに、不安を抱いた経験はありませんか?
その感覚は正しく、多くの人が同じ不安を抱えています。
私はリベを知る前に、DMを信じて判断を誤った過去があります。
説明内容と実態に差異がある高額商材を購入してしまいました。
その額なんと 100万円...😱
その結果、経済面だけでなく精神的なダメージも負いました。
本記事は、DM勧誘に潜む心理操作を理解することが目的です。
さらに実体験を踏まえ、危険を避ける考え方と防御策を整理しました。
読み終えた頃には、勧誘を客観視し、自分を守る判断基準が手に入ります。
DM勧誘はなぜ発生するのか|ターゲットの選定と仕組み
DM勧誘は偶然ではなく、裏側に選定基準が存在しています。
相手は投稿やプロフィールから、属性や悩みを推測して選定します。
主な狙いは「夢」「不安」「理想」を抱える人たちです。
以前の私のように理想と現実の差を感じ、SNSに掲載する層は反応しやすいと見られています。

SNSは信頼を築きやすく、警戒が薄れやすい環境が整っています。
その特性を利用し、勧誘するための導線が仕組まれていく形です。
【実体験】勧誘に至る流れと心理変化の記録
●DM開始 → 共通点アピール → 通話誘導
最初はInstagramに届いた、軽い挨拶のDMから始まりました。
趣味のカフェ巡りに触れられ、「仲良くしたい」と声を掛けられました。
当時の私は夢や理想を語りつつ、カフェ投稿も並行して行っていました。
関連タグから閲覧され、興味を持たれた可能性が高いと考えています。
相手は私の投稿に複数反応し、フォロー後にDMを送ってきました。
プロフィールを見ると趣味が似ており、共通点に親近感を覚えました。
この時点で「趣味が同じで、気が合いそうだ」と感じていました。
相手が異性だったことも重なり、警戒心が少し削られていきました。
(悲しきオスの性。笑)
その後はカフェの話題を軸に、短いやり取りが続きました。
4~5回のラリー後に「ビデオ通話で話しませんか」と誘われました。
当時はコロナ禍でオンライン交流が普及しており、疑問を抱きませんでした。
金融知識も乏しかった私は、新しい縁だと解釈し通話に応じました。
※参考までに、別の人から届いた類似DMの履歴が残っていたので掲載します。
この方は私の旅行に関する投稿から見つけたのだと思います。
DM開始 → 共通点アピール → 通話誘導のイメージ図としてご覧ください。



●話題転換と「師匠」の存在アピール
ビデオ通話は軽い雑談から始まり、生活や趣味の話題が続きました。
徐々に理想的な働き方や自由な生活の話題へ移り始めました。
相手はフリーランスを名乗り、成功者と繋がる重要性を強調しました。
さらに成功者(以下「師匠」)と繋がりがあると、権威を匂わせてきました。

後に知りますが、師匠は商材組織の中心人物でした。
当時の私は自由な働き方へ憧れ、話に興味を抱き始めました。
● 限定性と特別感の演出
相手は「成功できたのは師匠と出会えた経験が大きい」と語ります。
「機会があれば話してみたいですか?」と期待を煽られました。
続けて「貴重な機会」であり「特別な紹介」と強調されました。
「忙しい方なので普通は会えない」と付け加えられました。
さらに「あなたなら信頼できるので紹介できます」と言われました。
まさに学長も仰る典型的な誘導フレーズです。笑

限定性を感じた私は、機会を逃したくない気持ちが強まりました。
結果としてLINE誘導を受け、イベントに参加しました。
イベント参加者は同じ接触方法で集められたと推測できます。
師匠は海外で仕事中という理由で遅れて参加。師匠を待つ間、
映像や実績紹介を交え、師匠の権威と信用の積み上げが行われました。
その後師匠が登場し、参加者からの質問へ回答しながら、自身の成功を印象付けました。
● 相談会への誘導と心理の変化
イベントの終盤で「遅れたお詫び」として相談会が案内されました。
「今だけ」「限定」といった表現が強い印象として残りました。
後に気付きましたが、師匠は毎回遅れてきます。
毎回最後に相談会を提示する構成だったのですが、
「お詫び」や「限定」という言葉を加えると、価値を高く捉えやすくなります。
その結果、特別な機会だと感じ、参加意欲が高まりやすくなります。
また「海外で仕事中」というのも嘘でした。稀に本当に海外にいるときもあるようですが、大抵は日本にいます。
権威性をアピールするためなのですが、画面越しのため、
師匠は本当に「海外のホテル」にいるように感じやすい状況でした。
こうして私は再び信用してしまい、相談会に参加する判断をしました。

相談会が始まると、師匠と共にビジネスをやっている人(情報商材販売組織の幹部的な人(以下「メンター」))が組織(以下「コミュニティ」)について説明し始めました。
ここから高額な商材提案に向けた説明が展開されていく形となります。
構造としては、ネットワークビジネスでもよくみられる「ABC」に近い形式でした。
この相談会での役割は次のように整理できます。
A:説明を担当する人物(メンター)
B:AとCをつなぐ人物(DMから相談会へ導いた人)
C:説明を受ける立場(当時の私)
権威の高い相手が説明するほど、価値を感じやすくなる傾向があります。
● 提示された商材と説明内容の不足
商材の内容は、コミュニティへ参加し教材動画やセミナーで学習する形でした。
学んだ方法を行動へ移すことで、収益化も狙えるという説明がありました。
一方、具体的な学習内容や収益の流れは明確に示されません。
詳細は「加入後に伝える」と説明され、情報は伏せられました。
(それでも信じてしまった私。笑)

提示された金額は約100万円で、今だけ特別価格と案内されました。
通常価値は倍と説明され、限定性を強調していました。
● 支払い誘導と心理の追い込み
ここで問題となったのは、当時の預金額が不足していた点です。
その状況を伝えると、代替策として別の方法が示されました。
提示内容は借入と複数枚のクレジットカード発行を促すものでした。
それぞれの目的は、
借り入れ:商材を購入し、コミュニティに加入させるため
クレジットカード:雇用されている内がカードの審査が通りやすいからと可能な限り発行させ、コミュニティに入ってからもカードを切って出費できるようにするため
続けざまに「良い借金もある」といった言葉が重ねられました。
「成功者は皆経験している」
「私も借金をしたからチャンスを掴めて上手くいった」などの説明が続きました。
肯定的な言葉が並び、判断が鈍る状態へ向かった感覚でした。

結果として私は借入を行い、商材を購入してしまいました。
さらに不要なクレジットカードも作成する形となってしまいました。
● 加入後に知った実態
コミュニティに加入後、想定外の事実が判明しました。
・営業手法を学び、同様の情報商材を販売して、コミュニティメンバーを増やす組織だった。
・DM送ってきた人はただのコミュニティメンバーで、自称フリーランス。実績は虚偽に近い内容だった。
・情報商材の利益配分は上層部に集中し、一部のみが紹介者へ還元される構造だった。
・収益化には同様の勧誘行為をするしかない。
これらの実態を知り、私は人を欺く行為はできないと判断し、コミュニティを抜けました。
その結果、負債だけが残り、うつ病も患い、精神的にも深い傷が残る形となりました。
●当時の心理
当時の心情は段階的に変化し、最終的な判断へ進んでいきました。
期待 → 興味 → 信頼 → 思考停止 → 決断
この順序で認識が変わったと振り返っています。
そして決断前は精神的な揺らぎが強く、冷静さを欠いていました。
特に 焦り・煽られて生じた将来への不安・機会損失の恐怖 が強く残っています。
勧誘で使用された心理テクニック
以下では、当時使われた心理テクニックを整理します。

営業で使える!心理学テクニック12選
GENIEE’s library編集部
①権威性
→ 実績や肩書きを強調し、影響力を演出する手法。
相手は「場所や時間に縛られない生活」を繰り返し語りました。
カフェでお仕事をし、自由を満喫している様子を語ることで権威性を演出しました。
②返報性の法則
→ 好意を与えられるとお返ししたくなる心理が働く現象。
ビデオ通話でおすすめカフェを紹介し、フリーランスについても教えてくれたと思い、親切だと感じました。
その結果、「何か返さなきゃ」という心理が無意識に生じたのだと思います。
③単純接触効果
→ 接触回数が増えるほど好感度や信頼度が上がる心理現象。
初回の通話では勧誘せず、雑談中心で距離を縮めていました。
複数回の通話により安心感と親近感が積み重なっていきました。
④ポジショニング
→ 競合との差別化を行い、希少価値が高い存在と印象づける技術。
「稼げない人が多い中、私は成功者(師匠)と繋がっている」と強調され、
他者とは違う特別な立ち位置を演出していたことを覚えています。
⑤ハロー効果
→ 外見や肩書きなど、突出した要素に評価が引きずられる現象。
相手は清潔感のある格好で登場し、視覚的に良い印象を与えました。
加えて「週の半分はホテル暮らし」だと言い、ビデオ通話もホテルの一室から行うことで、「自由な生活」を送っている印象を固めました。
※しかし、その生活は演出であり、実態は全く異なっていました。
ビデオ通話の日だけホテルを利用し、コミュニティの活動だけでは生活できないのでアルバイトも掛け持ち。
時間も生活も、自由ではありませんでした。
⑥”さりげなく”テクニックを利用
→ 上記要素を自然に混ぜ合わせ、気づかれない形で利用する。
会話は終始自然で、勧誘されている感覚がなかったことが厄介でした。
振り返ると、随所に勧誘テクニックが含まれていましたが、見抜くことができませんでした。
これらは本来、健全な営業においては優れたスキルです。
ですが、虚偽や演出を加えて悪用されれば、危険性が伴います。
今回の狙いは「思考停止を誘発し、判断力を奪うこと」でした。
私もまんまとやられ、最終的に商材購入へ導かれた形でした。
誘導されやすい状態とは?
当時の自分を振り返り、誘導されやすい要因を整理しました。
もしあなたが似た状態にあるなら、一度確認してほしいです。

・将来に対する不安、焦り、孤独、自己肯定感の低下
→当時はワーホリのために退職した直後に、コロナウイルス感染症拡大が起きてしまいました。
渡航延期が続き、将来に対する焦りと不安を抱えていました。
・「現状を変えたい感情」が強い
→渡航できないことから焦りが募り、何かを変えなければと強く思っていました。
その感情は誘導の過程で加速し、冷静さが薄れていきました。
・目標、成功を急ぎたい心理に付け込まれる
→恥ずかしながら、当時は「自分に合う方法が見つかれば成功できる」と考えていました。
楽して稼げる手段など存在しないと今なら断言できます。
「楽して稼げる方法はない」。学長の言葉を、当時の私に伝えたいものです。
自分の状態を客観視することは大きな防御になります。
上記項目をチェックリスト化し、自身の状態を確認してみてください。
どうすれば防げたのか|段階別の危険サイン
この経験を踏まえて、未然に防ぐための行動を整理しました。
参考文献の内容とも照らし合わせ、段階別に対策をまとめています。
この記事を読むあなたの安全確保に役立てば幸いです。

【注意喚起】Instagramでフリーランス志望を狙う怪しいDM(後半)|30代イラストレーターの体験談
Keito|HSS型HSPフリーランス
Level 1|DM受信段階
→知らない相手から届くDMは、原則スルーするのが最善策です。
ただし文章次第では一通目で判断できず、見抜けない場合もあります。
距離を急に縮める・矢継ぎ早な質問・通話誘導があれば危険信号です。
また、悩みや不安を話してしまうと、相手に付け入るスキを与えてしまいます。
心理的弱点を握られないよう、不安や悩みは明かさないでください。
Level 2|通話誘導段階
→通話に応じなければ、師匠紹介や営業行為は防げます。
「会わない」選択が1番自分の身を守ってくれます。
Level 3|師匠・メンター登場段階
→無名の一般人が、本物の成功者に会えることは稀です。
相手から簡単に紹介してくるということは、裏に別の意図が潜む可能性が高いです。
表面上の肩書きや実績紹介だけで、判断することは避けましょう。
Level 4|高額商材提示段階
→こここまで進むと、勧誘目的だったことが確実になります。
意見を述べると反論され、思考を奪われる危険も高まります。
迷う前に離脱し、連絡を断つ行動が最も安全な選択となります。
段階が進むほど心理的揺さぶりが強まり、判断力が鈍ります。
ぜひ Level 1の段階で遮断し、冷静に対処してください。
経験から得た学び
「簡単に稼げる」という言葉は幻想であり、都合の良い話は突然訪れません。
継続した努力と正しい知識が必要です。

私はこの経験を、「失敗」ではなく「未来を守るための学び」と捉え、
前進し続けるために、「高い勉強代だった」と自分に言い聞かせています。
本記事はあくまで「判断材料の一つ」とし、参考範囲で活用していただけると幸いです。
まとめ
本記事は、同じ経験をする人を一人でも減らしたいという想いから執筆しました。
もしすでに経験してしまったとしても、自分を責めなくて大丈夫。
心理操作を多用し、行動設計まで仕組まれた罠だったのです。

正しい知識は、資産にもなります。
「自分を守る力」こそ、価値のある資産の一つだと考えています。
この記事が、あなたの「守る力」向上に少しでも貢献できれば嬉しく思います。