- 投稿日:2025/12/10
提示された金額が妥当なのか、どこまで自分の負担になるのか、分かりにくさを感じる方も多いと思います。
私自身、福岡で複数の賃貸物件を運営する中で、退去立会いや原状回復の判断を管理会社と日常的に行なっていますが、
退去費用は担当者の感覚ではなく、三つの明確な基準で決まるという点が共通しています。
逆にここから外れているよく分からない請求は、ボッタクリに近いと考えても良いかもしれません。
この記事では、入居者の方が不必要な費用を払わずに済むよう、管理会社が大家に確認する際、実務で使っている三つの判断基準をわかりやすく整理します。
退去前に知っておくことで、余計な負担を避け、安心して引っ越し準備が進められるはずです。
結論
退去費用は
汚れの程度
耐用年数
実費相当かどうか
この三つによって決まります。
つまり、管理会社は以下の視点で判断しています。
・その汚れは清掃で落ちるものか
・経年劣化なのか、入居者の過失なのか
・請求するなら実費の根拠があるか
この三つを理解しておけば、退去時に不当な請求を受けるリスクは大きく下がります。
管理会社が判断に使う三つの基準
清掃で落ちる汚れかどうか
退去時のチェックで最初に確認されるのは、汚れが通常清掃で落ちるかどうかです。一般にどのような賃貸物件でも退去後は内装の清掃作業を実施します。一般的なブラシや雑巾など、皆さんも想像できる範囲での器具を用いた清掃となりますのでこちらで落ちるか落ちないかという点が重要になります。
・落ちる汚れ → 通常使用として請求不可
・落ちない汚れ → 長期放置と判断され、入居者負担の対象
もっともトラブルになりやすい部分でもありますが、
人から借りている物件を最後清掃で落ちないほど汚されると、
貸した側としては気分も良くないですし、実際に手間がかかります。
個人によって通常仕様の範囲というのは異なることも多いですが、
そのようなトラブルが発生した場合、一般に大家や管理会社は家賃保証会社へも判断を求めます。そこで認められた内容については、入居者ではなく家賃保証会社が代わりに支払ってくれることになるので、入居者は負債を負ってしまうことになります。
そのため、入居者としても自分で汚してしまった自覚がある場合は、
過度に強気に対応しないことも自分を守るという点で、重要かもしれません。
経年劣化か、入居者の過失か
内装や設備には国交省ガイドラインで耐用年数が設けられています。
耐用年数を超えた部分は残存価値がゼロと扱われるため、請求できません。
主な耐用年数の目安
・クロス:6年
・クッションフロア:6年
・カーペット:6年
・設備(換気扇やガス機器など):6〜8年
・洗面台:15年
例えば、クロスは6年を超えていれば、多少の汚れがあっても経年劣化として扱われます。
参考までにガイドラインの一文を抜粋致します。

実費相当になっているか
退去費用は必ず実費でなければ請求できません。
・家賃1か月分
・退去一式の定額
・慣習だからこの金額
こうした請求はガイドラインに沿ったものではありません。
見積書の根拠(材料費・作業費・面積)は必ず確認できます。
管理会社は、入居者が原因となった範囲だけを補修できるかを確認します。
・部分補修が可能 → 該当範囲のみ請求
・補修が難しく交換になる → 入居者が原因の割合だけ請求
交換一式という形はガイドライン上推奨されず、根拠が求められます。
契約時にクリーニング費の特約で金額を合意していた場合でもガイドラインに沿ってクリーニング費用の内訳を提示してもらい、場合によっては減額請求しても良いのかもしれません。
交渉すれば何かあるかもしれませんが、しなければそのまま支払いが発生してしまう可能性が高いため、入居者側としてはいずれにせよ損はない対応でしょう。
実際にあった具体例
床の強い汚損(請求が発生するケース)
ある物件での実際の画像となります。写真では見づらいはないですが、色のついた液体を長期間床に放置していたため、汚損が広範囲にわたり染み付いてしまいました。
こちらを受けて管理会社からは以下のようなやり取りがありました。
→ 本件では上記内容を入居者へ説明し、実際に入居者負担が発生しました。
理由
・通常清掃では改善不可
・通常使用の範囲を超えている(入居者の善管注意義務違反)
・床材が耐用年数内である
クロスの汚れ(請求されないケース)
同部屋のクロスについてもトラブルが発生しておりました。しかし、耐用年数の6年以上入居のため、ほぼ残存価値がありません。
そのため、管理会社からはこのような連絡がありました。
→過失もあり状態が良くないが、耐用年数超えのため入居者請求を行わず。
理由
・故意過失によりクロス貼り替え補修が必要な状態
・ガイドライン上、耐用年数を超えているため請求せず
きれいな退去(請求なし)
通常使用の範囲であれば、原状回復はオーナー側の負担です。
特約がなければ室内清掃やエアコンクリーニングもオーナー側で行います。
→ 入居者負担ゼロ
オーナー側としては補修費で利益は通常取りませんので、このような退去が理想なのですが・・・笑
稀に、管理会社がオーナーに確認していない内容を請求し、ぽっけないないのパターンもありますので、信用できる管理会社なのか、物件を賃借する時からその見極めは必要になります。それが難しいので、退去ガイドラインが出ているのですが。。。
オーナー目線での引っ越し前のオススメの対応
退去前に通常清掃を行う
清掃で落ちる汚れは請求できません。
最低限、次の三か所を整えておくと費用を抑えやすくなります。
・床の黒ずみ
・キッチンの油汚れ
・浴室の水垢
これは100円均一でも用意できる内容ですし、
2〜3時間の労力である程度完了する項目だと思います。
著者も賃貸派ですが、退去時には「来たときよりも美しく!」を目指して清掃を行った後に退去しています。今まで大きなトラブルはありませんし、敷金が必要な物件はその全額を返還いただいています。
気になる箇所は事前に相談する
管理会社は写真判定が基本です。
退去前に「これは請求されますか?」と確認するだけで、不要な不安を避けられます。
見積書の根拠を確認する
一式請求ではなく、材料費や作業費の内訳が分かることが重要です。
一式見積は内訳を下さいと問合せを行ってOKです。
ガイドライン(耐用年数)を参考にする
特に知っておくと安心な点は次の二つです。
・クロスは6年で残存価値ゼロ
・経年劣化は請求不可
国交省のガイドラインは根拠として強く、入居者でも活用できます。
まとめ
退去費用は、汚れの程度、耐用年数、実費負担の三つの基準で決まっています。
管理会社がどのように判断しているかを知っておけば、不当な請求を避け、必要以上の負担をしなくて済みます。
退去前に不安を感じる方は、ぜひこの記事を参考にして、安心して次の生活へ進んでください。